Google オープンで軽量な大規模言語モデル「Gemma」を公開

Googleは2月21日(現地時間)、新しい大規模言語モデル「Gemma」を発表しました。Geminiモデルの研究と技術を基に開発されたこのモデルは、開発者のイノベーションとAIアプリケーションの作成の支援が見込まれます。Gemmaは現在「Gemma 2B」と「Gemma 7B」の2つのサイズで公開されています。

参考:Google

「Gemma」の特徴と利用可能なツール

Gemmaは、「Gemma 2B」と「Gemma 7B」の2つモデルでリリースされ、それぞれ事前訓練済みと指示チューニング済みのモデルが提供されています。また、開発者のラップトップやデスクトップコンピューターで直接実行することができます。さらに、Gemmaを用いたアプリケーション開発を推奨するために、次のようなツールもリリースされています。

  • 開発者のイノベーションを支援し、安全なアプリケーションの作成を促すための「Responsible Generative AI Toolkit
  • JAX、PyTorch、TensorFlowといったフレームワークで利用できる推論と教師あり微調整(SFT)のためのツールチェーン「Keras 3.0」
  • Hugging Face、MaxText、NVIDIA NeMo、TensorRT-LLMなどの人気ツールとの統合

Metaの大規模言語モデル「Llama-2」を上回る性能

Gemma 2Bおよび7Bは、他のオープンモデルと比較して最高クラスのパフォーマンスを達成しています。ベンチマークでかなり大きなモデルを大きく上回りつつ、安全で責任ある出力に対する基準を遵守しています。推論や数学、コードにおいてMetaの大規模言語モデル「Llama-2」を上回るスコアを示しています。

出典:Google

パフォーマンス、データセットの構成、モデリング方法論の詳細については、技術レポートをご覧ください。

連日リリースされるGoogleの生成AIツール

Googleは、2023年12月から立て続けにGeminiに関するAIモデルやサービスを公開しています。

2023年12月:高性能性能な生成AIモデル「Gemini」を発表

2024年1月:

  • Gemini の無料版と有料版を提供開始
  • Gemini の日本語版を提供開始

2024年2月:

  • BardをGeminiに名称変更、有料プラン公開
  • Gemini の API を提供開始
  • Gemini 1.5 Pro を公開
  • 大規模言語モデルGemmaを公開

特に、OpenAIとは激しい開発競争を繰り広げています。GoogleがGemini 1.5をリリースした日にはOpenAIは画像生成モデル「Sora」を発表しています。両社はそれぞれ独自の強みと特徴を持つ生成AIモデルを開発しており、今後も競争はさらに激化するでしょう。

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まとめ

Googleは、Geminiモデルの研究と技術を基に開発された大規模言語モデル「Gemma」を発表しました。アプリケーション開発に向けた様々なツールも公開しています。

GemmaはHugging Faceから利用可能です。皆様も是非、最新の生成AIに触れてみてはいかがでしょうか。