大阪市 生成AIの導入に向けて企業と連携ー業務効率化と住民サービス拡充を目指す

2023年9月1日、大阪市はアマゾンウェブサービスジャパンとPwCコンサルティング(共に東京本社)との間で、生成AI(人工知能)の有効活用に関する連携協定を結びました。

この協定は今年度中に生成AIの活用方針を確立し、翌年度から本格的に導入することを目的としています。

参考:朝日新聞

活用の方向性と試験期間

大阪市は、事務作業の効率向上を主な目標としています。具体的には、文書整理や企画提案の初期段階でのアイデア生成などに生成AIを用いる計画です。

試験運用は今年の9月から11月にかけて行われ、市が独自に開発する生成AIを使用して、会議の議事録作成や研究調査などでの活用が予定されています。

効率化のためのガイドライン策定

アマゾンウェブサービスジャパンとPwCコンサルティングからの専門的なアドバイスを受けつつ、どのような業務で生成AIを効果的に使用できるかを詳細に検討する予定です。

その成果をもとに、今年度中には職員を対象とした使用ガイドラインを作成する計画です。

市長の見解

締結式において、大阪市の横山英幸市長は生成AIの活用には注意が必要であると強調しました。特に、個人情報や機密情報など、扱う情報によっては慎重な管理が求められる場合もあるとのことです。

また、初めに職員の業務効率を向上させ、その後で住民サービスの質を高める方針を示しました。

行政による生成AI活用の流れ

生成AIの有効性が広く認められるようになった中で、都道府県や市区町村など行政による生成AIの活用の流れが広まっています。

静岡県袋井市

静岡県袋井市は9月から、実際の業務に生成AIを活用し始める計画です。

特に幹部の秘書や広報、デジタル政策などを担う企画部で、ホームページに掲載する記事やあいさつ文の作成、議事録の要約などに使用される予定です。

東京都

東京都は8月23日に、全局の職員5万人に対して、文章生成AI「ChatGPT」の利用体制を確立するため「文章生成AI利活用ガイドライン」を公開しました。

このガイドラインは利用時の基本ルールや、より良いプロンプトの作成方法、そしてAIの今後の方向性などを明記しています。

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神奈川県

神奈川県は、生成AI「ChatGPT」を活用するためのガイドラインを公開しています。

このガイドラインは、生成AIを安全かつ効果的に活用するための方針や手法、具体的な使用例などを詳細に説明しています。

9月中旬から職員研修を開始して、生成AIの安全かつ適切な利用を推進していく予定です。

生成AIの活用によって行政に求められること

こういった行政による生成AI活用が広まるなかで、下記のようなことが求められるでしょう。

行政サービスの質の向上

生成AIの活用により、行政業務の効率化が進むことで、それまで人手が必要だった文書作成や情報整理などの作業時間が大幅に削減されます。

この効率化によって、例えば高齢者への窓口対応など、対人サービスに人員を割くことを可能にします。その結果、行政サービスの質自体が全体的に向上することが期待されます。

情報の安全な取り扱い

生成AIが扱うデータには、個人情報や機密情報が含まれる可能性があります。そのため、これらの情報の安全な取り扱いが必須です。

具体的には、厳格なガイドラインを設定し、それに基づいて業務を行う必要があります。

有効な活用方法の発信

行政が生成AIを効果的に活用することで、他の組織や一般市民にもその有用性が示されます。そのため、成功事例やガイドラインを積極的に公開し、ロールモデルとしての役割を果たすことが期待されます。