「ChatGPTに関する訴訟とは?」「OpenAIは何故提訴されたの?」そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ChatGPTとOpenAIの訴訟問題に関する詳細は今後私たちが利用していく上でも知っておくべき大切な情報です。
今回PROMPTYではChatGPTとOpenAIに関する訴訟問題について解説します。
ChatGPTとは
ChatGPTとはOpenAIが開発した自然言語処理モデル「GPT」を基にしたAIチャットボットサービスです。
膨大な量のテキストデータを学習しており、それを基に高精度な文脈推測を行うことで質問に対する最適な回答を出力することができます。
しかし、学習に使用されたデータの中には他者の権利を侵害する形で収集されたデータもあるようで、訴訟に発展した事例も存在します。
ChatGPTの基本情報については以下の記事で詳しく解説しています。
ChatGPTとは、人間に近い自然な会話を実現するAIチャットツールで、先進的なAI技術が活用されています。 2022年11月に登場し、その無料でアクセス可能な画期的な性質が話題を呼び、SNS上で高品質な文章生成や人間らしい回答が評[…]
ChatGPTに対する訴訟事例
ここではChatGPTとその運営元であるOpenAIを相手に起きた訴訟事例について解説します。
訴訟事例として主に挙げられるのは以下の通りです。
・著作権侵害
・プライバシー権の侵害
この2点について解説します。
著作権侵害
アメリカのコメディアンであるサラ・シルバーマン氏がOpenAIとMetaを著作権侵害で提訴しました。
シルバーマン氏は、Metaが開発したAIシステム「LLaMa」に関するものと、その開発の基盤となったOpenAIのデータセットが著作権侵害を起こしていると主張しています。
また、シルバーマン氏の他にも2名の作家が集団訴訟を起こしており、この訴訟をサポートする弁護士は「ChatGPTが彼らの著作物と同一の内容を出力することが見られる」と述べています。
ChatGPTの学習方法が著作権侵害に当たるかどうかは、「大規模言語モデルの学習がフェアユースであるか否か」という大きな問題として考える必要がありそうです。
参考:BBC NEWS
プライバシーの侵害
大規模言語モデルの学習において懸念されているもう1つの権利侵害はプライバシーの侵害です。
2023年6月28日複数の原告がプライバシー侵害でOpenAIに対し集団訴訟を起こしました。
実際の裁判で使用された全157ページの資料では、OpenAIによる個人データの収集は、個人を特定できてしまうようなデータにまで及んでいるとされています。
参考:CBS NEWS
生成系AIに対する日本の見解
今回、日本での訴訟の事例は確認できなかったため、海外の事例をご紹介しました。
しかし、このような事案が日本でも発生する可能性は十分に存在します。
文化庁はChatGPTの著作権についてデータセット作成の段階(ディープラーニング段階)と出力・利用の段階に分けて解説しています。
参考:文化庁
日本でも生成系AIの成果物に対する法整備が進んでいるため、特に商用利用などその取り扱いには十分注意しなければいけません。
まとめ
今回はChatGPTとその開発元であるOpenAIに対する訴訟について解説しました。
今回紹介した事例は主にOpenAIのデータ収集に関するものでしたが、そのデータを使って私たちが得た回答が誰かの権利を侵害している可能性もあります。
得られた回答の扱いについては十分気を付けるようにしましょう。
PROMPTYでは他のChatGPTについての記事も多く扱っているので、是非ご覧ください。