アフラック生命保険株式会社は、12月19日に生成AIを活用した業務支援システム「Aflac Assist powered by GPT-3.5/4」を本格運用したことを発表しました。
「Aflac Assist」は、社員の業務内容や目的に応じて多様なメニューを提供し、日々の作業をサポートします。生成AIの利用に伴うリスクと注意事項を網羅したガイドラインを制定し、その遵守状況を厳格にモニタリングしています。さらに、情報漏洩や不適切な利用を防止するため、利用者が入力したデータの学習や保管を対象外とする「オプトアウト」措置を講じています。
Aflac Assistの利用ケース
①全社員向けの業務アシスト
全社員を対象に、日常業務におけるアイデア出しや、文章の要約・校正、メールの文面の作成、翻訳、社内情報の検索などをサポートできます。
役割や用途を選択できるため、生成AIサービスに慣れていない人でも分かりやすいUIとなっています。（出典：アフラック生命保険株式会社）
②営業・マーケティングアシスト
営業部門の社員を対象とした機能で、営業活動における提案方法の確認や社内情報の収集、資料作成のサポートが受けられます。
③商品・事務問い合わせアシスト
コールセンターのオペレーター向けの機能で、各種照会に伴う社内マニュアル検索と回答作成のサポートを受けられます。
今後は一般顧客のコールセンターおよび給付金・保険金請求に関するコールセンターへの適用範囲が拡大が予定されています。
Aflac Assistの特長
「Aflac Assist」は、独自の機能を通じて、社員の日々の業務を支援し、効率化を図るための重要なツールとなることが期待されています。
①プロンプト（指示文）の補助
生成AIからの精度の高い回答を得るため、「Aflac Assist」にはプロンプト作成を補助する機能が搭載されています。これにより、利用者はAIの機能を最大限に活用し、日々の業務をより効率的に進めることができます。
②社内資料を参照できる
業務マニュアルなどの社内資料を基に回答を生成する機能も備わっており、誤回答を防ぐ仕組みも実装されています。さらに、参照できる資料の範囲は順次拡大される予定です。
③ファイルをアップロードできる
PDFファイルのアップロードが可能で、アップロードされたファイルの内容は瞬時に読み込まれます。内容の要約や翻訳、記載内容に基づいた回答が迅速に得られることで、業務のスピードと品質が向上します。
保険業界の生成AIの利活用
アフラックを始めとして、保険業界では多くの企業が生成AIを使った業務支援やお客様対応の効率化を図っています。
| 会社名 | 利活用状況 | 活用シーン | ポイント |
| 第一生命保険株式会社 | 実証実験 | 社内業務 | レポート作成・書類のひな型生成の効率化に向けたAI活用プラットフォーム |
| 株式会社かんぽ生命保険 | 本格運用 | 社内業務 | 文章の要約や資料構成案作成といった定常業務にかかる生産性の向上 |
| 明治安田生命保険相互会社 | 実証実験 | 社内業務 | 情報収集や資料作成、プログラミングのサポート、アイデア創出などの効率化 |
| SBI損害保険株式会社 | 本格運用 | お客様対応 | 問い合わせに対し、保険商品や契約関連の手続き書類を素早く検索。検索結果の要約も。 |
| 東京海上日動火災保険株式会社 | 実証実験・本格運用 | お客様対応 | 物損事故と人身事故に関する顧客からの問い合わせに対する回答作成。 |
東京海上日動では、お客様対応の一部業務において約50％の省力化したことが報告されています。
10月31日、東大松尾研究室発のAIスタートアップであるELYZAは、東京海上日動火災保険と協働で実施した言語生成AI活用の実証実験の結果、顧客対応の文書作成業務において、言語生成AIを利用することで、作業効率が大幅に向上し、約50%の省[…]
まとめ
アフラック生命保険株式会社は、生成AIを活用した業務支援システム「Aflac Assist 」を本格運用したことを発表しました。
全社員向けの業務支援ツールだけでなく、営業活動やマーケティング、コールセンターの業務に特化した機能も搭載されており、幅広い業務の効率化が期待されます。
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