SBテクノロジー株式会社の子会社であるM-SOLUTIONS株式会社は、10月26日に「Smart at AI for kintone Powered by GPT」という新しいkintoneプラグインの提供を開始しました。
このプラグインは、業務改善プラットフォーム「kintone」と生成AI「ChatGPT」を簡単かつ安全に利用できるようにするものです。ユーザーはkintoneアプリとChatGPTを連携させ、アプリ内の情報を用いてトークスクリプト作成やメルマガ案作成などをkintone内で行うことができます。
また、プロンプト設定から生成までの全プロセスをkintone内で完結できるため、ChatGPTとのツール間の移動は必要ありません。
参考:M-SOLUTION
背景
ChatGPTは2022年11月の公開からわずか2ヶ月で月間1億ユーザーを達成し、その注目度は急速に高まっています。しかし、入力したデータがChatGPTの学習データとして扱われてしまうため、ビジネスの場で機密情報や個人情報を扱う際には十分な注意が必要です。
一方で、機密情報を入力する必要のないコンテンツ作成などでは、AIを活用したビジネスや業務効率化が進んでいます。M-SOLUTIONSはこれまでに24種類ものkintoneプラグインと連携サービスを開発・販売してきたノウハウを活かして、本プラグインを開発・提供に至りました。
本プラグインはAPIを活用することで学習データとして蓄積されないため、安全に使用することが可能です。さらに、独自のフィルタ機能を使用することでセキュリティをより強固にしています。
M-SOLUTIONSは、2023年10月にサービス販売実績が1000件を達成し、これからも社会に役立つサービスの開発と提供に努めていくと述べています。
プラグインの特長と機能
① 機密フィルタで安心・安全
機密情報や個人情報をアプリ内で安全に利用するために、機密フィルタを設定することが可能です。これにより、プロンプトがハッシュ化(別の文字列に変換)され、AIによる生成が始まります。
生成されたデータは再び復元され、セキュリティを損なうことなく高い精度でAI生成を行うことができます。
また、管理者はログを出力することができ、ユーザーの活動を把握することが可能です。
② ITに詳しくなくても簡単にkintone連携・プロンプト編集が可能
他のプラグイン同様、ダウンロードとアプリへの追加の簡単な手順でChatGPTと連携することができます。プロンプトの設定や編集もプラグインの設定画面で手軽に行えるため、ITの知識がない方でも問題なく使用することができます。
③ 毎回プロンプトを作る必要は無く、kintone内で完結するので効率的
プロンプトはアプリごとに事前設定されており、普段の利用ではプロンプトを意識することなく必要事項を入力するだけで生成を完了します。
また、プロンプトと生成結果の自動保存がkintone内で完結するため、ChatGPTへ移動する必要がなくなります。
活用事例とkintoneとの親和性をご紹介
①セールストークスクリプト作成アプリ
提案先の企業名、お客様氏名、自社製品情報を入力・チェックするだけで、セールストークスクリプトを生成できるアプリです。
自社製品が複数ある場合は、kintoneのチェックボックスを使用し、プロンプトに挿入することも可能です。
②メルマガ作成アプリ
メルマガの記載概要を入力するだけで、タイトル案から本文案までを生成できるアプリです。kintoneの標準機能を利用し、マーケティング担当のみ閲覧・使用許可といった制限をかけることもできます。
③稟議申請アプリ
購入商品名や目的、価格を入力するだけで、稟議申請文を生成できるアプリです。
kintone内のプロセス管理機能を使うことで、そのまま稟議申請のワークフローを作成可能です。
④お問い合わせ管理アプリ
お問い合わせの内容を自動で分類・要約するアプリです。お問い合わせフォームからkintoneへ反映した情報を、そのままプロンプトに挿入することも可能です。
お問い合わせ内容を分類・要約すれば、一覧画面で簡潔に内容を確認できるため、対応への優先順位付けなどにお役立てることができます。
価格
①GPT-3.5モデル
プラン名 | 初期費用(税別) | 費用(税別) | ID数・生成数 |
GPT3-1000 | ¥100,000 | ¥120,000/年 (¥10,000/月当たり) | 50IDまで 生成1,000件/月まで |
GPT3-6000 | ¥100,000 | ¥360,000/年 (¥30,000/月当たり) | 200IDまで 生成6,000件/月まで |
GPT3-15000 | ¥200,000 | ¥600,000/年 (¥50,000/月当たり) | 500IDまで 生成15,000件/月まで |
GPT3-50000 | ¥200,000 | ¥1,200,000/年 (¥100,000/月当たり) | 1000IDまで 生成50,000件/月まで |
②GPT-4モデル
プラン名 | 初期費用(税別) | 費用(税別) | ID数・生成数 |
GPT4-1000 | ¥100,000 | ¥960,000/年 (¥80,000/月当たり) | 50IDまで 生成1,000件/月まで |
GPT4-6000 | ¥100,000 | ¥4,560,000/年 (¥380,000/月当たり) | 200IDまで 生成6,000件/月まで |
GPT4-15000 | ¥200,000 | ¥8,160,000/年 (¥680,000/月当たり) | 500IDまで 生成15,000件/月まで |
GPT4-50000 | ¥200,000 | ¥21,600,000/年 (¥1,800,000/月当たり) | 1000IDまで 生成50,000件/月まで |
※プラン名に続く数字は上限生成数を示します。(生成数=APIコール回数)
※OpenAIのAPIキーをお客様で登録していただければ機能限定で、無償版も提供しています。
まとめ・ChatGPTをAPIを使ったサービスの開発
M-SOLUTIONS株式会社は、kintoneとChatGPTを組み合わせた新しいプラグイン「Smart at AI for kintone Powered by GPT」を提供開始しました。これにより、kintoneを利用しているユーザーは、安全かつ効率的にAIを活用し、ビジネスの成長を支援することが可能となります。
ChatGPTのAPIを使ったサービスやプラグインは数多く開発されています。最後に、ChatGPTのAPIを使った開発のメリットと注意点についてご紹介します。
ChatGPT APIの開発メリット
ChatGPT APIを開発することには様々なメリットがあります。まず、AI技術を利用することで、人間が行うには時間がかかるような膨大なデータの処理や、複雑な言語処理タスクを短時間で効率よく行うことができます。例えば、顧客からの問い合わせに対する自動応答システムを構築することで、カスタマーサポートの負担を大幅に軽減することが可能です。
また、ChatGPTを活用することで、企業の内部ドキュメントの自動整理や要約、メールの自動生成など、ビジネスの効率化を図ることができます。これにより、社員の生産性が向上し、より創造的なタスクに時間を割くことが可能となります。
さらに、ChatGPT APIを組み込むことで、新たなビジネスモデルの創出や、既存のサービスの価値向上を図ることができます。AIを活用した新しいサービスを提供することで、顧客満足度の向上や新たな収益源の創出が期待できます。
ChatGPT APIの開発における注意点
一方で、ChatGPT APIを開発する際にはいくつか注意すべき点があります。まず、ChatGPTは入力データを元にレスポンスを生成しますが、その過程で入力データが外部に漏れることはありません。しかし、セキュリティの観点から、個人情報や機密情報を含むデータをAPIに送信する際には十分な注意が必要です。
また、ChatGPTは非常に高度な言語処理能力を持っていますが、生成されたレスポンスが常に正確であるとは限りません。特に、専門的な知識を必要とする質問や、曖昧な質問に対しては誤った情報を提供してしまう可能性があります。したがって、生成されたレスポンスをそのまま信じるのではなく、適切な検証を行うことが重要です。
さらに、ChatGPTは学習モデルを用いてレスポンスを生成するため、過去のデータに基づいています。このため、最新の情報には対応していない可能性があります。そのため、常に最新の情報を提供する必要がある用途には向いていないかもしれません。
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