「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」の制作に画像生成AIを利用 レベルファイブがAI活用例を公開

「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」などで知られるゲーム会社レベルファイブは、12月11日に政府が開催した「AI時代の知的財産権検討会(第4回)」においてゲーム開発とプロモーション業務の効率化にAIを活用した事例を公開しました。

同社の提出資料では、実際にゲーム画面のレイアウト案出しやイラストの高画質化、コーディング補助など様々な場面でAIの活用例が掲載されています。

参考:首相官邸

活用例①:イラストやレイアウトの案出し

2024年に発売予定の「メガトン級ムサシW」では、タイトル画面のレイアウト案を画像生成AI「Stable Diffusion」で生成しています。生成したレイアウトを参考にしてイラストを作成、映像化してタイトル画面を仕上げています。

出典:首相官邸

「妖怪ウォッチ」シリーズでは、主人公・天野景太の3Dモデルイメージ作成にAIを導入。過去の作品画像をAIに学習させ、プロンプトを指定することで様々な雰囲気や質感のイメージ案を生成しています。

出典:首相官邸

背景美術についても、案出しにStable Diffusionを採用。AIの生成画像のみでは細部に違和感があるため、詳細部分を調整しながら背景を仕上げています。

出典:首相官邸

活用例②:イラストの生成・高画質化

「イナズマイレブン」シリーズでは、AIが大観衆や建物群の背景素材をStable Diffusionで生成。これらの素材をキャラクターイラストと合成され、完成度の高いイラストを創り出しています。

出典:首相官邸

プロモーションの場面でもAIが活用されています。イベントブースに使用する大判のイラストの解像度を上げるために、SwinIRというAI高画質化ツールが使用されています。

出典:首相官邸

活用例③:キャラクター設定の案出し

画像生成以外の場面では、大量のキャラクター設定やクエストの案出しをChatGPTを使って生成しています。資料では、事件の名前とその内容をChatGPTで出力しています。

出典:首相官邸

活用例④:コーディング補助

Webサイトの制作では、コーディング補助ツールとしてGenieAI(VScode)やGitHub Copilotを利用して業務を効率化しています。

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出典:首相官邸

エンタメ領域で活用される生成AI

今回のレベルファイブの事例以外にも、さまざまなエンタメの領域で生成AIが活用されています。

株式会社Playknotは生成AIを活用してゲームのシナリオやキャラクター、背景などのコンテンツを自動生成して、効率かつ創造的にゲームを開発する実証実験を開始しています。

参考:Playknot

秋田書店では、11月に「週刊少年チャンピオン」で生成AIを活用して制作した漫画「ブラック・ジャック」の新作を掲載しました。このプロジェクトでは手塚治虫作品を学習したAIを、クリエイターが操作しながら制作しています。

参考:PRTIMES

エンターテインメント業界における生成AIの活用は、創造性と効率性の増大に寄与しています。AIによる画像や音声の生成、キャラクターデザインの提案、自動翻訳や音声合成ツールの進化は、コンテンツ制作を加速し、多様な表現を実現可能にしています。

エンタメ領域に限らず、生成AIを誰もが安心して利用するためには、著作権問題やセキュリティ面におけるガイドライン策定が求められます。

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まとめ

レベルファイブは「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」シリーズなどのゲーム開発に生成AIを積極的に活用していることが公開されました。

その活用の幅は、多岐にわたり画像生成AI「Stable Diffusion」による効率的なビジュアル制作、ChatGPTやGitHubを用いた業務効率化を実現し、ゲーム業界に新たな可能性をもたらしています。

本資料の全ページはこちらから確認することができます。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ai_kentoukai/gijisidai/dai4/siryou1.pdf