今回は、Webマーケティング事業を行っている株式会社レグルスインターナショナルの佐々木さんに、生成AI「ChatGPT」を導入した背景、具体的な活用方法、導入による効果などについてお伺いしました。
ChatGPTをSNSマーケティングにどのように活用しているのか、具体的にどのような効果があったのか非常に貴重なお話いただけたので是非ご覧ください。
プロフィール
株式会社レグルスインターナショナル Instagram運用担当
佐々木 雄太朗さん
現在のお仕事をしているきっかけ:Instagramに出会った18歳の頃、同じタイミングで一人暮らしをスタート。初めての一人暮らしで日々自炊の記録を投稿し、モチベーションに繋がるかなと料理をなんとなく投稿する。そこから日々投稿する中でどのような投稿内容や時間帯や文章、ハッシュタグをつけるとよりフォロワー様の増加やアクションが貰えるかを分析し始めてInstagramの面白さに興味を持った。
趣味:休日は、筋トレやキャンプ、サウナに出かけてることがほとんどです。自分でもラーメンオタクだと思うほど、ラーメンが好きで毎日でも食べたいどす。お酒も好きで赤ワインが一番好きです。
Instagramの分析資料を効率化するためにChatGPTを導入
まず始めに、ChatGPTを導入した背景について伺いました。
「ChatGPTを導入した背景として、Instagramは機能が頻繁にアップデートされるため、顧客に対して分析や調査の資料を頻繁に作る必要があり、それを効率化するためという点が一番強かったです。」
とのことでした。大手企業のNECもChatGPTの導入によって資料作成にかかる時間が半減したことを公表しており、ChatGPT導入による業務効率化について興味を持つ企業が増えています。
今現在、顧客に提出する1か月の運用の結果についての分析資料を、ChatGPTのCode Interpreter機能を活用して作成しているようです。
ChatGPTのCode Interpreterというコード実行プラグインがChatGPT Plus会員(有料会員)にリリースされたことが分かりました。 これにより、ChatGPTを使用している間、データ解析やグラフ生成といった機能[…]
プロンプトのテンプレートを作成して投稿を自動化
ChatGPTの具体的な活用方法として、メインになるのがInstagramの投稿文の作成のようです。
「お客さんのアカウントごとに投稿の方針に合わせたプロンプトのテンプレートを作成し、キーワードを入れるだけで投稿文が作成できるようになっています。」
例として、お弁当屋さんのInstagramアカウントで、”唐揚げ弁当”から”サバ味噌弁当”に変えてプロンプトを入力するだけで、簡単に最適な文章を生成できるようです。
プロンプトのテンプレートを用意することで、そのテンプレートに文章を入力するだけで、最適な出力文を生成できるという点は参考になります。
顧客ごとに最適化されたプロンプトを提供するBocekの導入コンサル
プロンプトのテンプレートについては弊社Bocekの生成AI導入コンサルをご利用いただいています。
「プロンプトについては顧客ごと(Instagramのアカウントごと)に最適化されたプロンプトのテンプレートを提供していただいているので、そのテンプレートに詳細情報を入力すれば、簡単に投稿文が作成できます。生成された文章を簡単に添削するだけなので、大きく時間を削減できています。」
Bocekの生成AI導入コンサルでは、細かいシチュエーションに最適化されたプロンプトのテンプレート提供も行っており、詳細な条件を入力するだけで最適な文章を生成することができます。
実際に提供しているプロンプト例(商品名や企業名は削除しています)
これから最高のInstagramのキャプションを生成してもらいます。以下の#制約条件に従い、#出力形式に従ってInstagram用のキャプションを生成してください。
#制約条件
・このInstagramのアカウントは「○○」を目標にしています。
・商品名は「○○」です。必ず広告文には「○○」という言葉を用いてください。
・以下の#キーワード に合わせた広告文を作成してください。
・広告文は200文字以上300文字以内で作成してください。
・#キーワード の用途に用いる場合にユーザーがこの商品を欲しいと思ってくれるような素敵な文章を心がけてください。
・出力は#出力形式 に忠実に従って出力してください。
・以下の#例 に理想的な広告文を記載しているので、これを参考に文体や絵文字などを生成してください。
#キーワード
「」
#例
※すでにある広告文を例として記載する
#出力形式
[広告文→#制約条件に忠実に従い広告文を考えて埋める]
🔻ご注文はHPより🔻 →必ず記載する
@メールアドレス →必ず記載する
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ChatGPTの導入でInstagram運用業務時間が約23%短縮
具体的なChatGPTの導入効果についても伺いました。
Instagramの運用業務の効率化については、
「一番効果を感じていることは、ChatGPTをInstagramの投稿文の作成業務に取り入れることでもともと1投稿に40分ほどかかっていものが、平均して5~10分ほど短縮することができたことです。」
とのことでした。ChatGPTを活用して出来上がった文章をもとにして、アカウントに合った文章に添削することで、より最適な質の高い文章を作成することができているようです。
その他「ワインについてのアカウントを運用する際に、知識がなくてもファクトチェックを行えば、ワインについての投稿文も問題なく作成できる」という利点もあったようです。
ChatGPTは一般的な知識を回答してくれるため、まったく知らない分野でも、ファクトチェックさえしっかりすれば、問題なく業務を進めることができるという利点もあります。
投稿文の作成以外にも、下記の業務でChatGPTを活用して業務効率化を実現しているようです。
- プロフィール作成:理想のプロフィール文を例文として提示し、ChatGPTに入力することで土台となる文章を作成。簡単な添削のみで業務を効率化
- ハッシュタグ選定:アカウント規模の情報と、ハッシュタグの一覧の情報をChatGPTに提示し、ピックアップする。
業務内容 | 導入前業務時間(分) | 導入後業務時間(分) | 業務効率化(%) |
プロフィール作成 | 40 | 30 | 25% |
ハッシュタグ選定 | 25 | 20 | 20% |
投稿作成 | 40 | 30 | 25% |
全体 | – | – | 23.3% |
まずは一部の社員が生成AIについてキャッチアップ
ChatGPTを導入するにあたってのセキュリティ対策についても伺いました。
「今現在、ChatGPTは一部の社員の間で使用をしており、個人情報を入力しないといったような簡単なセキュリティ対策を行っています。今後社内全体で導入するにあたっては、今後ガイドラインを作成していきたいと思っております。」
生成AIの導入にあたっては、一部の社員の間でしっかりとセキュリティ対策や上手な活用方法などキャッチアップし、社内全体で導入するにあたって、ルールや使い方などまとめたガイドラインを作成するといった方法が推奨されます。
先日東京都がChatGPTを全局に導入するにあたって一般公開したガイドラインも参考にするとよいでしょう。
東京都は8月23日、全局の職員5万人に「ChatGPT」という文章生成AIの利用体制を確立したことを明らかにしました。この生成AIはMicrosoftの「Azure OpenAI Service」に基づいており、都が新たに導入したものです[…]
生成AIで今後インフルエンサーはいらなくなる?
最後に生成AIが今後SNSをどのように変えていくと考えているかお話を伺いました。
「AIで生成した画像を使ってInstagramの投稿をしたり、ショート動画の投稿をする人が増えています。今後企業もAIが生成したきれいな女性などを使って、ブランディングをしていくことで、インフルエンサーの需要は減っていくのかなと思います。」
実際にサントリー食品が画像生成AIを使って生成したC.C.レモンのキャラクターを作成しており、今後インフルエンサーがいなくなる可能性もあるかもしれませんね。