TOPPANホールディングスは、11月9日に新たな技術革新の一環として、社内のプログラム開発業務に大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIを導入したことを発表しました。
同社は、社内システム開発に検証の結果、業務時間が最大約70%削減されたことを確認しています。
生成AI活用の背景
昨今、生成AIの注目が高まるものの、実際の業務における効果の創出までは至らないことがあり、実効果を創出するための仕組みの構築が課題となっています。その中で、TOPPANホールディングスは、従業員約2万人への文章生成AIサービスなどの推進により、AIリテラシーの向上と業務効率化を図っています。
デジタル化とデジタルトランスフォーメーションの推進に伴い、新旧システムの保守メンテナンスに必要なプログラマーの不足は一層顕著になっています。
このような課題に対し、TOPPANホールディングスはプログラム開発業務に特化したOSS-LLMの生成AIを導入しました。高セキュリティな自社サーバー上に構築されたOSS-LLMは、特定の業務分野に特化し、頻繁な情報更新が可能です。
実証試験の実施と成果
2023年8月1日から10月31日までの3か月間、デジタルイノベーション本部にて実施された実証試験は、社内システム開発におけるプログラムの要約とコード生成作業を対象に実施されました。
その結果、導入前と比較して、プログラマーがシステム稼働を確認するまでに要した時間が、最大約70%削減することができました。
今後の展望
TOPPANグループでは、この業務特化型LLMの生成AIを活用し、国内外のシステムプログラミング支援に展開し、社内全体のシステム開発と保守のコストを30%削減することを目標にしています。
さらに、研究サポート業務や技術アーカイブなど専門業務への適用を進め、効果の検証を行いつつ、ユーザビリティの向上を図ります。また、国内外のTOPPANグループで実証を継続し、外販サービスへの展開も視野に入れていると述べています。
システム開発における生成AI活用
今回のTOPPANグループの例にあるように、開発分野でも生成AIが活用され始めています。コーディングの支援やテストコードの作成において生成AIが活躍しており、実際にレコチョクのエンジニアでは生産性が25%~30%向上した事例もあります。
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ハルシネーションのチェックや適切な仕組みを作ることによって生成AIの活用で生産効率を上げることができるでしょう。
まとめ
TOPPANホールディングスは、社内のプログラム開発業務に大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIを導入したことにより、社内システム開発の業務時間が最大約70%削減されたことを発表しました。
開発分野においては、自社特化のLLM開発からコーディングの支援といった様々な方法で生成AIを使うことができます。皆様も個人や組織のリソースに応じた活用方法を探してみてはいかがでしょうか。
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