【GAFA参入】米Amazon、AWS上で生成AIアプリの開発を効率化するクラウドサービス「Bedrock」を発表

Amazon Bedrockとは?

Amazon Web Services(AWS)が4月13日に発表した「Amazon Bedrock」は、生成AIアプリケーションの開発を効率化するクラウドサービスです。このプラットフォームでは、4つの事前学習済み基盤モデルをAPIを通じて利用し、独自の生成AIツールを容易に開発を行うことが可能です。さらに、機密データが保護されるため簡単に微調整を行うことが可能です。

参考:Amazon

生成AIを活用したAmazonの新クラウド基盤

同時に発表された新クラウド基盤「Amazon EC2 Trn1n」と「Amazon EC2 Inf2」は、それぞれ機械学習に特化したチップを搭載しています。また、「Amazon CodeWhisperer」が無料公開され、生成AIを使ったコーディングアシスタントが利用できます。

生成AIと基盤モデルの利用

生成AIは、OpenAIの「GPT-4」やGoogleの「PaLM」などの大規模な事前学習済み基盤モデルを利用します。開発者は、これらの基盤モデルを使って独自のAIツールを開発する際に、自社データを取り込み微調整が必要となります。ただし、実装方法や必要な環境は異なり、高いPCスペックが求められるため、多くの企業にとって現状は依然としてハードルが高いかもしれません。

Bedrockでの生成AIアプリケーションの開発

Bedrockでは、4つの基盤モデルにAPI経由でアクセスし、簡単に微調整が実施できます。微調整には、少数(20程度)のラベル付き学習データを提示するだけです。データは暗号化され、仮想プライベートクラウド(VPC)から流出することはありません。また、微調整後のモデルは「Amazon SageMaker」を使って簡単にアプリケーションに結合・デプロイできます。

Bedrockで利用可能な基盤モデル

  1. Jurassic-2:AI21 Labsが開発する多言語LLM。
  2. Claude:Anthropicが提供するLLMで、正直で無害なAIを目指しています。
  3. Stable Diffusion:Stability AIが提供する、高品質なイラスト生成
  4. Amazon Titan:AWSが新たに発表した汎用LLMで、事前学習済みの大規模なデータセットを使用しています。

Amazon Titanのラインナップ

Amazon Titanには、テキスト生成や要約、分類などが得意な「Titan Text」と、埋め込みデータを生成し、主に検索やパーソナライゼーションなどに使われる「Titan Embeddings」の2つのモデルがあります。Titan Embeddingsは、Amazon.comの商品検索機能にも使用されています。

生成AI開発の今後の展望

Amazon BedrockとTitanの発表により、生成AI開発のハードルが下がり、より多くの企業がAIツールを利用できるようになることが期待されています。これにより、新たなビジネスチャンスやイノベーションが生まれることが予測されており、生成AIの活用がますます広がることが予想されます。