「ChatPDF」を徹底解剖!話題のPDFチャットボットAIの性能・料金はどのくらい?

ChatPDFとは

引用:ChatPDF

ChatPDFは、OpenAIが開発した対話型AI「ChatGPT」を活用したサービスで、PDFファイルに関する質問をAIチャットボットが回答してくれる機能が搭載されています。PDFファイルをアップロードするだけで手軽にチャットボットが作成可能であり、大容量のPDFから情報抽出や質問への回答が可能です。

対応デバイス

iPhone、iPad、iPod touch、およびMac OS X 13.0以降のデバイスで利用できます。

インタラクティブなPDF活用

PDFファイルをチャットボットに変換し、インタラクティブな形式で利用することが可能です。会話形式でPDFファイルを理解することができるため、大学生や研究者が研究論文や契約書から情報を抽出する際に役立ちます。

ChatPDFを導入するメリット

ChatPDFを使用することで、PDFファイルに関する質問に迅速かつ正確に回答できるだけでなく、多言語での回答が可能なため、グローバルなユーザーに対して対応することが可能です。

ChatPDFの料金は?

ChatPDFは、無料で利用できるAI教育ツールの1つです。120ページ以下のPDFファイルを1日に最大3つ、質問が50以内であれば無料で利用可能です。

制限を超える場合は、月額5ドルのPlusプランにアップグレードすることで、日本語で1500語まで利用できるようになります。

ChatPDFを実際に使用してみた

①まずは公式サイトにアクセスする

まずは公式サイトにアクセスしてみます。シンプルで分かりやすいUI設計です。

②PDF資料のアップロードを行う

次に画面中央にある「Drop PDF here」と記載がある画面に実際にPDF資料をドロップします。今回は、例としてOpenAIのCEOである、サム・アルトマン氏が2023年4月10日に自民党で行ったプレゼン資料をアップロードしてみます。

資料URLはこちら→note

実際にドロップを行うと「Processing」という文字列が数秒間表示されました。そして、以下のように、チャット画面に表示が変わりました。

ChatPDFの精度はぶっちゃけどうなのか

【実験①】ChatPDFにOpenAIの使命について質問してみた

次に実際にOpenAIの資料についての質問を行なって質問に対する精度を確かめていきたいと思います。精度を確かめるために以下のような質問を用意してチャット形式で会話を行ってみました。

入力文:

OpenAIの使命はなんですか?

実際に入力してみると以下のような質問が返ってきました。

出力文:

OpenAIの使命は、汎用人工知能(AGI)が人類全体に確実に利益をもたらすようにすることです。この情報は、PDFファイルの2ページ目に記載されています。

実際にPDFファイルの2ページ目をみてみると、正しい情報であることが分かります。

質問の前に筆者が誤って「OpenAIの」という中途半端な文章を送信してしまいましたが、しっかりと「不明瞭」であることに触れた上で回答を控えました。(GPT-3.5は分からない質問に対してもデマの内容を回答してしまう傾向にあるため、ChatPDFの回答は非常に誠意のある、信頼できる回答だと思います)

【実験②】ChatPDFにGPT-3とWhisperのリリース時期を聞いてみた

次に、単純な質問ではなく少し複合的な質問を投げてみます。

入力文:

GPT-3とWhisperのリリース時期をそれぞれカンマ区切りで教えてください。

2つのモデルのリリース時期を聞いた上で、「カンマ区切り」という追加条件を指定して質問を行ってみました。実際に質問した結果は以下の通りでした。

出力文:

GPT-3は2020年5月にリリースされました。一方、Whisperのリリース時期については、情報源であるページには記載されていません。申し訳ありませんが、該当情報を提供することができません。

上記の通り、Whisperの情報はPDFに記載されていたにもかかわらず回答は行われませんでした。まだ文字認識は完全ではないようです。また、カンマ区切り、という文章にも対応してくれませんでした。詳細な条件を指定するとChatPDFは難しいのかもしれません。

まとめ

ChatPDFは画期的なサービスで、大容量のPDFファイルをアップロードするだけで、対話型AI「ChatGPT」が内容に関する質問に答えてくれます。

調査や学術研究など、情報抽出が重要な場面で非常に役立つと感じました。シンプルなUI設計ですぐに活用できる点も魅力的です。

まだ性能上回答が完璧でないこともありますが、あくまでPDF資料を読むアシストとしては十分に活用できるサービスだと感じました。