「ChatGPTは薬剤師の仕事にどう活かせるの?」と気になりますよね。
実はChatGPTは薬剤師業務において様々なサポートを行うことができます。
今回PROMPTYではChatGPTが薬剤師になれるかどうか、薬剤師業務における活用方法について解説します。
ChatGPTに薬剤師国家試験を受験させた結果
ChatGPTが医師国家試験で合格点を取ったというニュースはかなり有名ですが、同じ医療系分野である薬剤師ではどうでしょうか。
JA北海道厚生連網走厚生病院の佐藤弘康氏がGPT-3.5に第107回薬剤師国家試験を受験させた結果、ChatGPTは薬剤師国家試験に合格することはできませんでした。
必須問題では全74問中45問正解(60.8%)、一般問題では全211問中78問正解(40%)となり、全体での正答率は43.2%でした。
薬剤師国家試験の合格ボーダーはおおよそ60~70%あたりであるため、薬剤師とChatGPTの差は現状かなり大きいと言えます。
しかし、衛生、薬理、法規などの科目の得点率は高く、得点率を大きく落としたのは化学、物理といった計算科目でした。
ChatGPT自体が薬剤師になることは、現状難しいですが、薬剤師の業務サポートとして活用することはできそうです。
薬剤師ができるChatGPTの活用方法
ここでは薬剤師の方がChatGPTを活用する際のおすすめの用途について解説します。
①処方箋解析
②副作用の予測
③SOAP薬歴の作成
④患者さんへの説明のサポート
この4点について解説します。
①処方箋解析
ChatGPTを用いれば処方箋解析を行うことができます。
学習した薬学に関する大量のデータを基に処方箋の解析を行うことで、患者さんがどのような症状を持っているのか、この処方箋になっているのかと言う、臨床推論の手助けを行うことができます。
処方される薬剤の数が増えれば増える程、処方箋解析は大変になってしまうと思います。
まずはChatGPTで処方箋の分析を行い、その後分析結果を薬剤師が確認する、といった方法にすることによって業務効率を上げることができます。
②副作用の予測
ChatGPTを用いて薬の副作用の予測を行うことができます。
ChatGPTは2021年9月までのWEBデータを保有しているため、過去発生した副作用の事例などから、処方した薬で発生する可能性のある副作用を即座に提示することができます。
また、副作用に関して把握漏れがないかの一応の確認として使用することもいいかもしれません。
しかし、逆に言うと2021年10月以降の情報は持っていないため、新薬に関する情報をChatGPTは持っていません。
また、ここ4~5年くらいで使われるようになった薬なども、モデルケースの不足から適切な情報を供給できない可能性があるため注意してください。
③SOAP薬歴の作成
ChatGPTを用いれば、患者さんのSOAP薬歴を作成することができます。
今回はSOAP薬歴用のプロンプトを作成してみました。
2種類あるので慈悲使ってみてください。
SOAP全てを作成する場合
患者さんとの会話内容をある程度覚えていたらSOAP全てを作成することができます。
#命令書
あなたはベテランの薬剤師です。
以下の#制約条件と#処方内容、#患者の情報を元にSOAP薬歴を作成してください。
#制約条件
・箇条書きで書くこと
・誰が見てもわかりやすいように、専門用語などは極力使わない
・数値など具体的データを示す
・服薬状況、残薬確認、体調変化、併用薬、既往歴、他科受診、副作用、飲食物、後発品の意向、手帳の有無、服薬指導は具体的に記載する
#処方内容
処方内容を記述
#患者との会話
できる限り詳細に記述
#出力形式
S:
O:
A:
P:
AとPを作成する
患者さんのとの会話を覚えていなくても、SとOさえ判明していれば残りのAとPを作成させることができます。
#命令書
あなたはベテランの薬剤師です。
以下の#制約条件と#S・Oの情報、#処方内容をもとにSOAP薬歴のAとPを作成してください
#制約条件
・箇条書きで書くこと
・誰が見てもわかりやすいように、専門用語などは極力使わない
・数値など具体的データを示す
・Aでは前回と今回の処方内容の比較や、処方内容の変更を軸に客観的情報を加える
・PではSOAを踏まえたうえでの具体的な解決策を考えること
#処方内容
処方内容を記述
#S・Oの情報
S:
O:
#出力形式
A:
P:
是非お試しください。
④患者さんへの説明のサポート
患者さんへの薬剤説明をChatGPTにサポートさせることができます。
処方内容をChatGPTに伝え、患者さんに伝えるべきことを洗い出すなどの使い方が期待できます。
しかし、患者さん自身にChatGPTの使用を薦めことは控えましょう。
ChatGPTは間違った情報を出力する可能性があるため、その情報が正しいか正しくないかを判断する知識がない人物が使うことはお勧めできません。
また、薬の話題は人の命にも関わる可能性があるため、先述の通り、あくまでも薬剤師のサポートとして使用するようにしましょう。
薬剤師が使えるChatGPTサービス
「AI薬師」は服薬指導や服薬期間中の患者フォローアップ、患者からの薬に関する問い合わせ対応など薬剤師の対人業務を支援し円滑に進めることのできるAIサービスです。
薬局での使用を想定したサービスで、患者さんに寄り添うメッセージ文の生成など、薬局での業務に幅広く使用することができます。
まとめ
今回は薬剤師業務におけるChatGPTの活用方法について解説しました。
繰り返しになりますが、ChatGPTはあくまでも薬剤師の皆様のサポート役です。
「間違う可能性がある」ということは常に念頭に置きつつ活用していくようにしましょう。
PROMPTYでは他のChatGPTについての記事も多く扱っているので、是非ご覧ください。