WordとChatGPTを連携する方法について解説

「WordとChatGPTは連携できる?」「Wordに直接ChatGPTの出力結果を表示したい」

このように考えている方は多いのではないでしょうか?

今回PROMPTYでは、WordなどMicrosoftのツールがChatGPTと融合すること、WordとChatGPTを連携する方法について解説します。

WordなどMicrosoftのツールがChatGPTと融合

2023年の3月にマイクロソフトは、ChatGPTを動かす大規模言語モデル「GPT-4」をベースに、WordやExcelといった自社のOfficeツールと融合させた新たなツール「Microsoft 365 Copilot」の開発を公表しました。

このCopilot(コパイロット)という名前は、「副操縦士」を指す言葉で、ビジネス活動における補助的役割、あるいは場合によっては主導的な業務遂行を担う存在であることを示唆しています。

このツールを使用することにより、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスツールを駆使した文書やプレゼンテーションの作成等、多くの作業が自動化可能になると予想されています。

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WordとChatGPTを連携する方法

「Microsoft 365 Copilot」のサービス提供開始は発表時に数か月後とされていましたが、2023年8月5日現在時点、サービスの提供はまだされていません。

しかし、アドインを使えば現時点でもWordとChatGPTを連携することができるため、今回はその方法をご紹介します。

(1)Wordを開き、「挿入」タブをクリックし、「アドインを入手する」をクリックします。

(2)検索して「Ghostwriter」というアドインを見つけて、追加をクリックします。

(3)GhostWriterは有償のアドインなので、使用するにはライセンスを購入しなければなりません。(ライセンスは25ドルから購入可能)

今回は5回まで使える無料トライアルを使用するので、「Take the PRO Edition for a trial」をクリックします。

(4)「Take the PRO Edition for a trial」をクリックすると、下記のようなワークスペースが表示されます。

Write about:ここに要求するタスクを記入します。

Persona:下記のような一覧からペルソナを選ぶことができます。

Style:学術的やビジネス調など、文体を指定することができます。

Tone:「励ます感じ」「冷たい感じ」など文章のトーンを指定できます。

Creativity:文章の創造性を指定できます。0に近づくほど、意外性のない文章に、1に近づくほど予測不可能な文章になります。

Length:文章の長さを3段階で指定できます。

Laungage:言語を指定できます。日本語にも対応しています。

WordとChatGPTを連携させてできること

文書作成

今回は下記のような入力をして、議事録を要約した文章を作成してもらいます。

入力文:

#制約条件に従って会議の議事録の要点をまとめてください。
#制約条件
*#議事録の内容に基づいてまとめること
*発言の内容から言いたいことを抽出すること
*抽出した内容から関連したものを総合して一つの要点とすること
*それぞれの要点は100字程度でまとめること
*明確で意味がわかりやすい文章にすること
*要点を箇条書きで示すこと
#議事録
山田社長: 皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。本日のテーマは、新製品「Techie」の開発と推進に関する戦略的な検討です。
田中取締役: この「Techie」は新世代のスマートデバイスで、我々が提供するサービスを通じて、人々の生活をより豊かにすることをビジョンとしています。目標市場は、20-35歳の若年層で、初年度の予想販売量は100万台を見込んでいます。
佐藤開発部長: 新製品「Techie」の開発には、AI技術の統合や電池寿命の改善といった技術的な課題がありますが、これらを解決するための策を既に策定しています。開発スケジュールは8ヶ月を予定し、必要な人員や資源も計画しています。
鈴木マーケティング部長: 我々の新製品「Techie」は、競合他社製品と比較してユーザーフレンドリーな操作感を持つという特徴を持つことで、この若年層にアピールすることが可能です。また、SNSとの連携を活用したプロモーション活動で製品の認知度を高めることを計画しています。
川上デザインチームリーダー: 「Techie」のデザインはシンプルでありながらも独自性があり、使いやすさと見た目の魅力を両立することを目指しています。これにより、製品自体のブランド価値を向上させることが期待できます。
田辺エンジニア: 具体的な開発計画については全体的に納得していますが、AIの統合については、データプライバシーの確保という観点からもう少し詳細に検討する必要があると感じています。
山田社長: それでは、各部門からの質問や提案、意見があればお願いします。
鈴木マーケティング部長: AIの統合についてですが、これが顧客にどのような利便性を提供するのか具体的に説明できますか?
田辺エンジニア: はい、AIの統合により、ユーザーの日常生活をよりスマートにする機能を提供します。例えば、スケジュール管理、健康管理、エンターテイメントなど、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズ可能です。
川上デザインチームリーダー: 新製品のデザインについて、ユーザーが使いやすいように、インターフェイスはどのように考えられていますか?
佐藤開発部長: インターフェイスは直感的に操作できるように、シンプルだけれども機能的なデザインを心掛けています。また、ユーザーのフィードバックを元に改善を重ねる予定です。
田中取締役: 鈴木マーケティング部長、SNSとの連携を活用したプロモーション活動についてもう少し詳しく説明していただけますか?
鈴木マーケティング部長: もちろんです。SNSプラットフォームでの広告配信や、インフルエンサーとのコラボレーションにより製品の認知度を高めることを計画しています。また、ユーザーからのレビューやフィードバックをSNSで活用し、製品の改善やブランドイメージの向上に役立てることも考えています。
山田社長: それでは、今日の議論を総括しましょう。まず、本日は皆さんの貢献に感謝します。我々の新製品「Techie」の開発と推進について、各部門からの意見や提案が出され、非常に有意義な議論ができました。これらの議論を通じて、「Techie」の開発と推進に向けた道筋がより明確になりました。次回の会議では、今日提出された意見や提案を元に、更に詳細な計画を議論することにしましょう。次回の会議は2023年6月12日の10時からとします。
会議終了: 12:00
次回会議: 2023年6月12日, 10:00 - 12:00

出力結果:

しっかりと入力したプロンプトをもとに、議事録の要約する文章を作成してくれました。

使用したプロンプトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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②ビジネスメールの作成

今回は下記のような入力をして、顧客に対する謝罪文を生成してもらいます。

入力文:

#命令書
会社からお客様への謝罪の文章を下記の#制約条件 に基づいて作成して下さい。
#文章形態
メール
#制約条件
* 下記の#謝罪事項 に基づいて文章を作成する。
*冒頭に#差出人を記載して挨拶をする。
* #出力形式 に基づいてメッセージを出力する。
*礼節を弁えて丁寧な表現を使う。
*正しい敬語を使う。
*簡潔で分かりやすい文章にする。
#差出人
A社事務局
#謝罪事項
* 状況: お客様のメールアドレスの漏えい
* 原因: 管理するシステムの不備
* 対処: 漏えいが発覚した時点で速やかに調査を開始し、漏えいした情報を削除
* 今後の対応: セキュリティシステムの強化、従業員の教育・訓練の徹底、外部のセキュリティ専門家による監査の実施
#出力形式
そのままメッセージを出力する。

出力結果:

しっかりと入力したプロンプトをもとに、顧客に対する謝罪文を生成することができました。

使用したプロンプトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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③商品のキャッチコピー作成

最後に、下記のような入力をして、商品キャッチコピーを作成してもらいます。

入力文:

#命令書
あなたはプロのコピーライターになり、商品の特徴を踏まえた上で下記の制約条件に当てはまるキャッチコピーを30個考えてください。
#商品名
アクアリカバー
#商品の特徴
このスポーツドリンクは、高度に浸透性のある水分補給技術を使用して、筋肉を素早く再生し、体力を回復することができます。ビタミンCやポリフェノールも豊富に含まれ、疲労回復を促進するのに役立ちます。
#伝えたいこと
疲労回復効果
#ターゲット
運動する人
#制約条件
・15文字以内。
・必ずしも商品名をキャッチコピーに使う必要はない。
・商品の特徴からターゲットに関連性の高い要素を抽出してキャッチコピーに用いる。
・伝えたい事を効果的に表現するものになっている。
・暗喩などの文学的な表現を用いている。
・珍しい、単語の組み合わせを用いている。
・単語数や句読点の数は出力の度に変動する。

出力結果:

しっかりと入力したプロンプトをもとに、キャッチコピーを作成してくれました。

使用したプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ

今回PROMPTYでは、WordなどMicrosoftのツールがChatGPTと融合すること、WordとChatGPTを連携する方法について解説しました。

現時点ではアドインを使って、WordとChatGPTを連携することができます。

今後、WordなどOfficeツールとChatGPTが融合した「Microsoft 365 Copilot」のサービス開始によって、さらにWordとChatGPTを幅広く連携できるようになることを期待したいですね!