大和総研 生成AI(ChatGPT)を活用して調査レポートの作成を効率化

大和総研は、10月24日に社外向けのレポート作成プロセスにおいて、生成AI(ChatGPT)を導入したと発表しました。

参考:大和総研

生成AI活用の方法

大和総研は、マクロ経済や金融資本市場に関する研究を行うリサーチ部門と、AIを始めとする最先端技術に関する高い専門性をもつ、データサイエンティストやスペシャリストが在籍する研究開発部門を有しており、社会実装において豊富な経験を積んでいます。最先端技術を駆使して、これまで培ってきた専門知識を活かし、最新モデルであるGPT-4をベースとしたChatGPTを利用してレポート作成の効率化を図りました。

今回、大和総研はChatGPTを活用して「大和地域AI(地域愛)インデックス」レポート(※1)を行いました。これは、大和総研が策定したAI倫理指針にもとづくシステム構築の第一弾となります。

参考:大和総研

レポート作成における生成AI活用の効果

これまで本レポートでは、エコノミストがAIモデルからのデータを分析し、地域経済の動向について論じていました。今後は、ChatGPTがエコノミストが分析と考察を進める過程で必要とされる情報を提供するとともに、レポートのドラフトを作成する役割を果たします。

生成AIの性質上、事実と異なる文章を出力してしまうリスクもありますが、ChatGPTが出力した情報の真偽性を容易にチェックできる仕組みを構築することで、情報の品質を保つためのエコノミストによる編集作業を迅速に行うことが可能となります。

この新しい取り組みにより、レポート完成までの時間が50%削減でき、迅速な情報提供ができるようになりました。また、執筆時間短縮によって生じた時間を、レポートの質的な向上や、これまで時間の制約で取り扱うことが難しかったテーマに充てることができるようになりました。

大和総研は、今後も生成AIを含む最先端のAI技術を積極的に活用し、一層付加価値の高い経済・社会情報の提供に貢献していく、と述べています。

(※1)日本銀行の「地域経済報告(さくらレポート)」のテキストデータからAIモデルにより地域別の景況感を指標化し、エコノミストが変化の度合や背景等の考察を加えた四半期毎のレポート。2017年7月より公表。

まとめ・レポートや文章作成における生成AI活用

大和総研は、生成AI(ChatGPT)を導入することで、社外向けの調査レポート作成の効率化を実現したことを発表しました。

ChatGPTを始めとした生成AIは、調査やレポート執筆において非常に役立ちます。レポートの作成において、次のような活用方法が挙げられます。

  • 文章校正
    ChatGPTを使って文章の校正をしてもらうことで、誤字脱字を始めとしたミスのチェックをする時間を短縮することができます。
  • 文章の翻訳する
    ChatGPTを活用することで、英語の文章執筆や様々な言語の文章を読むときの手助けとなります。
  • 資料を読み込んで情報を取得する
    「AskYourPDF」「LinkReader」などのChatGPTのプラグインを活用して、ChatGPTにPDF形式の論文や資料を解析してもらうことができます。
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生成AIを活用する際には、著作権に注意し、AIが生成したコンテンツが第三者の著作物を侵害していないか確認する必要があります。また、AIは正確でない情報(ハルシネーション)を生成することがあり、情報の信頼性を慎重に評価することが重要です。また、個人情報に関しては、AIが個人を特定できる情報を生成または露呈しないように注意し、プライバシー保護のための適切な対策を講じるべきです。

これらの点に注意しながら生成AIを利用することで、その利点を最大限に活かし、リスクを最小限に抑えることが可能です。