Midjourneyは2022年7月から提供されているAI画像生成ツールです。このツールはDiscord上のbotとして機能し、ユーザー間で画像生成を共有することが可能です。
2023年6月23日、Midjourneyの最新バージョン、V5.2がリリースされました。今回PROMPTYではMidjourney V5.2のアプデ内容について徹底解説していきたいと思います。
Midjourneyとは Midjourneyはデビッド・ホルツ率いる研究チームによって2022年7月から提供されているAI画像生成ツールです。このツールはDiscord上のbotとして機能し、ユーザー間で画像生成を共有する[…]
参考:Midjourney公式
Midjourney V5.2のアップデート内容
①画像品質の向上
Midjoureny V5.2は前回のV5.1と比較してより良い色、コントラスト、最適な構図で、詳細な画像を生成が可能になりました。
また、プロンプトの理解度が向上し、Stylizeパラメータの幅広い範囲で最適な画像を出力してもらうことが可能になりました。
StylizeはAIにどこまで考えさせるかを指定することができるパラメータで0〜1000の値で指定が可能です。使用する際は、以下のパラメータ表示を使用します。
--stylize
--s
プロンプト(Midjourney V5.1を使用した場合):
cat --s 50 --v 5.1
生成画像:
プロンプト(Midjourney V5.2を使用した場合):
cat --s 50 --v 5.2
生成画像:
また、ハイコンストラストの画像にも最適な画像を生成してもらうことが可能になりました。例として「猫=cat」の画像を生成してみると、同じ猫でもバージョンによって違うテイストの画像が生成されました。
次に「ハイコントラスト=high contranst」というプロンプトを入れて画像を生成してみてV5.1とV5.2で比較を行ってみました。
プロンプト(Midjourney V5.1を使用した場合):
high contrast surreal collage --s 250 --v 5.1
出力画像:
プロンプト:(Midjourney V5.2を使用した場合):
high contrast surreal collage --s 250 --v 5.2
出力画像:
V5.1と比較してV5.2の方がよりハイコンストラストで色の対比が美しいと感じました。
②ズームアウト機能
V5.2の新機能として、画像をリフレームできる「ズームアウト機能」が追加されました。ズームアウト機能は、画像をアップスケールした後に選択肢として表示されます。
今回は先ほど生成した「high contrast surreal collage –s 250 –v 5.2」の画像に対して表示される選択肢の「U1」「U2」「U3」「U4」のどれかを選択すればアップスケールが可能です。
アップスケール後にズームアウト機能の選択肢が表示されます。
それぞれズームアウトは「2倍」と「1.5倍」が標準で選択可能で、「Custom Zoom」を選択すれば好きな倍率の画像を生成することが可能です。
1.5倍ズームアウトした画像:
2倍ズームアウトした画像:
このように倍率に応じた画像をズームアウトをすることができました。
③プロンプトを短く洗練する/shortenコマンド
Midjourney V5.2で、プロンプトを短く洗練する/shortenコマンドが実装されました。このコマンドを使用することによってMidjourneyにプロンプトの分析とキーワードの提案をしてもらうことが可能です。
/shortenコマンドは、Midjourneyのチャット欄にそのまま「/shorten」と入力することにより精査を行うことができます。
入力すると、以下のようにプロンプトの精査結果が表示されます。
「Important tokems」の部分で、プロンプト内の重要語句が抽出され、「Shortened prompts」の部分で簡略化されたプロンプトが表示されます。実際に、下に表示されている1〜4の表示をクリックすることにより、最適化されたプロンプトの画像を生成することができます。
実際に以下のプロンプトを/shortenコマンドにかけてみたいと思います。
今回は「白い服を着た、木の下で食べものを食べるアジア人女性=Asian woman dressed in white eating food under a tree」の画像でコマンドの精査を行ってみます。
コマンド精査の前のプロンプトで画像を出力してみると以下のようになりました。
プロンプト(コマンド使用前):
Asian woman dressed in white eating food under a tree --s 250 --v 5.2
生成画像:
プロンプト(コマンド使用後):
Asian, dressed in white, tree
生成画像:
精査後はこのような画像を生成することができました。/shortenコマンドを使用すると、「食べ物を食べる=eating food」などの語句が省略されてしまったので、かなり最初の画像とテイストがずれてしまった印象です。
より長い文章でも/shortenコマンドを使用してみましたが、重要語句が複数省略されてしまいました。
まとめ
今回PROMPTYではMidjourneyの最新バージョンであるV5.2について解説してきました。今後、より新機能の活用方法についても取材していきたいと思います。