サイバーエージェント、新卒配属決めにAIツール「ミカエル」を導入

サイバーエージェントが社内新人スタッフの適切な部署割り当てを補助するAIツール、「ミカエル」を導入したと発表した。ビジネス職の新人約170名の部署配置にこの春より活用し始めている。これまで100以上の部署と新入社員の間の仲介役を務めていた採用チームが、増え続ける採用人数の負荷を減らすためにAIの活用に踏み切った。

参考:日本経済新聞

何があったのか

「ミカエル」とはどんな機能を持つ?

「ミカエル」は新入社員の希望部署と各部署の要員募集情報をマッチングし、最適な部署を推薦する。具体的には、新入社員の第5志望までの部署希望と、各部署の募集状況をマッチングさせる仕組みだそう。ただし、現時点では外部への販売予定はないとのことです。

「ミカエル」は、オファーを受けた新入社員のインターン結果やエントリーシートなどの情報を元に、各個人の5つのスキルを評価し、最適な部署を提案する。

「ミカエル」の精度はどのくらい?

これまで新入社員の部署配置は新卒採用チームが行ってきました。個々の特性と部署の意向を複数回のヒアリングを通じて比較検討し、最終的な配置を決定していた。しかし、採用人数の増加に伴い採用チームの負担が増えてしまっていたのが課題でした。

「ミカエル」は、新卒採用チームの判断と一致する「適切な提案」を行うと評価されており、チームが提案した配置との一致率は約90%だという。また、サイバーエージェントの新入社員の大多数が内定後に長期インターンを経験するため、「ミカエル」が判断するための適性情報が容易に集まるそうです。

サーバーエージェントは既に自社開発AIの活用を開始している

サイバーエージェントは、自社の主要事業であるインターネット広告の運用などに自社開発のAIを既に活用している。また、AI関連の人材育成にも力を入れており、その経験と知見が「ミカエル」の開発にも活かされている。

「ミカエル」の今後と期待

「ミカエル」の導入は、新入社員の配属決定における作業の効率化だけでなく、新入社員が最も活躍できる環境への配属を可能にするという期待も込められている。サイバーエージェントは今後も「ミカエル」を継続して活用し、新入社員の配属決定の精度向上を目指していくとしている。

まとめ

サイバーエージェントがAIツール「ミカエル」を新入社員の配置に活用する取り組みは、人事管理の効率化と新人の能力最大化の両面で画期的と言えます。

人の手で行われていた作業がAIによって軽減され、新入社員が最も活躍できる環境への配置がより精度高く行えるようになるでしょう。これは、自社のAI開発力を活かした戦略であり、AI技術のさらなる活用を推進する良い事例となります。

また、この取り組みは、AIが日本社会にどう浸透していくかについての示唆を与えています。人事管理から生産管理、マーケティングまで、AIの活用範囲は広がりつつあります。これからの社会では、AIを活用した効率化や精度向上が求められ、AI技術とそれを活用する人材がさらに重要となるでしょう。