株式会社パルコは、10月30日に最先端の画像生成AIを使ったファッション広告として「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」を制作・公開しました。
本広告ではLA在住のSTUDIO DOGS代表の木之村美穂をクリエイティブディレクターに迎え制作されました。また、デジタルクリエイターには同じくLAで活動する世界トップクラスのAI・デジタルクリエイターのAi-Editorial-Christian Guernelliを日本企業で初めて起用しました。
参考：パルコ
本広告の概要
このプロジェクトでは、実際のモデルを使用することなく、人物から背景にいたるまで、プロンプト（画像を生成するための言葉）の入力から、グラフィック、ムービー、ナレーション、音楽に至るまで、全てが生成AIで制作されています。トップレベルのAIクリエイターによるモード感溢れる新しい表現のファッション広告が完成し、パルコのホリデーシーズンを華やかにしています。
ChatGPTを始めとしたAI技術は、昨今大きな話題になっていますが、特に画像生成AIは、近年飛躍的な進化を遂げています。パルコとしては、これをビジネスに取り入れ、新しい才能を発掘し起用することで、企業としての存在価値（パーパス）を高めています。
画像生成AIは、将来的に一般的な技術になるかもしれませんが、2023年現在では、アートやファッションをテーマに最先端の技術を駆使したキャンペーン広告制作はチャレンジングな試みとなっています。
グラフィック
本キャンペーンのグラフィックは、実在するモデルの起用や撮影は行わず、全て生成AIを使ってプロンプトから制作されています。
グラフィックは、現実離れした「一目で生成AIで作成したとわかる」ものではなく、実際に撮影したかのようなリアリティと「全て生成AI技術で制作した」と分かったときの驚きとアート性、ファッション性を追求しています。
シャンパンピンクとグリーンを基調とした幻想的な世界は、見る者の心を引きつけ、PARCOのホリデーシーズンを彩る重要な要素となっています。
引用元：パルコ
ムービー
広告のグラフィックと連動したムービーもまた、生成AIの技術をミックスして制作されました。グラフィックに登場するAIモデルたちを取り巻く空間が広がり、不思議な世界が表現されています。
また、ナレーションには、パルコの社員を含む複数の女性の声をサンプリングし、AI技術を使用して制作されており、広告の世界をよりリアルに、より魅力的に演出しています。
モチーフパーツ
クリスマスオーナメントやプレゼントボックスといったモチーフパーツも、画像生成AIを用いて制作されました。これらのモチーフは、グラフィックやムービーと同じく、広告の世界観を支える重要な要素となっています。
これらのモチーフパーツは、全国のPARCO店舗にて展開されるクリスマスディスプレイなどで使用されます。
引用元：パルコ
まとめ
パルコが打ち出した「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」の広告は、画像生成AIをフル活用したことで、業界内外からの注目を集める革新的な試みとなっています。
このアプローチは、話題性を生み出す一方で、実際のモデルや撮影機材が不要となるため、制作コストの削減にも寄与しています。AI技術を利用したビジュアル制作は、リアリティとアート性を兼ね備え、実物と見分けがつかないほどの高品質な仕上がりを実現しており、これによりパルコは顧客体験を向上させると共に、企業イメージの向上にも寄与しています。
この技術が今後ますます進化し一般化していく中で、コスト削減と品質向上の両方を実現するためには、技術への理解を深め、効果的な活用方法を模索し続けることが求められます。2023年の現時点でこの挑戦を行ったパルコの先見性は、今後の広告制作における新たな潮流を作り出すかもしれません。
