GitHubは、11月8日(現地時間)に米サンフランシスコで年次カンファレンス「GitHub Universe 2023」を開催しました。カンファレンスでは、開発者向けの AI ツール「GitHub Copilot Chat」の一般提供開始や「GitHub Copilot Enterprise」という組織向けのプランなどが発表されました。
参考:GitHub
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GitHub Copilot Chat が12月より一般提供開始
開発者向けのAIツール「GitHub Copilot Chat」が12月から一般提供開始されることが発表されました。新機能を搭載するほか、Visual Studioに加えてJetBrain IDEやモバイル上でも利用可能になります。
GPT-4による強化
最新のOpenAIのGPT-4モデルを搭載することで、Copilot Chatは開発者へのサポートを大幅に改善しました。これにより、より適切なコードの提案や、コードに関する質問への明確な回答が期待できます。
Copilot Chatでは、開いているファイルやウィンドウを基にしたコードの提案を行い、複雑な概念を説明したり、セキュリティの脆弱性を検出したり、エラーを見つけて修正する手助けをします。これにより、ターミナルやデバッガーでの作業が容易になります。
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また、/fixや/testsのようなスラッシュコマンドとコンテキスト変数が導入され、大きなタスクの実行がシンプルになります。これにより、コードの修正やテストの生成が瞬時に行えます。
GitHub.com およびモバイルアプリで利用可能に
GitHub Copilot Chatは、モバイルアプリにも統合され、自然言語を通じて、あらゆるプログラミングに関する疑問に答えます。これにより、デスクトップにいない時でも作業が進められます。また、JetBrainsのIDEでもCopilot Chatが利用できるようになりました。
新たな「GitHub Copilot Enterprise」が 2024年2月より提供開始
新たな法人向けサービス「GitHub Copilot Enterprise」を発表しました。2024年2月より、月額$39での一般提供開始が予定されています。
「GitHub Copilot Enterprise」は、開発者のニーズに合わせてコードベースをパーソナライズし、効率的なコーディングを支援する統合機能を提供します。チームがコードベースを素早く理解し、ドキュメントを探索し、ビルドする手助けをすることが期待されます。また、内部や非公開のコードに基づいた提案を通じて、プルリクエストのレビューを迅速化します。
新たに追加されるプルリクエストのサマリー生成機能を含むスマートアクションは、ボタン一つで開発者が作業状態を維持できるよう設計されており、GitHub全体で利用可能です。これにより、開発者は中断されることなく、作業の流れを保つことができます。
GitHub Copilot Chatの効果は?
GitHubは、10月にGitHub Copilot Chatの効果を調査した結果を発表しています。
調査によると、開発者の85%がGitHub CopilotやGitHub Copilot Chatの導入後、コードの品質が向上したと感じています。品質の基準として挙げられたのは、読みやすさや再利用性、コードの簡潔性、保守性、エラーへの対処能力の5つのメトリクスです。
さらに、GitHub Copilot Chatの使用により、コードレビュー作業が15%短縮されたことが報告されました。約70%の参加者が、同ツールを使ったレビュアーからのフィードバックを実際に採用しています。
また、88%の開発者はGitHub Copilot Chatのおかげで集中力が向上し、フラストレーションが軽減されたと答えており、これによりコーディングがより楽しいものになり、作業の流れが保たれるようになったとのことです。
引用:GitHub
まとめ
GitHubは、年次カンファレンス「GitHub Universe 2023」を開催し、開発者向けの AI ツール「GitHub Copilot Chat」や「GitHub Copilot Enterprise」などのプランを発表しました。OpenAIのGPT-4を使った強化にも注目が高まります。
GitHubの調査結果からも、AI技術が開発者の仕事を単に補助するのではなく、開発プロセスの核心部分に深く組み込まれ始めていいます。AIの即時性と正確性によって、開発者がルーチンワークから解放され、より創造的なタスクに集中できるようになることが期待されます。