生成系AIについて徹底解説!生成AIを活用したおすすめサービス10選もご紹介

生成系AI(Generative AI)とは、新しいコンテンツや情報を「生成」する能力を持つAIを指します。

最近では、テキストを入力するだけで簡単に画像が生成できるAIサービスが話題を集めました。

今回PROMPTYでは、生成系AIとは何か、生成系AIの種類、生成系AIに用いられる仕組みやモデル、生成系AIを活用したおすすめサービス10選、生成系AIのメリット、生成系AIの問題点について解説します。

生成系AIとは

生成系AI(Generative AI)とは、新しいコンテンツや情報を「生成」する能力を持つAI指します。

生成系AIは機械学習アルゴリズムと大量のデータを用いて訓練され、訓練データに基づいて何か新しいものを作り出す能力を持っています。

生成系AIが従来のAIと異なる点は、AIが人間と同じようにクリエイティブな出力を生むことができるということです。

生成系AIの種類

生成系AIには主に、

①自然言語生成AI
②画像生成AI
③音楽生成AI
④動画生成AI
⑤音声生成AI

の5種類があります。それぞれ解説していきます。

①自然言語生成AI

自然言語生成AIは、人間が使用する自然言語を生成し、人間のようにコミュニケーションを取ることができます。

一部の高度なモデル(ChatGPTなど)は、文章を生成し、コンテクストを理解し、人間のように問いに答えることが可能です。

ニュース記事、レポート、詩などの自動生成に活用できます。

②画像生成AI

画像生成AIは、特定のパラメーターやガイドラインに基づいて新しい画像を作成する能力を持っています。

これは、指定されたテーマやスタイルに基づいてリアルな人間の顔、風景、アートワークなどを生成することが可能です。

また、既存の画像を基に新しい画像を生成する場合もあります。

このようなAIの一つに、NvidiaのStyleGANがあります。これは、高品質でリアルな人間の顔を生成することが可能です。

③音楽生成AI

音楽生成AIは、人間が作曲した音楽のパターンやスタイルを学習し、その知識を基に新たな音楽を作り出すAIです。

音楽生成AIは、既存の曲の音響特性やメロディ、リズム、和音構造などを分析し、それを模倣することでオリジナルの楽曲を生成します。

OpenAIのMuseNetやJukin MediaのJukin Composerなどがこの例に該当します。

音楽生成AIは、プロの音楽家が新しい音楽を作り出す手助けをするだけでなく、音楽教育やエンターテイメントなど、幅広い用途で利用されています。

④動画生成AI

動画生成AIは、既存の映像を元に新しい動画を生成したり、一から新しい動画を作成したりする能力を持ちます。

リアルな映像生成を可能にするDeepfakeと呼ばれる技術は、動画生成AIの一例であり、映像編集のプロセスを自動化し、高品質な映像体験を提供することが可能です。

これらの技術はエンターテイメント、広告、ゲーム開発など、多くの産業に影響を与えています。

⑤音声生成AI

音声生成AIは、人間の声の特徴を学習し、その情報を利用して新しい音声を生成する技術です。

これらのAIは様々な声色、アクセント、話し方を模倣する能力を持ち、自然な流れとリズムで話すことが可能です。

GoogleのTacotronやAmazonのPollyは、このような音声生成AIの例です。

これらの技術は、オーディオブックの朗読、音声アシスタント、音声応答システム、バーチャルリアリティ環境など、様々な領域で使用されます。

生成系AIに用いられる仕組みやモデル

生成系AIに用いられる仕組みやモデルとして主に、

①GAN
②Transformerモデル
③VAE
④RNN
⑤WaveNet

の5つが挙げられます。それぞれ解説していきます。

①GAN(Generative Adversarial Network)

GAN(Generative Adversarial Network)は、互いに競い合う2つの「生成ネットワーク」と「識別ネットワーク」というニューラルネットワークから成ります。

生成ネットワークは新しいデータ(例えば、画像)を作り出し、識別ネットワークはそのデータが本物か偽物かを判断します。

この競争的なプロセスを繰り返すことで、生成ネットワークは次第に本物そっくりのデータを生成する能力を向上させます。

②Transformerモデル

Transformerモデルは、自然言語処理における大規模なテキストデータの理解に特化しています。

単語間の関係を理解して、文脈に基づいて文章を生成します。

OpenAIのGPTシリーズはこのモデルを採用しています。

③VAE(Variational Auto Encoder)

VAE(Variational Auto Encoder)は、データをより少ない情報で表現(エンコード)し、その表現から元のデータを再現(デコード)します。

VAEは、元のデータに近い新しいデータを生成する能力があり、画像や音楽生成に使用されます。

④RNN(Recurrent Neural Network)

RNN(Recurrent Neural Network)は、時間的な順序を持つデータ(音声、テキストなど)の分析に適しています。

過去の情報を覚えておく能力があり、その情報を利用して新しい出力(次の単語、音符など)を生成します。

⑤WaveNet

WaveNetは、音声データの波形を直接学習し、それに基づいて新しい音声を生成します。

音声波形を直接モデル化することで、非常に自然な人間の声を生成します。

WaveNetには、異なる話者の声色や感情表現を模倣する能力もあります。

生成系AIを活用したおすすめサービス10選

今回PROMPTYでは、生成系AIを活用したサービスとして、下記の10個を紹介します。

①ChatGPT
②HuggingChat
③Midjourney
④Stable Diffusion
⑤Kaiber AI
⑥Animated Drawings
⑦Uncody
⑧Perplexity
⑨Cohesive
⑩Writesonic

①ChatGPT

ChatGPTとは、OpenAIが提供する対話型AIチャットツールで、人間のような自然な会話が可能なサービスです。

このサービスは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)という先進的なAI技術がベースとなっており、特にGPT-3.5とGPT-4という2つのバージョンが利用されています。

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②HuggingChat

HuggingChatは、HuggingFace社が開発した対話型AIチャットツールで、OpenAIが開発したChatGPTと競合するプロダクトです。

オープンソースで開発されており、発者や研究者が自由にソースコードを利用、改良し、コミュニティと知識を共有できる点が特徴ですが、2023年4月27日時点では日本語に対応していないようです。

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③Midjourney

Midjourneyはデビッド・ホルツ率いる研究チームによって2022年7月から提供されているAI画像生成ツールです。

このツールはDiscord上のbotとして機能し、ユーザー間で画像生成を共有することが可能です。

Midjourneyを使用する際、プロンプトと呼ばれるテキスト入力で画像が生成され、一度に4枚の画像がまとめて表示されます。

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④Stable Diffusion

Stable Diffusionは、ドイツのミュンヘン大学の研究チームが開発した、最新のAI技術を駆使した画像生成AIです。

ユーザーはテキストを入力するだけで、AIがそれを読み取り、詳細な画像を生成します。

このモデルのコードは一般に公開されており、使用料は無料です。

⑤Kaiber AI

Kaiber AIは、AI技術を使用して動画を生成することができるウェブサイトです。

利用者は画像、ビデオ、音楽などのファイルをアップロードしたり、言葉だけで動画を作成することができます。

無料版では、一定の範囲内で動画を生成することができます。

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⑥Animated Drawings

Animated Drawingsは、Meta AIが発表した、オブジェクト検出モデル、姿勢推定モデル、画像処理ベースのセグメンテーション技術を活用し、手描きのイラストをデジタル化しアニメーションに変換するプロジェクトです。

無料でブラウザ上で利用でき、頭、体、手足がはっきりしている場合、簡単なスケッチでも瞬時にアニメーションに変換できます。

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⑦Uncody

Uncodyは、ウェブサイトやランディングページを短時間で簡単に作ることができるAIツールです。

Uncodyを使えば、デザインやコンピューターの専門知識がない人でも、魅力的で効果的なウェブページを手間なく作成することができます。

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⑧Perplexity

Perplexityは、従来の検索エンジンとは一線を画す対話型AI検索エンジンです。

ユーザーが入力した検索内容に対して、AIがインターネットを調査し、検索結果を文章で返すことが可能です。

通常の検索エンジンとは違い、検索結果としてWebサイトのリストが表示されることはなく、対話形式で検索が行えるのが特徴です。

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⑨Cohesive

Cohesiveは、​100個以上の文章生成機能が使えるAIライティングツールです。​

このツールを使うことで、​高品質の文章を生成することができます。​

また、​文章途中に自動で画像を挿入することもできます。

⑩Writesonic

Writesonicは、​AIによるライティング自動化ツールの1つで、​文章を自動生成することができます。

​文章の種類やトーン、​長さなどを設定することができ、​ライティングの自動化を行うことにより、自分で書く場合と比較して時間労力80%を節約することが可能だと言われています。

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生成系AIのメリット

生成系AIのメリットとして、主に

①効率の向上
②創造力の拡張
③パーソナライズの強化
④コミュニケーションの改善
⑤学習と教育の強化

の5つが挙げられます。それぞれ解説していきます。

①効率の向上

生成系AIは、多くのタスクを自動化し、効率を大幅に向上させることが可能です。

文章生成AIなどを使用すれば、手動で時間をかけて作成するよりもはるかに迅速に報告書やSEO記事を作成することが可能となります。

これにより、ビジネスや個々の作業における時間と労力の節約が図られます。

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②創造力の拡張

生成系AIは、人間が思いつかないような新しいアイデアやデザインを提案することもできます。

これは芸術家やデザイナーが創造的なプロジェクトにおいて新しい視点を得る手助けとなります。

たとえば、新しい音楽やアートワークを生成するAIは、人間の創造力を補完し、新しい芸術形式の創出を促進します。

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③パーソナライズの強化

生成系AIは、個々のユーザーの好みや行動に基づいてパーソナライズされたコンテンツを作成する能力があります。

これにより、広告、製品推奨、個別化されたニュースフィードなどの分野で顧客体験の向上が図られます。

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④コミュニケーションの改善

音声生成AIや翻訳AIは、言語の障壁を越えてコミュニケーションを可能にします。

これは異なる言語を話す人々が共同作業を行ったり、新しい市場に製品を展開したりする際に特に役立つでしょう。

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⑤学習と教育の強化

生成系AIは教育環境でも有用です。

例えば、個々の学生の学習スタイルや進度に合わせて教材を作成することができます。

これにより、教育がより個別化され、学生の理解と学習効率が向上することが期待されます。

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生成系AIの問題点

生成系AIのメリットについて解説しましたが、生成系AIには問題点もいくつかあります。

生成系AIの問題点として主に、

①プライバシーの問題
②著作権の問題
③品質の確保
④データの偏り
⑤AIへの依存

の5つが挙げられます。それぞれ解説していきます。

①プライバシーの問題

AIは、学習と生成のために大量のデータを必要としますが、これらのデータが個人を特定可能な情報を含んでいる場合、プライバシー侵害のリスクが生じます。

また、AIは個々のユーザーの行動や嗜好を学習し、パーソナライズされたコンテンツを生成するために、個人データを大量に収集・処理します。

このプロセス中に、ユーザーのプライバシーが適切に保護されていなければなりません。

②著作権の問題

生成系AIの一部は、人間が作成した著作物を学習データとして使用します。

しかし、AIがその著作物から新しい作品を生成した場合、新しく生成された作品の著作権は誰に帰属するのかという問題が浮上します。

これは特に音楽や文章、画像といったクリエイティブな作品に対して著作権が適用される場合に顕著です。

また、AIが未許可で著作権で保護された作品から学習した場合、その学習が著作権侵害にあたる可能性もあります。

③品質の確保

生成系AIは、人間の補助なしで大量のコンテンツを生成する能力を持っていますが、その品質は必ずしも一貫しているわけではありません。

AIの生成物には人間のチェックが必要で、特に重要なコンテクストや細部のニュアンスを正確に理解することはAIには難しい場合があります。

④データの偏り

AIは訓練データに基づいて動作しますが、そのデータに偏りや先入観が含まれている場合、AIの出力にもそれらが反映されます。

例えば、特定の人種や性別に関するステレオタイプなど、不適切な出力を引き起こす可能性があります。

⑤AIへの依存

AIの能力が増すにつれ、人間がAIに過度に依存するリスクがあります。

AIによる生成物が高品質であればあるほど、人間がそれに頼る傾向が強まる可能性があります。

しかし現時点では、AIの決定や生成物は必ずしも正確であるとは限らず、重要な決定をする際には人間の判断が必要です。

まとめ

今回PROMPTYでは、生成系AIとは何か、生成系AIの種類、生成系AIに用いられる仕組みやモデル、生成系AIを活用したおすすめサービス10選、生成系AIのメリット、生成系AIの問題点について解説しました。

生成系AIの登場によって、私たちはAIの恩恵をより簡単に、そして日常的に使うことが出来るようになりました。

今後はこのような生成系AIをどのように活用していくかが重要になってくるでしょう。