今回PROMPTYでは、ChatGPTのオプトアウト申請とは何か、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な理由、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な場合とそうでない場合、ChatGPTのオプトアウト申請をする2つの方法、ChatGPTですでに入力したデータを消去する方法について解説します。
ChatGPTに入力データを学習させないオプトアウト申請とは
ChatGPTのオプトアウト申請とは、ユーザーがChatGPTに入力した情報を、AIの学習データから除外するようOpen AI社に対して申請することです。
以前からChatGPTには個人情報や機密情報をAIが学習することによって、情報漏洩のリスクがあると指摘されてきました。
実際、Open AI社はユーザーの入力したデータAIの学習に使われる可能性があると公表しています。
Open AI社はこのことに対する反発もある中で、個人のプライバシーに配慮するため、オプトアウト申請を設けるなどの対策を行っているのです。
ChatGPTのオプトアウト申請が必要な理由
ChatGPTのオプトアウト申請が必要な理由として主に、
①個人情報の保護
②企業秘密の保護
の2つが挙げられます。それぞれ解説していきます。
①個人情報の保護
ユーザーがChatGPTに入力した情報には、個人情報や機密情報が含まれる可能性があります。
これらの情報がAIの学習データとして使われることで、情報漏洩のリスクがあります。
オプトアウト申請を行うことで、ユーザーは自身の個人情報がAIによって学習されるのを防ぐことができます。
③企業秘密の保護
業務で使用する際に、社内の機密情報や企業秘密がChatGPTに入力される可能性があります。
このような情報がAIの学習データとなると、情報漏洩のリスクがあります。
オプトアウト申請により、このような情報がAIの学習に利用されるのを防ぐことができます。
ChatGPTのオプトアウト申請が必要な場合とは
ChatGPTのオプトアウト申請には、必要ない場合とそうでない場合があります。
具体的には、ChatGPTをAPI経由で利用している場合オプトアウト申請は不要で、ChatGPTのウェブ版を利用している場合はオプトアウト申請が必要となります。
詳しく解説していきます。
ChatGPTをAPI経由で利用している場合オプトアウト申請は不要
OpenAIの公式ドキュメントによれば、API経由でChatGPTを利用したユーザーが入力したデータは、AIの学習材料として使用されないとされています。
Data submitted through the API is no longer used for service improvements (including model training) unless the organization opts in（訳：APIを通じて提出されたデータは、組織がオプトインしない限り、サービス改善（モデルのトレーニングを含む）のために使用されることはありません。）
引用：Open AI
API経由でChatGPTを利用する場合には、直接APIを使うだけでなく、APIを組み込んだサービス（AIチャットくんやCatchyなど）を使用することも含みます。
つまり、APIを通じてChatGPTを利用する場合でも、APIを組み込んだサービスを利用する場合でも、入力したデータがChatGPTの学習に利用されることはありません。
したがって、これらの方法でChatGPTを使用する際には、オプトアウト申請は不要となります。
ChatGPTのウェブ版を利用している場合オプトアウト申請が必要
ChatGPTのウェブ版を利用している場合はオプトアウト申請が必要です。
Open AIの公式ドキュメントには、ユーザーが入力したデータの使用について下記のように記されています。
When you use our non-API consumer services ChatGPT or DALL-E, we may use the data you provide us to improve our models.（訳：お客様が当社の非APIコンシューマー向けサービスChatGPTまたはDALL-Eをご利用になる場合、当社はお客様から提供されたデータを使用して当社のモデルを改善することがあります。）
このように、API経由ではなく、ウェブ版を利用しているユーザーが入力したデータは、ChatGPTのモデル改善のために使用される場合があると明記されています。
また、Open AI社が提供している画像生成AI「DALL-E」も同様に、ユーザーが入力したプロンプトを学習に使用する場合があるとしています。
個人を特定できるようなデータは削除し、また、一人のユーザーから学習するデータ量は少なくするなどプライバシーに配慮するための措置は取られているようですが、セキュリティ上の配慮から、パスワードや財務情報、ユーザー名、個人の写真などをChatGPTやDALL-Eに入力することは避けるべきです。
機密情報や個人情報を扱う場合は、必ずオプトアウト申請をするようにしましょう。
ChatGPTのオプトアウト申請をする2つの方法
ChatGPTのオプトアウト申請をする方法として、①ChatGPTのオプトアウト申請を専用フォームから行う方法と、2023年4月25日に追加された②ChatGPTのオプトアウト申請を設定画面から行う方法の２つがあります。
理由は後述しますが、今現在は①ChatGPTのオプトアウト申請を専用フォームから行う方法をおすすめします。
①ChatGPTのオプトアウト申請を専用フォームから行う
ChatGPTのオプトアウト申請を専用フォームから行うと、チャット履歴を残しつつ、データを学習させないようにすることができるためこちらの方法をおすすめします。
設定画面から行う方法もありますが、履歴が完全に表示されなくなってしまうため、見返したり、同時に複数の作業をすることができなくなってしまいます。
手順は下記の通りです。
（１）専用フォームを開きます。
（２）Organization name、Organization IDは、「Account Org Settings」のリンク先から設定します。
Organization IDはもともと設定されているため、Organization nameに組織名を入力してsaveをクリックします。
（３）メールアドレスと設定したOrganization ID・Organization nameを入力し、送信したらオプトアウト申請完了です。
②ChatGPTのオプトアウト申請を設定画面から行う
2023年4月25日から、以前は専用フォームから申請する必要があったChatGPTのオプトアウト申請が、ChatGPT内の設定画面から簡単にできるようになりました。
ただし、2023年7月13日時点では、履歴が残らなくなり、ChatGPTが使いづらくなってしまうためおすすめしません。
下記の手順でオプトアウト申請ができます。
（１）左下のユーザ名をクリックするとメニューバーが表示されるので、その中の「Settings」をクリックします。
（２）「Data controls」をクリックします。
（３）オンになっている「Chat history&training」をオフにします。
（４）左上に「Chat History is off for this browser.」と表示されれば、オプトアウト申請完了です。
※なおすぐ下に表示されている「Enable chat history」は、再度履歴を有効にするという意味で、つまりオプトアウト申請を取りやめるということなので、クリックしないようにしましょう。
※ChatGPTのオプトアウト申請を設定画面から行うデメリットとして、ChatGPTの履歴が残らないため、ChatGPTが使いづらくなってしまいます。
具体的には、履歴が残らないので、1つのチャットしか使えなくなってしまうため、並行して複数のチャットを使って作業をすることができなります。
①質問をする
②「Clear chat」で新しいチャットを作成。この時、過去の会話は見られないため、複数の作業をChatGPT上で並行したり、見返したりすることができない。
すでに入力したデータを消去する方法はアカウント削除のみ
入力したデータを削除する方法は、2023年7月13日現在アカウントの削除のみで、プロンプト単位での削除は不可能のようです。
Open AIの公式ドキュメントには下記のように記されています。
Can I permanently delete all my chat history?
You can clear specific chat conversations one at a time from your chat history. After 30 days the cleared conversation will be permanently deletedor de-identified if you haven’t opted out of having your content used to improve our services.
（訳：すべてのチャット履歴を完全に削除できますか？ーチャット履歴から特定のチャットの会話を一つずつ消去することができます。クリアされた会話は30日後に永久に削除されるか、または当社のサービス向上のためにお客様のコンテンツが使用されることをお客様がオプトアウトしていない場合は識別が解除されます。）
データが学習データとして利用されるかどうか確認することができないため、オプトアウト申請を忘れずに行う必要があります。
まとめ
今回PROMPTYでは、ChatGPTのオプトアウト申請とは何か、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な理由、ChatGPTのオプトアウト申請が必要な場合とそうでない場合、ChatGPTのオプトアウト申請をする2つの方法、ChatGPTですでに入力したデータを消去する方法について解説しました。
機密情報や個人情報をChatGPT上で扱う場合は、必ずオプトアプト申請をするようにしましょう。
また、オプトアプトの申請方法は、履歴機能を残したまま学習させないことができるフォームでの申請がおすすめです。
