Google ユーザーの好みや設定を記憶させる「Memory」機能をBardに追加予定

Googleの生成AIチャットボット「Bard」に、ユーザーとの会話中に伝えられた詳細を記憶し、より個人に適応した対話が実現できるようになる機能「Memory」が追加されるようです。

具体的には、「野菜が好き」というような食事の好みや、「父母妹弟の5人兄弟」という家族構成を記憶することで、より個人のニーズに沿って食事のレシピや旅行先を提案することができるようになります。

参考:9TO5Google

現在のBardは基本的にまっさらな状態から会話がスタートする

現在、Bardとの新しい会話は、それぞれのチャットでまっさらな状態からスタートします。そのため、同じ質問をすると、似たような答えが返ってくるのが特徴です。

しかし、Bardはユーザーの現在地などの情報を元に、答えを一部パーソナライズしています。また、最新の拡張機能では、Gmailの受信トレイなどと連動することも可能になっています。

新しくBardに追加される「Memory」機能

現在のBardでは、例えば「グルテンフリーの食事を取っている」、「食物アレルギーがある」など、毎回ユーザーの状況や好みを伝える必要があります。

そこで、Googleは「Memory」という新機能を追加する予定です。これにより、Bardがユーザーが以前共有した情報を記憶し、対話の質を向上させることが期待されます。

ユーザーはMemory機能を通じて、新しい情報を追加したり、不要と感じる情報を削除したりすることができます。しかしながら、Googleは「Memory」機能が動作する様子についてはまだ公開していません。

プライバシーへの配慮

ユーザーの好みや設定を記憶させることができる「Memory」機能は、回答を個人に最適化できるというメリットがある一方で、AIに個人情報を学習させたくないという人にとってはプライバシーの問題が発生します。

Googleはユーザーのプライバシーを重視しており、Bardの「Memory」機能は瞬時にオフにすることが可能です。これにより、ユーザーは記憶に基づかない新しい会話を簡単に開始することができます。

ChatGPTの「Custom instructions」との違い

Bardの「Memory」機能とChatGPTの「Custom instructions」は、共に生成AIの回答をユーザーの好みや要件に合わせるための機能ですが、実際の運用や背景には違いが見られます。

Bardの「Memory」機能は、ユーザーとの対話中に得られた情報を保存し、対話の質を向上させることを目的としています。つまり、過去の会話のコンテクストを考慮し、その人のニーズや状況に合わせた回答を提供します。

一方、ChatGPTの「Custom instructions」機能は、ユーザーが特定の好みや要件を事前に設定することで、それを常に考慮した回答を生成するものです。これにより、ユーザーは毎回同じ情報を伝える手間を省くことができます。

結論として、両者はユーザーエクスペリエンスの向上を目指していますが、Bardは過去の対話の記憶を活用し、ChatGPTはユーザーから直接得られた指示に基づいて回答を最適化しています。

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個人に最適化した生成AIの可能性

生成AIの進化に伴い、ユーザーとのやり取りの記憶機能を活用したパーソナライゼーションが注目されています。この機能を取り入れることで、AIはユーザーの過去の質問や嗜好を理解し、より個別のニーズに合わせた回答を提供することが可能となります。例えば、ユーザーの趣味や過去の疑問に基づいたアドバイスや情報提供が実現するでしょう。

しかし、この技術の進展と共に、プライバシーの問題も浮上してきます。ユーザーの過去のやり取りを記憶することは、個人の情報や生活習慣を知ることと同義とも言え、それをどのように管理・保護するかが大きな課題となります。最適化されたAIとのコミュニケーションの実現と、個人情報の安全性の確保。両方のバランスが、今後の技術開発の鍵となるでしょう。