2023年8月23日、公益社団法人日本写真家協会は、生成AIを使用した画像に関する考え方についての声明を公開しました。
この声明では、生成AIの進化に伴う著作者の権利に関する問題提起がなされています。
2023年8月17日には、日本新聞協会や日本写真著作権協会など4団体が生成AIの開発における著作権保護策の検討が不十分であるとして共同声明を発表しており、議論が盛んになっています。
2023年8月17日、日本新聞協会など4団体が、生成AI(人工知能)の開発における著作権保護策の検討が不十分であるとして共同声明を発表しました。 この声明は、生成AIの利用が著作権者の権利を侵害するリスクが強く、現行の法律が不十分で[…]
生成AIによる画像の位置づけ
日本写真家協会は、生成AIによって作成される画像を「イラストや絵画に近いもの」と位置づけ、これらの画像と伝統的な写真とは異なるものであると強調しています。
人の創造活動の結果であるものだけが著作物として認められるとの立場を示しています。
米連邦裁判所も、2023年8月22日、AIによって生成された作品は著作権で保護されないとの判決を下しており、同じような立場を取っています。
2023年8月22日、米連邦裁判所がAI(人工知能)によって生成された作品は著作権で保護されないとの判決を下しました。 この判決は、AIと人間の創造性の間での法的な争いにおいて、重要な意味を持っています。 参考:ARTnews[…]
生成AIによる画像の問題点と提言
日本写真家協会は、生成AIによる画像の原著作物(生成AIの学習元となった著作物)を特定する手段が不足しており、著作者の権利が侵害される可能性があるとの懸念を示しています。
そのうえで、生成AIを使用して作成された翻案には、著作者名と出典、そして利用者名を明示する義務を持つべきだと提言しています。
まとめ
日本写真家協会の声明は、生成AIによる画像の著作権問題に対する考え方を明確にしました。
生成AIの進化に伴い、著作権法の適用範囲や著作者の権利保護が課題となっており、今回の声明ではこの問題への対応についての提言が行われました。
生成AIの進化とともに、法的枠組みの整備が求められる時代となっている中で、今後の議論や動向に対する関心が高まっています。