ChatGPTのCode Interpreterというコード実行プラグインがChatGPT Plus会員（有料会員）にリリースされたことが分かりました。
これにより、ChatGPTを使用している間、データ解析やグラフ生成といった機能をコードを利用して行うことが可能となります。
今回PROMPTYではCode Interpreterとは何か、Code Interpreterはどのユーザーが使えるのか、Code Interpreterの使い方、Code Interpreterの活用方法10選について解説します。
Code Interpreterとは
We provide our models with a working Python interpreter in a sandboxed, firewalled execution environment, along with some ephemeral disk space. Code run by our interpreter plugin is evaluated in a persistent session that is alive for the duration of a chat conversation (with an upper-bound timeout) and subsequent calls can build on top of each other. We support uploading files to the current conversation workspace and downloading the results of your work.
引用元：OpenAI
OpenAIによると、Code Interpreterは公式プラグインの1つで、「 Pythonが扱えて、ファイルのダウンロードやアップロードが可能なプラグイン」ということが書かれていました。実際に、Code Interpreterを使用することにより、デフォルトのChatGPTでは難しかったことが実現できます。
Code Interpreterはどのユーザーが使える？
OpenAIの公式Twitterによると、2023年7月7日地点でのツイートで「来週中に全てのChat GPT Plusユーザーが使用可能になる」とのことです。
2023年7月8日2時地点で日本のユーザーでも一部のユーザーには既にCode Interpreterの利用は開始されているようです。
Code Interpreterの使い方
（１）ChatGPTを起動し、「・・・」をクリックします。（画像赤枠）
（２）するとメニューが表示されるので、「Settings」をクリックします。
（３）「Beta features」をクリックして、「Code interpreter」のチェックをオンにします。
（４）ホーム画面に戻り、GPT-4をクリックすると「Code Interpreter」が表示されるようになるので、「Code Interpreter」を選択します。これで設定完了です。
Code Interpreterの活用方法10選
Code Interpreterでできることはたくさんありますが、代表的な活用方法として、
①コードの実行
②データ分析
③ファイルの編集
④グラフの作成
⑤QRコードの生成
⑥画像をテキストファイルに変換
⑦画像から色を自動で抽出
⑧サイト作成
⑨画像ファイルの処理
⑩音声ファイルの処理
の5つが挙げられます。それぞれ解説していきます。
①コードの実行
「Code Interpreter」を使えば、Pythonコードの実行をすることができます。
試しに、下記の「リストを作成し、リストの各要素を2倍にする」Pythonコードを入力してみます。
my_list = [1, 2, 3, 4, 5] # Create a list of numbers
# Double each element in the list
my_list = [i * 2 for i in my_list]
# Print the results
print(my_list)
リストが「1,2,3,4,5」となっているので、正しく実行されれば2倍された「2,4,6,8,10」になります。
正しくコードを実行することができました！
様々なPythonコードを実行してみた結果はこちらの記事で詳しく解説しています。
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②データ分析
「Code Interpreter」を使えば、データの分析をすることができます。
今回はこちらのスプレッドシートをcsv形式でダウンロードします。
※「Code Interpreter」ではインターネットにアクセスすることができないため、csvやexcel形式のファイルをアップロードする必要があります。
ChatGPTを開き「Code Interpreter」にして、ダウンロードしたファイルをテキストの入力欄にドラッグアンドドロップします。
「データを分析してください。」と入力すると、下記画像のようにデータの分析をしてくれました。
③ファイルの編集
「Code Interpreter」を使えば、csvやexel形式のファイルの内容を変更して、保存することができます。
ここでは先ほどと同じファイルを、John→Mikeに変更してみます。
このようにChatGPTとのやり取りをファイル形式で作成することもできます。
保存形式は、PowerPoint形式txtファイル形式で保存することもできます。詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。
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④グラフの作成
「Code Interpreter」を使えば、csvやexel形式のファイルの内容を元に、グラフを作成することができます。
「Code Interpreter」を使ったグラフの作成方法として下記の4つなどがあります。
①数式を指定してグラフを作成する
②入力データからレーダーチャートを作成する
③2021年までのデータを元に棒グラフを作成する
④最小二乗法で近似直線を求める
ここでは、先ほどのファイルの「年齢に対する年収の散布図」を作ってもらいます。
「Code Interpreter」を使った詳しいグラグの作成方法はこちらの記事で解説しています。
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⑤QRコードの生成
「Code Interpreter」を使うことで、特定のwebページのQRコードを作成することができます。
作成されたQRコードを読み込めば、そのwebページにアクセスすることができます。
また、PythonでQRコードを生成するためのコードまで示してくれます。
⑥画像をテキストファイルに変換
「Code Interpreter」を使うことで、画像をテキストファイルに変換することができます。
23年7月8日時点では、日本語のOCR（画像からテキストに変換するときの手法）がサポートされていないため、画像の日本語をテキストに変換することはできません。
ダウンロードリンクをクリックすると、このようにテキストファイルが表示されます。
この機能を使うことで、請求書や紙の資料などをテキストファイルとして保存することができます。
⑦画像から色を自動で抽出
「Code Interpreter」を使うことで、画像から色の情報を抽出することができます。
ここでは、下記の画像に含まれる色のカラーコードを抽出してもらいます。
下記のツイートでは、アップロード下画像のカラーパレットを作る方法が紹介されています。
⑧サイト作成
Code Interpreterを使うことで、簡単なwebサイトを作成することができます。
下記のツイートでは、Code Interpreter機能を使って、ChatGPTにウェブサイト構築の指示を行い、全体のコードをZIPファイルとしてダウンロードするまでのプロセスが示されています。
⑨画像ファイルの処理
ChatGPT Code Interpreterを活用することで、簡単に画像ファイルの処理を行うことができます。
具体的には、
・画像のフォーマットを変更する
・画像をグレースケール（白黒）画像に変換する
・テーマを指定して画像を処理する
・物体の輪郭を検出する
などをChatGPT上で行うことができます。
今回は、画像をフレースケールに変換し、保存しました。
「Code Interpreter」を使って、画像ファイルを処理する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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⑩音声ファイルの処理
音声ファイルの編集や解析をChatGPT上で行うことができます。
具体的には、
音声ファイルをトリミングして保存する
音声ファイルを再生速度を変えて保存する
音声の波形をプロットする
スペクトログラムを作成する
などです。
今回は、音声ファイルの最初の5秒を切り取って保存してもらいました。
トリミングした後の音源のダウンロードページを出力してくれました。
プロンプトで指示した通り、5秒間でトリミングされています。
「Code Interpreter」を使って、音声ファイルを処理する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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Code interpreterのプライバシーとセキュリティについて
「Code Interpreter」ではcsvやExcelのデータのアップロードが簡単にできるため、個人情報や機密情報の適切な管理が今まで以上に重要となります。
そのためOpen AI社は、「Code Interpreter」機能のリリースにあたって、プライバシーとセキュリティの確保に全力を尽くしていると公式サイトで発表しています。
Safety considerations
The primary consideration for connecting our models to a programming language interpreter is properly sandboxing the execution so that AI-generated code does not have unintended side-effects in the real world. We execute code in a secured environment and use strict network controls to prevent external internet access from executed code. Additionally, we have set resource limits on each session. Disabling internet access limits the functionality of our code sandbox, but we believe it’s the right initial tradeoff. Third-party plugins were designed as a safety-first method of connecting our models to the outside world.
（訳：安全性の考慮
私たちのモデルをプログラミング言語のインタープリターに接続する際の第一の考慮点は、AIが生成したコードが現実世界で意図しない副作用を起こさないように、実行を適切にサンドボックス化することです。私たちはセキュアな環境でコードを実行し、実行されたコードからの外部インターネットアクセスを防ぐために厳格なネットワーク制御を使用しています。さらに、各セッションにリソース制限を設けています。インターネットアクセスを無効にすることで、私たちのコード・サンドボックスの機能は制限されますが、最初のトレードオフとしては正しいと信じています。サードパーティのプラグインは、我々のモデルを外部に接続する安全第一の方法として設計された。）
引用：Open AI
具体的な取り組みとして、AIが生成するコードが不測の結果を招かないために、コードは安全な場所で実行され、インターネットへの接続は制御されています。
さらに、各セッションで使用可能なリソースの制限も行われています。
これらの取り組みによって、AIを外部世界に安全に連携させ、ユーザーのプライバシーとセキュリティを維持しています。
まとめ
今回PROMPTYではCode Interpreterとは何か、Code Interpreterはどのユーザーが使えるのか、Code Interpreterの使い方、Code Interpreterの活用方法10選について解説しました。
Code Interpreterを使うことで、データ分析、グラフ作成など様々な作業を効率化することができます。
今回の記事を参考に、Code Interpreterの機能を試してみてはいかがでしょうか？
