「ChatGPTを社内利用するメリットは?」「ChatGPTの導入事例はあるの?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
昨今、日本ではChatGPTを業務の中で活用しようとする企業や役所・官庁が増加しています。
今回は、ChatGPTの社内利用のメリットとデメリット、活用事例について解説します。
ChatGPTとは
ChatGPTとはOpenAIが提供するAIチャットボットサービスです。
人間と同じようなレベルでの自然な会話が可能で、2022年11月に登場してから現在まで、爆発的な勢いで利用者が増加しています。
プロンプト次第で多種多様な業界・領域への活用が可能であり、最近では実際の業務フローにChatGPTを使用する企業や官公庁も増えています。
ChatGPTについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
ChatGPTとは、人間に近い自然な会話を実現するAIチャットツールで、先進的なAI技術が活用されています。 2022年11月に登場し、その無料でアクセス可能な画期的な性質が話題を呼び、SNS上で高品質な文章生成や人間らしい回答が評[…]
ChatGPTを社内利用するメリット
ChatGPTを社内利用するメリットとしては以下のことが挙げられます。
①業務効率化が可能
②社内でのコミュニケーションの円滑化
③客観的な意見が得られる
この3点について解説します。
①業務効率化が可能
ChatGPTを使うと日常で発生する事務作業などを効率化することができます。
例えば、以下の活用方法が可能です。
・用途に合わせたExcelの関数を提案する
・プログラミングコードの提案
・メールの一斉送信
・営業メールの作成
など
プロンプトを作成してChatGPTを動かすことができれば、どんな仕事にも付随する書類作成などの業務は代行させることができます。
誤字・脱字やファクトチェックなどは挟む必要性がありますが、自身で1からやるよりは早い時間で終えることができるでしょう。
②社内でのコミュニケーションの円滑化
会社のメンバーが増えてくれば増えてくるほど、伝達ミス、言った言わないの問題が発生しやすくなります。
ChatGPTを利用すれば、会議や個人的なミーティングの議事録を作成したり、専用チャットボットとして社内のちょっとした疑問を解決することができます。
こういった問題を解決することで、社員もより気持ちよく働くことができるようになるため、導入するメリットの1つと言えます。
③客観的な意見が得られる
アイデアに対する他業種からの意見や客観的意見が欲しい場合もChatGPTを活用できます。
ChatGPTは多くの業界の知識を保有しているため、求める観点からのアドバイスを行ってくれます。
社内で利用できれば、社員各々についているコンシェルジュのような役割を果たすことができるでしょう。
ただし、企業秘密の情報など機密情報を入力しないように注意してください。
ChatGPTを社内利用するデメリット
ChatGPTの社内利用はメリットが多くありますが、デメリットもいくつか存在します。
具体的なデメリットは以下の通りです。
①間違った情報を回答する可能性がある
②情報漏洩が起きる可能性がある
③導入までにコストがかかる可能性がある
①間違った情報を回答する可能性がある
ChatGPTは文脈に沿って最適であろう回答を行います。
そのため、指示や質問の仕方が不十分であると間違った情報を提供してしまう可能性があります。
前提として、詳細な指示や質問を心がけることも大切ですが、ファクトチェックを徹底することが重要です。
また、現状ChatGPTは2021年までの情報しか搭載していないため、最新の情報を含む質問などには回答できない可能性があります。
②情報漏洩が起きる可能性がある
ChatGPTの使用過程で社外秘の情報を入力していると、OpenAI側で何らかのトラブルが発生した際に情報が流出してしまう危険性があります。
また、ChatGPTは同一チャット内では情報は保持されるため、チャットを使いまわしてるとどこかのタイミングで情報が洩れる可能性もあります。
ChatGPTに入力情報の学習させないようにするオプトアウト申請と言うものも存在しますが、個人単位での申請を行う必要があるため、社内利用時にオプトアウト申請を行う事は現実的ではありません。
機密情報は絶対に入力しないように注意し、できるだけ一般的な内容での活用に留めるようにしておきましょう。
今回PROMPTYでは、ChatGPTのオプトアウト申請とは何か、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な理由、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な場合とそうでない場合、ChatGPTのオプトアウト申請をする2つの方法、ChatGPT[…]
③導入までにコストがかかる可能性がある
ChatGPTはオープンソースのサービスです。
基本無料で使うことができますが、OpenAIからのサポートなどはあまり期待ができません。
そのため、社内にChatGPTを導入する場合は自社で導入するか、導入作業を外注する必要があります。
また、GPT-4を使用する場合は、初期費用に加えてランニングコストが発生する可能性もあります。
掛かるコストと導入後のメリットの釣り合いをよく考えてから社内利用を始めるといいでしょう。
ChatGPTの導入事例
先述の通り、日本ではChatGPTを導入する現場が増加しています。
ここでは、民間企業と官公庁の導入事例に分けて説明していきます。
民間企業での導入事例
大和証券
大和証券は情報収集や資料作成の効率化のために、ChatGPTを含んだクラウドサービスを導入しています。
何があったのか 大和証券は、対話型AI「ChatGPT」を搭載した米マイクロソフトのクラウドサービスを全社員へ展開する予定とのことです。 4月中に約9000人の従業員が対象となり、情報収集や資料作成など多岐にわたる業務の効率化[…]
みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループでは国内の約4万5千人の従業員に対し、生成AIの日常業務への利用を許可しています。
みずほフィナンシャルグループ(FG)は、国内の従業員約4万5000人に対して、生成AI(人工知能)の日常業務での利用を開始します。さらに、社員が具体的な活用方法についてアイデアを出し合うイベントを来月に開催予定です。 参考:Bloo[…]
ベネッセホールディングス
ベネッセでは全社員約1万5千人に、ChatGPTと同等の機能を持つ自社AIを展開しています。
自社AIを構築したことで、OpenAIに情報を取得されることなくChatGPTの機能を使用できるようです。
参考:日経ビジネス
官公庁での導入事例
東京都
東京都では8月を目途にChatGPTが全部局で導入される見通しです。
東京都は、今後全ての部局で生成AIを用いる方針を示しました。 東京都は生成AIの効果的な活用を行うため、専門のプロジェクトチームを組織し、主に業務への生成AIの適応性を評価し、その結果を基に導入を進めていくとのことです。 参考[…]
香川県
香川県では既に一部地域で導入が進んでおり、今後も導入する自治体を増やすために職員向け生成AIのセミナーを実施しています。
香川県と5市4町からの職員約160人が、近未来の業務効率化のため、生成AIの基本概念を学ぶためのセミナーに参加しました。 講師として招かれたのは、AI研究の世界的権威であり、坂出市出身の東京大学大学院の松尾豊教授です。 参考:[…]
横須賀市
横須賀市では2023年4月20日からChatGPTの導入が始まっており、6月以降はGPT-4の導入など、本格的な活用が進んでいます。
横須賀市のChatGPT導入の概要 横須賀市は、AIの活用に積極的に取り組み、令和5年4月20日から、全庁的なChatGPTの活用実証を開始しました。この実証実験の結果を基に、ChatGPTの本格的な実装が行われる予定です。 […]
まとめ
今回はChatGPTの社内利用のメリット・デメリット、導入事例について解説しました。
今後も日本国内ではChatGPTの社内利用が進んでいくことが予想されます。
ChatGPTを導入することで、自社のどのような業務が効率化できるのかなどを考えて社内利用を検討するようにしましょう。