Animated Drawingsとは
2023年4月14日に発表されたMeta AIのツール
Meta AIの基礎研究部門であるFAIRチームは、2023年4月14日にオープンソースの「Animated Drawings」というプロジェクトを発表しました。このプロジェクトでは、手描きのキャラクターをアニメーションに変換することが可能です。
無料でブラウザ上で利用でき、頭、体、手足がはっきりしている場合、簡単なスケッチでも瞬時にアニメーションに変換できます。オープンソースで提供されており、GitHubからダウンロードして詳細な設定を行うこともできます。
参考:Meta
Animated Drawingsで使用している技術
Animated Drawingsは、オブジェクト検出モデル、姿勢推定モデル、画像処理ベースのセグメンテーション技術を活用し、手描きのイラストをデジタル化しアニメーションに変換するプロジェクトです。
Meta AIはこのプロジェクトに対して、「創造力を活用して人々やコミュニティをつなげる機会」としてのポテンシャルを強調しています。
Animated Drawingsでイラストを動かす方法
①Animated Drawings公式サイトにアクセスする
まずは、Animated Drawings公式サイトにアクセスしましょう。Animated Drawingsは2023年4月16日地点では日本語には対応していません。
アクセスできたら、画面中央にある「Get Started」ボタンをクリックしてアプリを開始しましょう。
②イラストのアップロード
「Get Started」をクリックすると画像のような画面が表示されます。画面右にある「Upload Photo」をクリックして、実際にアニメーションを選択しアップロードを完了してください。
今回は例として、画像生成AIMidjourneyで生成した以下の画像を選択して動かしてみたいと思います。(実際にはAI生成以外のものでも使用可能です)今回使用する画像は以下の「サルのイラスト」です。
※Midjourneyで生成
上記の画像を選択すると、Animated Drawingsには右側に実際に使用するイラストが反映されます。確認ができたら画面右下にある「Next」をクリックしてください。
③イラストのトリミングを行う
次にイラストのトリミングを行います。多くの場合はデフォルトで最適な枠にイラストのキャラクターが入っていますが、もしイラストのキャラクターが枠外にいる場合はキャラクター全体が枠に入るように調整を行ってから画面右下にある「Next」をクリックするようにしましょう。
④画像の詳細な範囲選択を行う
次に、画像の詳細な範囲選択を行います。デフォルトである程度範囲の選択がされていますが、細かい部分などが反映できていない場合が多いのでご自身で手作業で調整するようにしましょう。
範囲は画像が白くなっている部分で、画面右にある「鉛筆マーク」で範囲の追加、「消しゴムマーク」で範囲の切除を行うことができます。実際に例の画像では、サルの左腕と身体の間の隙間を消しゴムで切除しました。
⑤身体の骨格を指定する
最終的に、アップロードされたイラストの各部分の骨格の指定を行います。円形の線をドラッグアンドドロップして動かすことが可能ですので、頭部の中心、左右の耳や目、手首、肘、肩、お尻、膝、足先などの位置をイラストに合わせて最適化するようにしましょう。その後、「Next」を押すと、イラストが数秒間スキャンされます。
⑥アニメーション完成
実際に数秒のロード時間を経て、様々なシチュエーションごとのアニメーションが完成しました!
左の画面にアニメーションの一覧があるので、好きなアニメーションを選択していただくと、右側にアニメーション付きのキャラクター動画が表示されます。
実際に筆者が使ってみた感想
まず、AIがここまで進化したことに驚かされました。実際に、Animated Drawingsを利用してみたところ、イラストからアニメーションを生成するプロセスは非常にスムーズで、ある程度違和感のないアニメーションが完成しました。
実際にイラストをアップロードして数分の加工を行っただけで、ある程度自然なキャラクターのアニメーションを生み出すことができました。
Animated Drawingsの登場により、AI技術の進歩がさらにアニメーション業界を刺激し、新たな可能性が広がるでしょう。