オタ恋、近畿大学など次々に…画像生成AIを使った広告制作事例を独自調査してみた

「オリジナリティ溢れる広告をどう作るか…」「画像生成AIを活用して実際に広告を制作できるの?」 そう思う方もいるのではないでしょうか。

実は、Stable DiffusionやMidjourneyなどの画像生成AIを使って、印象的でユニークな広告制作ができます。

今回PROMPTYでは、広告制作におけるAI活用の実態や実際の導入事例をご紹介します。

広告・クリエイティブ分野におけるAI活用の実態

2023年5月から6月にかけて、株式会社宣伝会議発行の広告・クリエイティブ専門誌『ブレーン』による広告・制作会社のクリエイターを対象にAIの活用実態に関するアンケート調査が行われました(有効回答数は262)。

アンケート調査の結果、33%が「業務でのAI使用経験あり」と回答、91%が「AIへの関心あり」とし、74%が「AIを活用したい」と回答。懸念点としては、「責任の所在が不明瞭」55.3%、「使用規制の必要性」37.4%との声が上がっています。

AIツール使用率では「ChatGPT」が51.9%と最多で、画像生成AIの「Midjourney」「Stable Diffuison」は1割程度となりました。特に、画像生成の活用事例としては、「企画書に使う参考画像」や「プレゼン資料用の画像」「Vコン用素材」「合成用背景」「美術セットプロップ」など、画像が必要な様々な場面で画像生成AIが使われていることが明らかになりました。

参考:PRTIMES

広告制作で画像生成AIを活用するメリット

①制作にかかる時間やコストの短縮できる

広告のクリエイティブ制作は、通常多くの時間とコストがかかります。しかし、画像生成AIの導入により時間やコストを削減できます。

  • 迅速な生成:画像生成AIは、ユーザーの入力に基づき、短時間で数多くのクリエイティブなデザイン案を提示します。
  • 人件費の削減:AIの効率的な生成能力により、デザインチームの負担が軽減され、人件費の削減が可能になります。

これにより、プロジェクトの進行が速まり広告キャンペーンのスピードも向上するでしょう。

②より効果的な広告の制作できる

画像生成AIは、データに基づく分析能力を活かして、より効果的な広告デザインを提示できます。

  • データ駆動の提案:過去の成功例や市場のトレンドに基づき、ターゲット層に最適なデザインを自動生成します。
  • 高い適応性::反応の良い要素を継続的に組み込むことで、最大の効果を期待できる広告を生み出すことができます。

これにより、従来よりも効果的な広告クリエイティブの制作が可能となります。

さまざまなパターンのデザインを試しやすくなる

従来の方法では、さまざまなバリエーションのデザインを手動で作成するのは難しいです。しかし、画像生成AIの登場により、多様なデザインパターンを簡単に試すことができます。

  • 豊富なバリエーション一つのテーマで数十、数百のデザインバリエーションを迅速に生成することが可能です。
  • A/Bテストの容易さ:さまざまなバリエーションを簡単に作成できるため、効果的なデザインを迅速に特定するためのA/Bテストが容易になります。

このようなメリットを活用すれば、最適な広告デザインを迅速に特定し、効果的な広告キャンペーンを展開することが可能となります。

画像生成AIを使った広告制作事例

①URBAN HACKS

URBAN HACKS は、2021年7月に東急株式会社から発表された、東急グループの資産をハックして、より豊かな生活、便利な街、楽しい生活を実現するためのプロジェクトです。

URBAN HACKS のエンジニアの求人広告は、ユニークなものが多く、注目されていますが、その一つとして画像生成AIを使った広告があります。

一見、普通の写真のように見えますが、左上には「Generated by Midjourney」と記載されており、画像生成AIサービスの一つであるMidjourneyを使ったことが分かります。左下には、画像生成AIで画像の内容を指定するテキストを指す「prompt」が記載されています。

②オタ恋(マッチングアプリ)

オタ恋は、エイチエムシステムズ株式会社が運営するオタク同士の出会いにフォーカスしたマッチングアプリです。

具体的なサービス名は書かれていませんが、オタ恋の広告には、画像生成AIを使って作成したであろう人物が掲載されています。

最近はインパクトのある広告が多く、SNS上で話題になってます。

ChatGPTを始めとした生成AIブームの波に乗った効果的な宣伝に力を入れていることが窺えます。

③近畿大学

2023年1月、近畿大学はAIによって作成された架空の人物画像を使用した新聞広告を掲載しました。

近畿大学は毎年正月にユニークな新聞広告を制作しており、多くの人々から注目を浴びいますが、2023年の広告テーマは「上品な大学、ランク外。」と題されていて、この広告を通じて、多くの人々に近畿大学の魅力や個性を感じ取ってもらうことが目的となっています。

引用元:Kindai Picks

この画像作成は、近畿大学の情報学部の1年生が画像生成AI「Stable Diffusion」を使って作成したものです。顔写真200枚をに学習させ、架空の生徒の顔を生成しています。

④LIFULL

社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLは、2023年8月31日からタレント・フワちゃんを起用してSNS企画「LIFULL『しなきゃ、なんてない。』AI 10,000変化」をスタートさせました。この企画は、10,000種類のフワちゃんの画像を生成AIで制作し、LIFULL公式のSNSアカウントをフォロー&リポストすると、ランダムでその画像が届くもので、参加者には豪華賞品もプレゼントされます。

最新のこの企画は、生成AIとメッセージを組み合わせて、多様な生き方や考え方を提案するものとなっています。LIFULLの目的は、人々に「しなきゃ」という既成概念に縛られない生き方を考えさせるきっかけを提供することです。

参考:LIFULL

引用元:LIFULL

画像には、実際のフワちゃんの写真を学習したモデルを作成し、Stable Diffusionの画像生成AIで10000種類の画像を生成したことが窺えます。画像生成AIを使った広告制作の効率化というよりは、近年注目される生成AIのトレンドを活用したPR活動となっています。

まとめ

今回PROMPTYでは、Stable DiffusionやMidjourneyといった画像生成AIを使った企業の広告制作の事例を紹介しました。

広告・クリエイティブの分野で、多くの人が生成AIに関心を持っており、実際の業務にも活用されています。また、様々な企業が製品サービスのPRに画像生成AIを取り入れ始めていることがわかります。

今回の例を参考に、皆さまも広告制作やポスター作成に画像生成AIを取り入れてみてはいかがでしょうか。

PROMPTYでは、他にも最新の生成AIについての記事も多く扱っているので、是非ご覧ください。