住友化学は、10月24日に全従業員約6,500名を対象とした生成AIを利用した新しいシステム「ChatSCC」の運用を始めたことを発表しました。
この住友化学は、このシステムによって従業員の生産性を大幅に向上させるとともに、将来的には独自データの有効活用による既存事業のの競争力確保や、新しいビジネスモデルを創出につなげることを目指しています。
参考:住友化学
ChatSCCの特長と導入の効果
ChatSCCの最大の特長はそのセキュリティの高さにあります。入力情報が外部に漏れることなく、独自の情報を安全に取り扱うことができます。
このシステムは、文書作成、校正、プログラムソースコードの生成など、一般的なオフィス業務に幅広く利用可能です。加えて、技術アイデアの創出や研究データ、製造データの分析にも活用することができます。
事前検証では、約200の典型的な業務パターンをテストし、最大で50%以上の効率化が確認されました。本格的な運用開始後は、導入効果が最大限発揮できるように、利用頻度の高い指示や質問のプロンプト集、業務で有効な指示文書作成テクニック、禁止・注意事項の規則、初心者向けの教育動画などを公開し、従業員の利用の拡大を促進していくと述べています。
独自データの有効活用に向けた今後の取り組み(引用元:住友化学)
今後の展望
今後、住友化学ではChatSCCに独自データを連携させ、社内の各組織が蓄積してきたナレッジをより効果的に活用できるスキームを整備していく予定です。さらに、特定分野のデータを基にした追加学習を施した特化型モデルの構築も視野に入れ、業務効率の向上と付加価値の創出を一層加速させていく方針です。
住友化学は中期経営計画の戦略の一つとして「デジタル革新による生産性の向上と事業強化」掲げています。今後も進化を続けるAI技術の進化を活用し、生産性の向上、既存事業の競争力確保、新規ビジネスモデルの創出に向けて、挑戦していく意向を示しています。
また、住友化学株式会社 執行役員 北山 威夫氏は、今回の生成AIの全社導入について次のようにコメントしています。
このたびのChatSCCの全社展開によって、社員が創造的な業務にあたる時間を増加させることで、結果として当社のソリューション開発力やグローバルビジネスの一層の強化につなげていきたいと考えています。
引用元:住友化学
当社では、素材の創成から応用、生産プロセスの設計に至るまで、幅広いデータと知見に基づき事業運営を行っていることから、ChatSCC活用機会は無限大です。今後、特化型モデルの導入などを通じて、長年培ってきた幅広い社内情報の活用も大幅に向上させる考えです。
まとめ・オフィス業務における生成AI活用
住友化学は全従業員約6,500名を対象とした生成AIを利用した新しいシステム「ChatSCC」の運用を始めました。このシステムによって従業員の生産性を大幅に向上させるとともに、将来的には独自データの有効活用による既存事業のの競争力確保や、新しいビジネスモデルを創出につなげることを目指しています。
今回の事例をはじめ、オフィス業務において生成AIを活用することで、業務効率の向上が促されています。文書作成からプログラムのコーディング、データ分析まで、様々な業務で利用することができます。
- 文書作成と校正
生成AIを利用することで、文書作成が格段にスピーディーになります。ユーザーは簡単な指示やキーワードを入力するだけで、AIがそれを元に文章を生成してくれます。また、文書の校正もAIが行うことで、文法や表現のミスを効率良く見つけ出し、修正することができます。 - プログラムコードの生成
プログラミングにおいても生成AIの力を借りることで、コードの生成が迅速になります。特に、定型的なコードやフレームワークを使った開発においては、AIが自動でコードを生成することで開発時間を大幅に短縮することができます。 - データ分析
生成AIは、大量のデータを素早く分析し、有益な情報を抽出する能力に優れています。これにより、ビジネスの意思決定をサポートするデータ分析がより迅速かつ正確に行われるようになります。
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