【ビジネスマン必見】業務やシステムに生成AIを導入する5つパターンを紹介!メリット・デメリットを解説

「ビジネスにおける業務効率化や新しい価値創造の手段として生成AIを導入したい…」「どのように生成AIを導入すればいいかわからない…」そう思う方もいるのではないでしょうか。

今回PROMPTYでは、業務やシステムに生成AIを導入する5つのパターンを紹介し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

① 自社独自のLLM(大規模言語モデル)を開発する

1つ目は、自社のデータを学習させてゼロからLLMを開発するパターンです。

自社でLLMを開発するパターンは、企業が自身のビジネスニーズに完全に合わせた生成AIを構築することができます。このアプローチは独自のニーズに対応でき、データのセキュリティやプライバシーも厳密に管理できます。

メリット

自社開発の最大の利点は、生成AIを企業の独自の要件に完全に適応させることができる点です。また、データは内部で完全にコントロールされるため、プライバシーとセキュリティが確保することができます。

デメリット

独自のLLM開発する場合のデメリットは、莫大なコストと時間がかかることがです。AIや自然言語処理の専門知識を持ったエンジニアが必要で、これらの人材は希少です。さらに、開発から保守、アップデートに至るまで全て自社で手がける必要があり、リソースが大きく圧迫されることも考えられます。

日本で開発されたLLM

OpenAIのGPTを始めとしたLLMは英語を中心に開発されている中、日本国内でも日本語特化のLLMの開発に注力しています。

次のような大手IT企業や研究機関がLLMの開発に取り組んでいます。

  • サイバーエージェント(OpenCALM)
  • rinna(GPT言語モデル)
  • LINE(japanese-large-lm)
  • Stability AI(Japanese StableLM Alpha)
  • ELYZA(MetaのLlama 2の日本語モデル)
  • 東京大学松尾研(Weblab-10B)
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② ChatGPTなどの対話型生成AIサービスを直接利用する

2つ目は、ChatGPTなど、対話型生成AIサービスの利用です。これは、企業が迅速に生成AIの力を取り入れたい場合に適しています。ChatGPTなどの対話型生成AIは、事前に訓練されたモデルを提供しており、ユーザはこれを直接利用できます。

メリット

対話型生成AIのサービスは、ユーザが手軽に利用できる形で設計されています。そのため、企業は高度な技術的知識なくとも、生成AIをビジネスに組み込むことが可能です。

さらに、開発にかかるコストや時間を大幅に削減でき、迅速な導入が可能となります。

デメリット

事前に訓練されたモデルの利用は、企業特有の要件に完全に適応させることが難しい場合があります。

また、機密情報や個人情報を取り扱いには注意が必要です。入力データを送信しないように設定することもできますが、その保証はありません。

加えて、対話型生成AIのサービスでは、知識のカットオフが存在するため、情報の範囲が限られてしまいます。ChatGPTは、現在2022年1月までの学習データを基に回答が出力されます。

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対話型生成AIサービスの例

  • ChatGPT(OpenAI)
  • Bing AI (MicroSoft)
  • Google Bard(Google)
  • HuggingChat(Hugging Face)
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③ 生成AI基盤のSaaSを利用する

3つ目は、生成AI基盤のSaaS(Software as a Service)を利用することです。

企業が高機能な生成AIサービスを比較的低コストで利用するための手段として考えられます。企業は自社でAIを開発することなく、サブスクリプション料金等の費用を支払うだけで生成AIの機能を利用できます。

サービスの例としては、テキストの要約や文字起こし、PDFの内容を解析して質問に回答してくれるサービスなど多岐にわたります。

メリット

生成AI基盤のSaaSの最大の利点は、企業が低コストで多様な機能を利用できることです。これにより、特に中小企業でも生成AIを機能を活用して、ビジネスプロセスを改善・効率化することができます。

企業はAIに関する管理や運用をSaaSプロバイダに任せ、自社のコアビジネスに集中できます。

デメリット

SaaSプロバイダの選定を慎重に行う必要があります。サービスの信頼性やセキュリティ、サポート体制、コストパフォーマンスを考慮して選ぶ必要があります。

また、データの管理体制にも注意を払い、ビジネスで扱うデータが適切に保護・管理されているかを確認する必要があります。

④ 生成AIのAPIを利用したシステムを開発する

4つ目は、API(Application Programming Interface)を介して生成AIの機能を利用することです。

これは、企業が自社の既存システムと生成AIを効果的に連携したい場合に適しています。APIを利用することで、独自の生成AIを活用したシステムを構築できます。

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メリット

生成AIのAPIを利用する最大のメリットは、自社のシステムやアプリケーションに生成AIを容易に組み込むことができる点にあります。

これにより、既存のシステムのインターフェースや機能を保持したまま、GPTなどの生成AIの機能を活用できます。API経由で提供される生成AIは通常、高いパフォーマンスと信頼性を持ち、企業はこれを利用して迅速に生成AIを導入することができます。

デメリット

APIを利用したシステム開発では、②の対話型生成AIの直接利用に比べて、開発コストや時間がかかる可能性があります。

また、提供されるAPIの機能や仕様に制約があるため、企業のニーズに完全に合わせたカスタマイズが難しい場合もあります。

さらに、APIを通じてデータを送受信する際には、機密情報や個人情報の取り扱いに注意を払い、セキュリティ対策を施す必要があります。OpenAI APIでは、送信したデータは学習に利用されないことになっていますが、社内の規約等で情報を送信できない場合もあると思います。

⑤ クラウドを経由してAPIを利用するシステムを開発する

5つ目は、クラウドを経由してAPIを利用することです。

MicroSoftの「Azure OpenAI Service」では、クラウドを経由してOpenAIのAPIを利用することができます。このようなクラウドサービスを利用することで、社内システムから外部のシステムを経由して生成AIのAPIを利用することができます。

メリット

Azure OpenAI ServiceはOpenAI APIよりも、セキュリティやカスタマイズのし易さ、安定性などの観点で優れた機能を持っています。

Azure OpenAI Serviceを使用すれば、Azureの環境内で専用のGPTサーバーを構築することができます。これにより、入力するプロンプトは外部に送信されず、社内のネットワーク内のみで取り扱うことができます。入力した質問や回答データを外部に漏らさずに利用したい場合には、セキュリティの面からAzure OpenAI Serviceが有効だと考えられます。

また、Azure OpenAI Serviceのカスタムモデル機能を使用すると、GPT-3.5やGPT-4に特定のプロンプトやその応答を追加することができます。これにより、システム独自の知識を持つチャットボットを容易に作成できます。

さらに、Azure OpenAI Serviceは99.9%以上の稼働率が保証されています。これにより、システム障害を最小限に留めることができ、安定したサービスが期待できます。

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デメリット

クラウドサービスの利用にはコストが発生します。企業は、クラウドサービスの料金体系を理解し、コスト管理を適切に行う必要があります。

特に、データ転送量やストレージ使用量、計算リソースの使用時間などによってコストが変動するため、予想外のコストが発生しないよう注意が必要です。

まとめ

今回PROMPTYでは、生成AIを業務やシステムに導入する際の5つのパターンを紹介しました。

  1. 自社独自のLLM(大規模言語モデル)を開発する
  2. ChatGPTなどの対話型生成AIサービスを直接利用する
  3. 生成AI基盤のSaaSを利用する
  4. 生成AIのAPIを利用したシステムを開発する
  5. クラウドを経由してAPIを利用するシステムを開発する

今回の例を参考に、皆さまもビジネスのさらなる効率化や価値創造のために、最適な生成AIの導入パターンを選んでみていかがでしょうか。

PROMPTYでは、他にもChatGPTはじめとした生成AIについての記事を多く扱っておりますので、是非ご覧ください。