キーワードマーケティング 生成AI活用に関する調査を実施 約4割がWeb広告運用・制作現場で生成AIを使用

キーワードマーケティングは、11月27日に国内のWeb広告業界従事者を対象に実施した「生成AIツールの活用状況に関する調査」の結果を公開しました。

本調査は、日本国内でWeb広告の運用や制作に携わっている500名を対象に、2023年11月3日から11月6日の期間に実施されたものです。

参考:キーマケLab

40%がWeb広告運用・制作の現場で生成AIを使用していると回答

今回の調査によると、Web広告運用・制作の現場で40%が生成AIを使用していると回答しました。

出典:キーマケLab

「使用している」と回答した人の使用理由は、67%が「コンテンツやデザインを自動生成してくれるから」、56%が「全体的な効率向上ができるから」、34.5%が「ターゲット広告の精度を向上できるから」となっています。

出典:キーマケLab

今後は、広告の制作においてStable DiffusionやDALL-E3などの画像生成AIの活用スキルが必須となるかもしれません。

生成AIを全く使用していない人の理由は「現状困っていないから」が最多に

一方で、60%の人は生成AIを「全く使用していない」と回答しています。

生成AIツールを使用しない理由として、43%が「現状困っていないから」、25%が「会社で必要だと思われていないから」と回答しています。また、23.7%の専門家は「導入方法が複雑そう」と回答しており、業務への生成AIの導入に高いハードルを感じている人もいるようです。

出典:キーマケLab

セキュリティや社内ルールの不備に課題を感じている人も

生成AIツールを実際に使用している人に「生成AIを使用する際の課題」を調査したところ、38.5%が「セキュリティ上の懸念がある」、36%が「社内ルールが整備されていない」、31%が「理想的な使用方法が不明確である」と回答しています。

生成AIを利用する上では、個人情報保護や生成物の権利問題などの懸念点があるため、会社が禁止事項やガイドラインを早期に策定する必要があるでしょう。

出典:キーマケLab

生成AIツール期待することは「単純作業の効率化」

調査対象者の58.4%は、生成AIツールに期待することとして「単純作業の効率化」を挙げています。

csvデータやドキュメントの処理においてもプロンプト(入力文)を工夫する必要があったり、どのツールを使えばいいかわからない人も多いことが窺えます。業務効率を上げるためには、社内で生成AI活用人材を増やしていくことが求められます。

出典:キーマケLab

まとめ

キーワードマーケティングは、国内のWeb広告業界従事者を対象に実施した「生成AIツールの活用状況に関する調査」の結果を公開しました。

Web広告領域において6割の人が生成AIを使用していない現状やその理由を踏まえ、生成AI市場の伸びしろに期待を寄せています。また、キーワードマーケティングは、広告の入稿やクリエイティブの作成などを行う分業体制を取っており、今後は生成AIを活用したシステム開発による業務効率化を目指しています。

本調査を受けてー広告領域における生成AI事例とその可能性ー

生成AIの最大の影響は、クリエイティブプロセスの自動化と効率化にあります。特に広告コピーの作成やビジュアルデザインの自動生成などでは、時間とリソースを大幅に削減できる可能性があります。

また、広告キャンペーンのターゲティングとパーソナライズを強化し、より関連性の高い広告コンテンツを消費者に提供できるようになります。実際に、パルコでは画像生成AIを使ったファッション広告を制作、伊藤園ではAIタレントをテレビCMに採用したりと国内の大手企業でも広告・宣伝に生成AIを活用しています。

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このような、大規模な例でなくてもChatGPTやBardといったWebから手軽に使える生成AIサービスの使い方を知るだけで、アイデア出しの活性化や単純作業の効率化を図ることができます。

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一方で、生成AIの業務への導入にはセキュリティ面や権利問題などの課題が存在します。これらの課題に対処するには、社内の教育やルール作りにも注力する必要があります。省庁や自治体でも生成AIに関するルール策定が進んでいます。このような例を参考にしながら、社内で生成AIへの関わり方を考えることができます。

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