OpenAIがGPT-5・GPT-4.5のロードマップ公開!各モデルの特徴やGPT-5の登場による影響を考察

OpenAIのCEO Sam Altman氏は、2月13日に同社の最新モデルである「GPT-5」「GPT-4.5」の構想を発表しました。

特にGPT-5はOpenAIが今まで公開してきたAI技術の全てを集約したモデルになる見込みであり、注目を集めています。

今回PROMPTYでは、GPT-4.5とGPT-5の概要や特徴・GPT-5が今後の生成AI活用に与える影響について考察していきます。是非最後までご覧ください。

GPT-4.5とは

GPT-4.5は、GPT-4からGPT-5への橋渡しとなる中間モデルであり、サム・アルトマン氏が「数週間以内に公開する」と言及しているモデルです。

OpenAI内では「Orion」と呼ばれており、GPT基盤のモデルの中で最後の「非思考連鎖型モデル(non-chain-of-thought model)」と位置付けられています

従来のChatGPTの特徴であった「素早い応答」を引継ぎつつも、能力は向上したモデルと言えます。

使用用途によっては、思考連鎖型モデルでない方が良い場合もあるため、GPT-5公開された後でも使用する機会は多くあると思われます。

GPT-5とは

GPT-5は「ChatGPT-o1」などの推論能力が非常に高い「o1シリーズ」を1つのモデルに統合したモデルです。

今後のアップデートで公開予定とされていた「GPT-o3」も単独リリースを中止し、GPT-5に統合される見込みです。

また、音声認識・出力、画像生成機能(DALL-E)・Deep Researchなどの機能も全てGPT-5に集約されるとのことです。

we realize how complicated our model and product offerings have gotten.

We hate the model picker as much as you do and want to return to magic unified intelligence.

Sam Altman氏のX

サム・アルトマン氏はモデルや提供する機能が複雑化していることを問題視しており、AIを直感的に使用するためのモデル刷新をGPT-5で掲げています。

The free tier of ChatGPT will get unlimited chat access to GPT-5 at the standard intelligence setting (!!), subject to abuse thresholds.

Plus subscribers will be able to run GPT-5 at a higher level of intelligence, and Pro subscribers will be able to run GPT-5 at an even higher level of intelligence. These models will incorporate voice, canvas, search, deep research, and more.

Sam Altman氏のX

The free tier of ChatGPT will get unlimited chat access to GPT-5 at the standard intelligence setting (!!), subject to abuse thresholds.

Plus subscribers will be able to run GPT-5 at a higher level of intelligence, and Pro subscribers will be able to run GPT-5 at an even higher level of intelligence. These models will incorporate voice, canvas, search, deep research, and more.

GPT-5は、無料のユーザーでも使用することができますが、モデルの賢さに制限がかかるとのことです。ChatGPT Plus以上の有料プランに登録しているユーザーはGPT-5の性能を無制限に使用することができます。

GPT-5の特徴

GPT-5には以下の3つの特徴があります。

①モデル性能の向上最新推論モデル「o3」の統合により、今まで以上のパフォーマンスを発揮する
②マルチモーダル機能による使いやすさの向上検索機能・音声認識機能・画像生成機能を全て1つのモデルに統合
③回答精度の向上リアルタイム検索による文献に基づいた回答が可能になる

①モデル性能の大幅向上

GPT-5は最新モデルとして公開する予定であった「GPT-o3」を統合していることから、従来のモデルと比べ性能が向上していると思われます。

GPT-5の使用で、より高精度で信頼性の高い応答を得られるようになります。

GPT-4世代ではまだ残っていた事実誤りや文脈飛躍も、GPT-5では大幅に減り、専門的な質問でも即座に正確な答えが返ってくる期待が高まります。

しかし、ベンチマークテストの結果などが未だ公表されていないため、具体的な性能評価はまだ確認することができません。

②マルチモーダル機能による使いやすさの向上

GPT-5は、検索機能(Deep Research)や音声認識・画像認識機能を統合しています。

ChatGPTを使用する際は、声で尋ねて声で答えを聞く、画像を見せて分析させるといったより直感的なAIの活用が可能になると思われます

例えば、スマホで写真を撮って「これについて教えて」と言えばGPT-5が音声で解説してくれるといったケースが想定できます。

また、GPT-5ではモデル選択UIが廃止される見込みで、機能毎にモデルを変更するなどの手間が解消されることが期待されます。

③回答精度の向上

GPT-5ではハルシネーションのリスクの軽減も期待できます。

Deep Research機能・データセットの更新により、今までのChatGPTでは難しかった根拠の提示やより新しい情報への対応が可能になります。

結果的に、知ったかぶりの誤回答や誤った情報の提供といったハルシネーションが発生するリスクが低減されると思われます。

GPT-5がもたらす生成AI活用への影響

GPT-5は生成AIの性能水準を一段と押し上げることになります。

高度な推論能力とマルチモーダル対応により、これまでAIが苦手としていたタスクもGPT-5では可能になります。「生成AIでできること」が拡大することにより、業務活用はより活性化していくことが予想されます

例えば、GPT-5はMicrosoftの各サービスに組み込まれることが予想されます。

Office 365やWindowsのCopilot・BingのチャットボットなどはGPT-5によって大幅強化され、AIによって今まで以上の業務効率化やサポートが受けられることになると思われます。

また、GPT-5のもう1つの大きな特徴であるのが、使いやすさです。多くの機能を1つのモデルに集約することによって、今まで以上にユーザーフレンドリーなAIモデルが提供されることが考えられます

この影響はClaudeやGeminiといった他社のAIモデルにも影響を与え、誰でも直感的に使えるAIの開発が各社の1つの目標になることが予想されます。

使いやすいAIの普及が進めば、業務活用においてもより直感的に生成AIを使いこなせるようになるのではないでしょうか。

まとめ

今回はOpenAIがロードマップを公開した、GPT-4.5・GPT-5について解説しましたがいかがだったでしょうか。以下は本記事の簡単なまとめです。

  • OpenAIはGPT-4.5とGPT-5の公開を予告
  • GPT-4.5は数週間以内、GPT-5は数ヶ月以内に公開予定
  • GPT-5の登場は生成AI活用を大きく変える可能性がある

PROMPTYでは、今後もGPT-5の動向もお伝えしていくので、ぜひご覧ください。