「ChatGPTで具体的なデータを取り扱いたいけど、どうやってファイルを読み込むの?」「ChatGPTを実務に活用したい。」そう思う方もいるのではないでしょうか。
ChatGPTデフォルトモデルでは直接ファイルの読み込みはできませんが、プラグインを活用することで、ファイルの読み込みが可能になります。
今回PROMPTYでは、ChatGPTでファイルを読み込む方法を実際の例を用いて詳しくご紹介します。
ChatGPTのデフォルトモデルではファイルの読み込みはできない
現在(2023年7月時点)、ChatGPTのデフォルトモデルでは、チャット画面から直接ファイルを読み込む機能はありません。テキストの情報を入力すれば、ChatGPTが内容を理解して回答を出力してくれますが、具体的にファイルを読み込んだり、編集することはできません。
しかし、プラグインやAPIを活用することにより、様々な種類のファイルをChatGPTに読み込ませ、その内容を処理させることが可能となります。このような方法で、ChatGPTの能力を最大限に活用し、より広範なタスクを遂行することができます。
ChatGPTでファイルを読み込む方法
本記事では、ChatGPTでファイルを読み込む方法を3つ紹介いたします。Code InterpreterやChatGPTのプラグインは、ChatGPT Plus(有料版)のみ利用できることに注意してください。
(1)ChatGPT Code Interpreterを使用する
Code Interpreterは公式プラグインの1つで、「 Pythonが扱えて、ファイルのダウンロードやアップロードが可能なプラグイン」になります。Code Interpreterを使用することにより、デフォルトのChatGPTでは難しかったことが実現できます。
具体的には、次のような様々なファイル形式がサポートされています。
- プレーンテキスト (.txt)
- マークダウン (.md)
- Python (.py)
- JavaScript (.js)
- HTML (.html)
- CSS (.css)
- XML (.xml)
- JSON (.json)
- CSV (.csv)
- Microsoft Officeのファイル形式(.docx、.xlsx、.pptxなど)
- 画像ファイル(jpg, pngなど)
テキストファイルを読み込む
Code Interpreterではテキストファイルを読み込むことができます。読み込んだテキストファイルの内容を元に、ChatGPTとの会話することができます。
元のテキストファイル:
別のチャット画面でのChatGPTとの会話履歴が保存されています。このテキストファイルを読み込ませて会話をします。
このように、テキストファイルの内容を読み込んで、それに応じた回答を得ることができます。
PDFを読み込む
Code InterpreterではPDFファイルを読み込むことができます。読み込んだPDFの内容を要約してもらいます。今回は、画像生成AIであるStable Diffusionの技術レポートのPDFを読み込んでいます。
一回の入力でPDF全体の要約を得ることはできませんが、読めるところだけまとめるように指示したところ、PDFの内容の主旨を和訳して出力してくれました。
画像ファイル読み込む
Code Interpreterではjpg形式やpng形式のファイルを読み込んで直接編集することが可能です。今回は、RGBの画像をグレースケールの画像に変換してもらいます。
画像の編集以外にも、ファイル形式の変換やOCR(画像内の文字を読み込む)など様々な処理を行うことができます。
ChatGPTのCode Interpreterの活用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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(2)プラグインを使用する
ChatGPTのプラグインを使うことで、ファイル読み込むことが可能です。ここでは「AskYourPDF」「LinkReader」のChatGPTのプラグインを活用して、ChatGPTにPDF形式の資料を読み込んで解析する例をご紹介します。
AskYourPDFプラグイン
AskYourPDFプラグインを使うことで、PDFの内容を読み込んで、内容を解析することができます。
ここでは、実際に英語の論文を読み込んで日本語の要約文を生成してもらいます。doc_idで要約するPDFを指定しています。
このように、AskYourPDF プラグインを活用することで、PDFを読み込んでChatGPTに指示した処理を行ってくれます。
LinkReaderプラグイン
LinkReaderプラグインは、ウェブページ、PDF、PPT、画像、ドキュメント、Googleドライブ、YouTubeリンクなど、あらゆる種類のURLからコンテンツを取得し理解する能力を持っています。
このように、リンクを指定するだけで、様々なファイルを読み込んで解析することができます。
ただし、これらのプラグインでは最後までファイルを読み込んでいない場合もあるので、容量の大きいファイルを読み込む際には注意が必要です。
AskYourPDF・LinkeReaderを始めとしたプラグインの詳しい使い方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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ファイル読み込み機能の活用方法
1.データ解析とレポート作成
データ分析の一環として、CSVやExcel形式のデータファイルを読み込み、そのデータの統計量を計算したり、データを可視化したりできます。売上データ、ユーザー行動データ、実験結果などのファイルを読み込み、必要な統計量(平均、中央値、分散など)を計算したり、データをグラフ化したりすることができます。これにより、データの傾向を視覚的に理解しやすくなり、レポート作成を効率的に行うことができます。これらの結果を基にレポートを作成することが可能です。
2.自動記事生成
ニュース記事やブログ投稿などのテキストデータを読み込むと、それらの内容を基に新たな記事や投稿を生成することができます。特に、自然言語処理(NLP)の技術を活用すれば、元のテキストのスタイルやトーンを維持しつつ、オリジナルのコンテンツを生成することが可能です。
3.マーケットリサーチ
市場の規模、成長率、競合状況などの情報を含むデータを読み込み、それらを分析することで、市場の現状と将来の動向を理解することができます。これにより、製品開発やマーケティング戦略の策定に役立てることが可能です。
4.フィードバックの分析
顧客やユーザーからのフィードバックをテキスト形式で収集し、それを読み込むことで、具体的な問題点や改善要望を把握することができます。さらに、ChatGPTを活用することで、フィードバックの感情分析なども行うことができます。
5.教育・学習のサポート
講義のノートや教科書、研究論文などを読み込むことで、それらの内容を要約したり、キーポイントを抽出したりすることができます。これにより、学習者の理解を助け、学習の効率を向上させることが可能になります。
6.プロジェクト管理
プロジェクト管理ツールからエクスポートしたデータ(タスクの状況、進行度、期限など)を読み込むことで、プロジェクトの進行状況を把握し、必要な調整を行うことができます。これにより、プロジェクトの遅延を防ぎ、目標を達成するための効率的な方法を見つけることができます。
7.コードレビュー
プログラムのソースコードをChatGPTで読み込むことで、そのコードの内容をチェックし、必要な改善点を知ることができます。コードのバグを自動的に見つけ出すことや、コーディングスタイルの一貫性を保つためのアドバイスを受けることができます。
まとめ
今回PROMPTYでは、ChatGPTでファイルを読み込む方法を紹介しました。
ChatGPTのデフォルトモデルでは直接ファイルを読み込んだり、出力することはできませんが、Code Interpreterやプラグインを使用することで、ファイルの読み込みが可能です。本記事では、txtファイルやPDF、画像ファイルを読み込んでプロンプトで指示した処理を行う例を紹介しました。
今回の例を参考に、皆さまもChatGPT Code Interpreterやプラグインを使って、ChatGPTの活用範囲を広げてみてはいかかでしょうか。