Stable Diffusion Web UIは生成系AIであるStable Difusionをローカルで動かすことのできるユーザーインターフェイスで、直感的な操作で簡単に画像を生成することができます。今回はStable Diffusionが起動しない場合の解決方法をご紹介します。
Stable Diffusion Web UIの導入方法
Stable Diffusionの概要、導入方法は下記のサイトをご参照ください。
自由自在に画像生成ができるStable DiffusionのUIである「Stable Diffusion web ui」の始め方からそれぞれの機能やパラメータなど、より精度の高い画像生成を行うための使い方をご紹介します。 Stabl[…]
Stable Diffusion Web UIの起動時に起こりがちな問題点と解決方法
Stable Diffusion Web UIはPythonで環境を構築して使用することができますが、起動しない場合はその環境が崩れている、またはうまく認識されていない可能性があります。それぞれの問題点の見極め方と、解決方法をご紹介します。
エラー①:Torch is not able to use GPUと表示される
Stable Diffusion Web UIを使用するにはGPUが必要で、12GB以上(RTX3060以上)が推奨されています。タスクマネージャーのパフォーマンスから自分のパソコンのスペックを確認してみてください。
Torch is not able to use GPU
こちらのコードが表示された場合GPUのタイプが古いなどの理由で発生します。「webui-user.bat」を右クリックし編集を開き、「set COMMANDLINE_ARGS」の後に「–skip-torch-cuda-test」と入力し保存して完了です。
エラー②:PythonのバージョンがStable Diffusionに対応していない
Stable Diffusionの推奨バージョンはpython3.10.6で、最新のものではありません。Stable Diffusion起動時に赤文字でこのようなエラーが出た場合はPythonのバージョンが対応していない可能性があります。
ERROR: Could not find a version that satisfies the requirement torch==1.13.1+cu117 (from versions: none)
ERROR: No matching distribution found for torch==1.13.1+cu117
この場合PythonとStable Diffusionを再度インストールすると解決できます。
まず、Windowsの「設定」→「アプリと機能」からアンインストールしたいバージョンをクリックし「アンインストール」をクリックし、実行を続けアンインストールを完了します。
次にWebUIのwebui-user.batの入ったフォルダを削除し、パソコンを一度再起動します。
そして、こちらの記事を参考に再度PythonとStable Diffusionをインストールします。必ず、Pythonのバージョンを確認してください。
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Pythonだけを再インストールした場合、下記の違うエラーが出る可能性があるので、Stable Diffusionも一緒に再インストールする必要があります。
No python at 〇〇
Stable Diffusionの対応バージョンが変更になる可能性があるので、インストールする際や起動しなくなった場合はこちらを確認してみてください。
github:https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/wiki/Install-and-Run-on-NVidia-GPUs
エラー③:No python at 〇〇と表示される
下記のコードはStable Diffusion Web UIがCドライブにある、またはPythonのみを再インストールした際に表示されることがあります。
No python at 〇〇
この場合もPythonとStable Diffusionを再度インストールすることで解決されます。必ずPythonから順にインストールするようにしましょう。
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エラー④:Couldn’t launch pythonと表示される
うまくPythonが認識されていない場合、こちらのエラーコードが表示されます。
Couldn't launch python
このエラーが表示された場合は使用するPythonの位置情報を認識してもらう必要があります。また、複数のバージョンのPythonがが入っている場合にもこの方法で問題を解決できます。
まずpython3.10.6の保存先をwebui-user.batに変更し「Windows+R」で「ファイル名を指定して実行」を開き「cmd」と入力します。
「py –list-paths」と入力します。PythonがCドライブにしっかり保存されている場合は、「C:\」から始まるファイルパスが表示されるのでコピーします。
Web UIのインストールフォルダの中の「webui-user.bat」を右クリック、「編集」を開き、「set PYTHON=」の後に先ほどのパスをペーストし、保存。これでPythonを認識するようになります。
エラー⑤:Error running commandと表示される
こちらのエラーは「webui-user」を右クリック、編集を開き、「set COMMANDLINE_ARGS」の欄に「–lowvram –precision full –no-half –skip-torch-cuda-test」と入力し保存します。
エラー⑥:RuntimeError: Cannot add middleware after an application has startedと表示される
「RuntimeError: Cannot add middleware after an application has started」と表示される場合はまずWeb UIのバージョンが低い場合に出るようです。
コマンドプロンプトから以下のプロンプトを記入しStable_Diffusion\webui\venv\Scriptsに移動します。
cd C:\Users\name\Desktop\Stable_Diffusion\webui\venv\Scripts
各々の保存場所によって前半の「C:\Users\name\Desktop」の部分が違うので、それぞれの保存先を入力します。そのまま下記のコマンドを順番に入力します。
activate
pip install fastapi==0.90.1
インストールが終わったら、deactivateで通常環境に戻り、完了です。
deactivate
この方法で解決しない場合はGithubから最新のWeb UIを再度インストールしてみてください。
エラー⑦:仮想環境がない
仮想空間がない場合、Stable Diffusion Web UIは自動で再度構築してくれます。仮想空間の何らかの理由で起動できない可能性があるのでこちらの方法を試してみてください。
Stable Diffusionを閉じた状態で「stable-diffusion-webui」→「venv」のファイルを一度他の場所に移動させ、「webui-user.bat」でStable Diffusion WebUIを起動します。すると新しく環境が構築されます。
Stabel Diffusionを起動できたら、移動した「venv」ファイルは不要になります。
まとめ
今回はStable DiffusionWeb UIを起動する際のエラーと対処法をご紹介しました。Stable DiffusionやPythonの再インストールやちょっとしたコマンド入力で修正できるエラーも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
~Stable Diffusionで素早く画像生成するには~
Stable Diffusionの画像生成スピードや画像サイズは、グラフィックボード(GPU)の性能によって大きく変わります。 このため、より効率的かつ快適な画像生成を望むユーザーにとって、最適なグラフィックボードの選択が重要となります。 推論処理やLoRAなどの追加学習処理といった大量の計算を効率よく行うためには、12GB以上のVRAMを持つグラフィックボードを選ぶことを強くおすすめします。 2GBや4GBのVRAMを持つグラフィックボードでは、学習プロセスや高解像度の画像生成に支障が出る可能性が高いです。 コスパを重視する方は、RTX 3060を選ぶと良いでしょう。 このグラフィックボードを使えば、Stable Diffusionの画像生成機能を最大限に活用することが可能となります。