【例文付き】思考連鎖型プロンプティングとは?

「思考連鎖型プロンプティングって何?」「思考連鎖型プロンプティングの効果は?」そう思う方もいるのではないでしょうか。

思考連鎖型プロンプティングは生成AIを効果的に活用する方法の一つで、推論を要する複雑なタスクに対応することが可能です。

今回PROMPTYでは、思考連鎖型プロンプティングとは何か、活用事例について詳しく紹介していきたいと思います。

思考連鎖型プロンプティングとは

思考連鎖型(Chain-of-Thought)プロンプティングとは、中間の推論ステップを通じて情報を逐次的に処理することで複雑な推論を可能にします。

この手法は、より洞察深い結論を導くために複数のステップを経て情報を処理することを意味します。また、Few-shot プロンプティングとの組み合わせにより、少量の学習データからも効果的にタスクに対応することができます。

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例文①:計数問題

数字のグループから奇数を抽出し、その合計値が偶数かどうか判別する問題を解かせてみます。

思考連鎖型プロンプティングでない場合

入力文:

次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:1、3、6、8、9、11、12
解答:〇
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:23、33、44、66、55、78
解答:×
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:390、890、47、12、2、94
解答:×
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:16、37、32、13、83、3、8
解答:

GPT-4の出力:

答えは×です。

思考連鎖型プロンプティングの場合

入力文:

次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:1、3、6、8、9、11、12
A:奇数を全て加えると1+ 3+ 9+11=24になります。答えは〇です。
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:23、33、44、66、55、78
A:奇数を全て加えると23+33+55=111になります。答えは〇です。
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:390、890、47、12、2、94
A:奇数を全て加えると47=47になります。答えは〇です。
次のグループの奇数を合計すると偶数になる。#グループ:16、37、32、13、83、3、8
A:

GPT-4の出力:

奇数を全て加えると37+13+83+3=136になります。答えは〇です。

解答を求める過程を含めて例を提示することで正しい解答が出力されました。

例文②:逆さ読み問題

入力した言葉を逆さに読む問題を解かせてみます。

思考連鎖型プロンプティングでない場合

入力文:

「逆さ読み」は文章を逆さまに読むことです。
「おはよう」を逆さ読みすると
A.「うよはお」
「ありがとう」を逆さ読みすると
A.「うとがりあ」
「よろしくおねがいします」を逆さ読みすると
A.「すましいがねおくしろよ」

「ありがとうございました」を逆さ読みすると
A.

GPT-4の出力:

「たしましたいがりとざあ」

思考連鎖型プロンプティングの場合

入力文:

「逆さ読み」は文章を逆さまに読むことです。
「おはよう」を逆さ読みすると
A.1番目「お」2番目「は」3番目「よ」4番目「う」を逆さにすると、1番目「う」2番目「よ」3番目「は」4番目「お」
解答は「うよはお」
「ありがとう」を逆さ読みすると
A.1番目「あ」2番目「り」3番目「が」4番目「と」5番目「う」を逆さにすると、1番目「う」2番目「と」3番目「が」4番目「り」5番目「あ」
「よろしくおねがいします」を逆さ読みすると
A.1番目「よ」2番目「ろ」3番目「し」4番目「く」5番目「お」6番目「ね」7番目「が」8番目「い」9番目「し」10番目「ま」11番目「す」を逆さにすると、1番目「す」2番目「ま」3番目「し」4番目「い」5番目「が」6番目「ね」7番目「お」8番目「く」9番目「し」10番目「ろ」11番目「よ」
解答は「すましいがねおくしろよ」

「ありがとうございました」を逆さ読みすると
A.

GPT-4の出力:

1番目「あ」2番目「り」3番目「が」4番目「と」5番目「う」6番目「ご」7番目「ざ」8番目「い」9番目「ま」10番目「し」11番目「た」を逆さにすると、1番目「た」2番目「し」3番目「ま」4番目「い」5番目「ざ」6番目「ご」7番目「う」8番目「と」9番目「が」10番目「り」11番目「あ」
解答は「たしまいざごうとがりあ」

一文字ずつに分解するステップを加えることで、思考連鎖型プロンプティングでは正しい並びで出力されました。

まとめ

今回PROMPTYでは、思考連鎖型プロンプティングとは何か、例文を使ってその活用法を紹介しました。

プロンプトに中間の推論ステップを組み込むことで、出力の結果が改善されることが分かりました。

ぜひ今後のプロンプトエンジニアリングの知識習得に役立てていただければ幸いです。