ChatGPTを使って顧客ニーズの抽出を行う方法を解説!マーケティングにAIを活用するアイデアも紹介

「ChatGPTを使って顧客ニーズを抽出することは出来るの?」「ChatGPTはマーケティングに活用できる?」 このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

顧客ニーズを的確に把握し、マーケティング戦略を強化するためには、AI技術の一つであるChatGPTを利用する方法があります。

今回PROMPTYでは、ChatGPTを活用した顧客ニーズ抽出の手法を詳しく解説し、さらにAIを活用することで生まれる新たなマーケティングアイデアについてもご紹介していきます。

そもそもChatGPTとはどのようなサービス?

ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能(AI)を利用したチャットボットサービスの1つです。

質問をChatGPTに投げかけると、まるで人が答えたかのような自然な表現で返答をしてくれます。かつ返答は会話の流れに合わせた自然なものとなっています。

ChatGPTについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。

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ChatGPTを用いて顧客ニーズを抽出する方法を紹介

ここでは、ChatGPTを活用して顧客ニーズを抽出する方法を紹介します。今回は顧客の購買データを基にニーズを抽出してみます。

今回紹介する方法はCode Interpreterを使用する必要があります。

Code Interpreterの使用方法については以下の記事をご参照ください。

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①顧客ニーズ抽出用のダミーデータを用意する

まず初めに、飲食店を想定して顧客ニーズ抽出用のダミーデータを用意します。今回はCode Interpreterを使用して架空のデータを用意します。今回は分析の都合上、データを英語で出力します。

プロンプトは以下の通りです。

#命令
以下の#基本情報と#出力情報を基に、仮想的な飲食店の売り上げPOSデータを作成してください。ただし、コードが長くなりすぎないように工夫してください。

#基本情報
・新宿店、大宮店、船橋店の3店舗
・ 営業時間は通常店舗は12:00~22:00。
・ 1日の平均来客数は新宿店200人、大宮店は100人、船橋店は70人
・ 1人あたりの購入アイテム数の平均は、昼は1.5個、夕は2.5個
・ アイテムは「コーヒー(400円)」「サンドイッチ(700円)」「カレー(1000円)」「パスタ(1500円)」の4種類とする。
・ 一人の客は異なるアイテムを組み合わせて合計で1~3個を購入する。稀に同じアイテムを複数購入する人もいる。

#出力情報
・ 期間は2023年8月1日(火曜日)から8月31日(木曜日)までの1カ月
・ データの項目は「トランザクションID、取引ID、日時、曜日、店舗、性別、年齢層、購入アイテム、単価、個数、小計、支払方法」とする。
・ 年齢層は「子供(1-18歳)」、「若者(18-35歳)」、「中高年(36-55歳)」、「高齢者(56歳以上)」に分類してください。
・ 支払方法は「現金」、「クレジット」、「デビット」のいずれかとする。
・ 出力は英語で行う。
・ 作成したデータはExcel形式でダウンロード可能な状態で出力する。
・ 同じ顧客による購入をグループ化するために1人の顧客につき1つの取引IDを割り当てる。顧客が複数回来店する場合は、新たな取引IDを割り当てる。

プロンプトを入力すると、以下のようにデータを.xslxファイルの形式で出力してくれます。

これでダミーデータの作成は完了しました。

②ダミーデータを可視化する

次に、このデータをグラフの形で可視化します。

上で生成したデータをCode Interpreterにアップロードした上で表をグラフ化しましょう。

今回は商品別の売り上げのデータをグラフにします。

以下のように入力します。

このデータを基に、
・商品別の売り上げ
・曜日別の売り上げ
・年齢別の売り上げ
をグラフの形で出力してください。

すると、以下のようにグラフを出力してくれます。

このように商品別の売り上げをグラフにすることが出来ました。

③顧客ニーズを分析する

最後に、上で得た情報を基に分析を行います。今回は上のデータを基に、ChatGPTに新商品の提案を行ってもらいます。

以下のように入力します。

最後に、このデータを基に新商品の提案を行って下さい。

すると、以下のようになります。

このようにChatGPTを活用して顧客ニーズの分析や抽出を行うことが出来ました。

ChatGPTで効率化できるマーケティング業務を9つ紹介

①電子メールマーケティングのパーソナライズ

ChatGPTを使用して、購入履歴、閲覧履歴、アンケート結果などの顧客情報を入力することで、次のような個別化された電子メールマーケティングを実施できます。

以下にその例を挙げます。

  1. メールコンテンツの自動生成
    顧客の過去の購入履歴から、自動的におすすめ商品や新商品を含むメール本文を生成します。
  2. 件名の自動生成
    顧客の興味に合ったタイトルを自動的に生成します。
  3. 送信タイミングの最適化
    顧客の過去の購買タイミングや閲覧ページに基づいて、最適な送信タイミングを決定します。
  4. 送信後の顧客行動の分析
    パーソナライズされたメールの開封率、クリック率、購買率などを分析し、メールの効果を評価します。

このように、顧客ごとに最適なタイミングで商品やサービス情報を提供し、PDCAサイクルを効果的に回すことが可能となります。

②商品説明文とセールスポイントの生成

ChatGPTに必要な情報を提供することで、商品の説明文やセールスポイントを簡単に生成できます。

以下のような活用例があります。

  1. 商品の特徴や機能に関する情報を入力
    商品のサイズ、重量、素材、色、機能などの情報を提供します。
  2. 商品の利点の記入
    商品の利点やメリット(たとえば使いやすさ、耐久性、コストパフォーマンスなど)を記述します。
  3. ターゲットユーザーの情報を提供
    年齢層、性別、趣味、ライフスタイル、用途など、商品を購入する顧客のプロファイル情報を提供します。
  4. 商品の使い方についての情報を入力
    商品の使用方法や取り扱い方法に関する情報を提供します。
  5. 付加価値情報を記述
    保証期間やセット割引などの特別条件に関する情報を提供します。

これらの情報を整理し、ChatGPTに提供することで、魅力的な商品説明文を簡単に作成できます。

③問い合わせ窓口と予約受付窓口の自動化

ChatGPTをカスタマーサポートとして活用することで、次のような効果が期待できます。

  1. 24時間対応
    顧客は24時間いつでも問い合わせや予約を行うことができます。
  2. 迅速な回答提供
    質問に対して即座に回答することで、顧客の待ち時間を短縮します。
  3. 一貫した回答の提供
    プログラムされたルールに基づいて回答するため、担当者ごとの異なる回答を避けます。
  4. 高い拡張性
    データを追加することで回答の品質を向上させ、顧客の要望を反映できます。

ChatGPTを活用して、24時間迅速かつ一貫した回答を提供することで、見込み客の獲得と顧客満足度の向上を実現できます。また、担当者が休日や遅い時間に対応する必要がなく、社員の労働環境改善にも寄与します。

④営業すべき優良顧客のリストアップ

以下の情報を基に、優良顧客や購買傾向を効率的に分析し、次に営業すべき顧客をリストアップできます。

  1. 購買履歴データ
    顧客の過去の購入情報、商品やサービス、価格帯など。
  2. 顧客属性データ
    年齢、性別、職業、居住地などの属性情報。
  3. アンケート調査データ
    アンケートで収集したテキストデータ。

これらの情報から、顧客の商品への関心、商品と顧客属性の関連性、商品の評判や関心事をまとめ、どの顧客にどの商品を提案するかを明確にできます。

⑤SNSマーケティングの自動化

ChatGPTを活用することで、以下の方法でSNSマーケティングを実施できます。

  1. 顧客反応分析
    SNS上のコメントを自動収集・分析して、顧客の嗜好、ニーズ、商品の評判を把握します。
  2. キーワードのトレンド分析
    注目されているトピックを把握し、関連するマーケティング戦略を立案します。
  1. 送信タイミングの最適化
    顧客の過去の行動に基づいて、最適な投稿タイミングを決定します。
  2. キャンペーン企画の自動生成
    特定のイベントや季節に合わせたキャンペーン企画を自動的に生成します。
  3. 自動応答
    顧客からの問い合わせに自動的に応答することで、ソーシャルメディア上での顧客満足度向上を促進します。

SNS上の大量のコメントやキーワードを、ChatGPTの自然言語処理能力を活用して自動収集・分析できます。これにより、商品、サービス、自社の評判などに関する情報を簡単に把握できます。

⑥コンテンツマーケティングの精度向上

ChatGPTを活用することで、コンテンツマーケティングの効率化と記事制作の支援が可能です。

以下のような活用例があります。

  1. 記事やブログのタイトルと見出しの自動生成
    特定のテーマに関するタイトルや見出しを自動的に生成します。
  2. キーワードリサーチ
    関連キーワードやフレーズを尋ねることで、最適なSEOキーワードを特定します。
  3. コンテンツの自動生成
    特定のテーマに関する説明や特徴解説などのコンテンツを自動生成します。
  4. 記事の構成提案
    読みやすく理解しやすい記事構成を提案します。
  5. タイトルと見出しの自動生成
    テーマに関連する顧客の注意を引くタイトルや見出しを簡単に生成します。

これにより、オンラインストアでの販売を促進し、顧客の購入意欲を高めることができます。特定のテーマに対して、コンテンツから記事の構成やタイトルまで考えてくれるため、効率的に質の高いコンテンツを作成できます。

⑦顧客ニーズの理解

ChatGPTを使用することで、顧客の要望を正確に理解できます。顧客との対話データを収集し、分析することで、顧客ニーズを把握できます。

ChatGPTを活用した自動応答システムを導入することで、顧客からの問い合わせ、データ収集、ニーズ分析を自動化できます。これにより、企業は顧客に有益な製品やサービスを提供できます。

⑧Webサイト経由の新規顧客獲得

ChatGPTを使用して、新規顧客獲得を目指すことができます。企業のウェブサイトにChatGPTを組み込むことで、訪問者との対話を自動化し、新規顧客の獲得に貢献します。

これにより、訪問者の問い合わせに迅速かつ適切に対応し、新規顧客の獲得につなげることができます。

⑨Web広告の品質向上

ChatGPTを使用して、ターゲットオーディエンスに訴求力のある広告コピーを生成できます。また、異なる広告コピー、ランディングページ、メールなどのバリエーションを生成し、簡単にA/Bテストできます

これにより、最適なコンテンツを選択し、マーケティング効果を最大化できます。

ChatGPTの活用はビジネスシーンにおけるタスクの効率化に最適

ここまで、ChatGPTのビジネスシーンにおける活用事例などについて紹介してきましたが、その実用性は一体どれほどのものなのでしょうか。

マサチューセッツ工科大学(MIT)は2023年7月に、ChatGPTの採用によって、執筆タスクの効率が大幅に向上する可能性について研究を行いました。この研究によれば、ChatGPTを使用しない場合と比較して、タスク完了までの時間が40%短縮されたとの結果が示されました。

                          参考:Massachusetts Institute of Technology

上記のように、ChatGPTはビジネスシーンにおいてタスクの効率化などの面でとても最適です。

ChatGPTを活用したビジネス向けサービスも存在する

ここまで、ChatGPTを活用して顧客ニーズを抽出する方法や、ChatGPTのビジネスにおける活用例を紹介してきましたが、ビジネス向けにChatGPTを利用したサービスが最近では多くリリースされています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

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ビジネスシーンでのChatGPTの使用には注意が必要

上で紹介したように、ChatGPTはビジネスシーンでも非常に役に立ちますが、注意が必要です。ChatGPTを利用する上での注意点に関しては、以下の記事で解説しています。

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まとめ

今回PROMPTYでは、

  • ChatGPTを活用した顧客ニーズの抽出方法
  • マーケティングにおけるChatGPT活用アイデア
  • ChatGPTを利用したビジネス向けサービス

について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

ChatGPTを用いることによってマーケティングにおける顧客ニーズの抽出を効果的に行うことが出来る一方で、ビジネスシーンにおけるChatGPTの利用には注意が必要です。

PROMPTYでは、他のChatGPTについての記事も多く扱っているので、是非ご覧ください。