トランスコスモス・デジタル・テクノロジー 生成AIを使って採用業務を効率化 年間約400時間の工数削減を試算

情報システムの開発・運用・販売やコンサルテーションを行うトランスコスモス・デジタル・テクノロジーは、2月7日に生成AIを使った採用業務の効率に関する社内での実証実験の結果を報告しました。

実証実験の結果、生成AIによる応募内容の要約やRPAを活用した採用管理によって年間約400時間の工数削減を見込めることが発表されました。

参考:PRTIMES

実証実験の概要

中途採用の現場では、募集職種の多様性と応募書類のフォーマットの違いにより、書類選考に膨大な時間が費やされていました。そこで、書類選考の一部をAIに代行させることで、人事部門の業務負担を軽減できるかどうかの検証が行われました。

実証実験では、生成AIを用いて応募内容の要約や確認ポイントの洗い出しを行うためのプロンプトの工夫がなされました。また、RPA技術を活用して、生成AIによる要約内容を採用管理システムに効率的に反映する方法も探求されました。

システムの構成としては、セキュリティと信頼性に優れたAzure OpenAI Serviceが利用されています。また、全体がMicrosoft Azureのマネージドサービスの活用により、急な業務増加にも柔軟に対応し、安全かつコスト効率の良い運用が可能となっています。また、RPAはMicrosoft Power Automate上でAzureと連携して実施されています。

・アウトプットのイメージ

出典:PRTIMES

実証実験の効果

この実証実験を通じて、担当者が職務経歴書を読み込む作業ととRPAを活用した採用管理システムへのデータ反映作業において、顕著な時間削減効果が確認されました。全体として、年間約400時間の工数削減が見込まれる結果となりました。

出典:PRTIMES

プロンプトの精度については、資格、スキル、経験年数など定量的なものは人とAIの判断は一致する傾向となりました。一方、定性的な内容については一致率は下がる傾向となりました。また、応募してきたものと異なるポジションでの選考はできなかったとのことです。

出典:PRTIMES

今後の展望

定量的な採用の判断は一致し、大幅な業務効率化が見込まれた一方で、長文やフォーマットが統一されていない書類の評価が難しい、複数ポジションへのマッチングが困難といった課題も浮き彫りになりました。

トランスコスモス・デジタル・テクノロジーは、今後はこれらの課題を克服するために、人事担当者の意見を反映させたプロンプトの改善や、AIの活用範囲の拡大を図り、さらなる精度向上に努める予定であると述べています。

採用・人事に使えるプロンプトをご紹介!

本記事では、生成AIを活用して書類選考やデータ反映作業を効率化した事例をご紹介しました。

業務において、今回の事例のように独自のシステムを構築している場合や、ChatGPTを使っている場合どちらにおいても、AIから思い通りの回答を得るためにはプロンプト(入力文)は非常に重要です。

PROMPTYでは、採用や人事に活用できるプロンプトを紹介しています。

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まとめ

トランスコスモス・デジタル・テクノロジーは、生成AIを使った採用業務の効率に関する社内での実証実験を行い、応募内容の要約やRPAを活用した採用管理によって年間約400時間の工数削減を見込めることを報告しました。

文章作成・校正やコード生成だけでなく、今回の事例のように採用活動における書類選考でも生成AIが積極的に活用されています。

皆さまも是非、自身の様々なジャンルの業務において生成AIの利用可能性を探ってみてはいかがでしょうか。