さくらインターネットは、2023年6月16日に、生成AI(人工知能)向けのクラウドサービスを2024年1月から提供することを発表しました。同社は北海道石狩市にある石狩データセンターで、約135億円の投資により大規模なクラウドインフラを整備する予定です。
クラウドインフラの詳細
このクラウドインフラは、「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を2000基以上備え、その総演算性能は2エクサフロップス(2EFLOPS)に上るとされています。整備に際しては、初めに既設のサーバールームを利用し、計算規模の拡大に応じて新たなサーバールームを増設することが計画されています。
さくらインターネットは、このプロジェクトの総事業費約135億円のうち、約68億円を経済産業省からの補助として受け取ることになります。経済産業省は、クラウドに関連するさまざまな要素を「クラウドプログラム」としてまとめ、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資としての安定供給を目的としています。
スタートアップへの支援を予定
さくらインターネットは、スタートアップなどの開発を促進するため、安価な市場価格でサービスを提供することを掲げています。
ただし、大企業とスタートアップとの間でサービス提供価格に差を設けるわけではありません。スタートアップが調達力や運用リソースの限界でAIインフラの確保が難しいという課題を認識し、新サービスを通じて、スタートアップが大規模な基盤を容易に利用できるよう支援するとの意向を示しています。
まとめ
さくらインターネットが生成AI向けのクラウドサービスを開始すると発表したことは、AI分野のイノベーションを加速させる可能性があります。
北海道の石狩データセンターで大規模なクラウドインフラを構築し、演算性能を飛躍的に向上させることで、AIの高度な処理が可能になります。また、経済産業省からの補助を受けることで、安定した運用が期待される一方、スタートアップ支援という観点からも市場にプラスの影響が考えられます。