Cursor:AIコードエディタとは?各種機能・カスタム方法・導入のメリットを徹底解説!

「Cursorってなに?」

「ChatGPTとコードエディタを行き来するのが面倒くさい」と悩んでいる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

Cursorを活用することでコーディングを自動化でき、業務効率を向上させることができます。

本記事ではCursorの概要、料金プラン、ダウンロード方法、機能、カスタム方法、VS Code・GitHub Copilotとの違い、OpenAI・Azure OpenAI ServiceのAPIの登録方法、法人導入のメリットについて詳しく説明していますので是非最後までご覧ください。

Cursorとは?

Cursorとは、ソフトウェア開発をより簡単にするために設計されたAI搭載のコードエディタです。

OpenAIのChatGPTやClaudeといった高度なAI機能を統合しており、コードの提案、自動エラー検出、コード最適化などの機能があります。

Cursorの料金プラン 

Cursorには以下3つの料金プランがあります。

プラン料金機能
Hobby無料Pro版の2週間トライアル、2000回の補完、50回の低速
プレミアムリクエスト、30日間のデータ保管
Pro$20/月Hobbyの全機能、無制限の補完、月に500回の高速プレミアム
リクエスト、無制限の低速プレミアム(GPT-4, GPT-4o, Claude 3.5
Sonnet)リクエスト、1日10回のo1-mini 利用、30日間のデータ保管
Business$40/ユーザー/月Proの全機能、組織全体でのプライバシーモード適用、チームの
一括請求、利用状況を確認できる管理者向けダッシュボード、
SAML/OIDC SSO、データ保管なし

ProとBusinessは年間契約すると月々の額がそれぞれ$16、$32になります。

法人利用はプライバシー制御に特化されているBusinessプランの年間契約がおすすめです。

Cursorのダウンロード方法

ここではCursorのダウンロード方法を説明します。

STEP 1

Cursorのウェブサイトを開いて画面中心・右上にある「ダウンロード」ボタンをクリックします。

STEP 2

ダウンロードしたZIPファイルをクリックして開きます。

STEP 3

ファインダーのダウンロードにあるCursorを開いてください。

STEP 4

初期設定を行なってください。

「Language」をクリックして「日本語」を選択すると日本語でチャットや日本語のドキュメントが利用できます。

ショートカットやVimの設定も同じ画面からできます。

STEP 5

VS Codeの拡張機能を使う場合は青い「Use Extentions」ボタンをクリックしてください。

STEP 6

Cursorのアカウントを持っていない場合は「Sign Up」をクリックしてアカウントを作成してください。

すでにアカウントを持っている場合は「Log In」を選択してください。

GitHubと連携していると後々便利な可能性が高いのでGitHubを利用してのLog In・Sign Upをおすすめします。

STEP 7

Cursorのアプリに再び戻ると利用開始できます。

GitHub Copilotを利用する場合は画面右下にある「Sign in to GitHub」からサインインしてください。

Cursorの機能

CursorではTabキー、チャット、エージェントモード、⌘Kなどを使ってさまざまな機能を利用できます。

ここではCursorで利用できる全ての機能について説明します。

Tabキー

Tabキーを押すことで以下の機能で提案された内容を採用できます。

以下がTabキーで採用できる内容です。

オートコンプリート

Cursorは直近の変更内容を考慮して、複数行のコード提案を行います。

マルチライン編集

Cursorは一度に複数の編集提案を行うことができます。

複数行にわたる編集を一括で管理できるので時間短縮につながります。

スマートリライト

コードを雑に書いたり、書いている途中でミスをしてもCursorが自動的に修正を行います。

これにより、タイピングエラーやシンタックスエラーを素早く修正できます。

カーソル予測

Cursorは次にユーザーがカーソルを置く位置を予想します。

これによりコード内をスムーズに移動できるようになります。

チャット

CursorにはAIアシスタントとのチャット機能があり、コーディングに関する質問やアドバイスをリアルタイムで受けられます。

特定のコードに対して質問がある場合はコードを選択して⌘+Shift+Lを押すとチャット画面が表示されます。コードベース全体を対象にチャットしたい場合は⌘+Enterを押してください。

チャットでは以下の機能が利用できます。

複数のコードベースについて質問

チャットボックスの左上にある「+」ボタンを押してコードベースを追加すると、複数のコードベースを対象に同時にチャットできるようになります。

インスタント適用

チャット内にある「apply」ボタンを押すとチャットのコード提案をコードベースに適用できます。

コードベース回答

コード全体に関する質問をする際、@Codebaseや⌘+Enterを使って問い合わせるとCursorがコードベースを検索し関連するコードを提示します。

コードの参照

チャットでAIに質問する際、「@」を入力するとコンテキストとしてファイルを添付できます。

AIは質問に答えるとき、添付されたファイル参照します。

画像を使用

チャット内で画像を使用することも可能です。

チャットボックスの下にある「Image」ボタンをクリック、または画像をチャットボックスにドラッグ&ドロップすることでチャットに視覚的な情報を追加できます。

WEBに問い合わせ

「@Web」と入力するとCursorはウェブを検索し、最新のデータをもとに質問に答えます。

ドキュメントを活用

「@Docs」と入力し、「Add new doc」を選択するとURLを入力してドキュメントを追加することができます。

よく使われるライブラリには「@ライブラリの名前」で参照できます。

エージェントモード

Cursorのエージェントモードではタスクを自動的に管理できます。

⌘+Enterを押して「Composer」で「Agent」を選択すると利用できます。

エージェントモードでは以下の機能が使えます。

コンテキストの自動取得

Cursorは自動的にユーザーの質問に関するサイトやドキュメントにアクセスしてコードベース理解するので、コンテキストを追加する必要がありません。

コマンドの実行

Cursorは、自動的にターミナルコマンドを作成・実行できます。

デフォルトでは、すべてのコマンド実行前に確認が求められますが「Yoloモード」ではターミナルコマンドも自動的に実行できます。

設定でさらに細かく自動実行を許可するコマンドと拒否するコマンドを設定できます。

Yoloモードはテストランなどに使用することをおすすめします。

エラーの繰り返し修正

Cursorは、自動的にlintエラーを検知し修正を行います。

これにより、デバッグ作業の負担が軽減されます。

⌘K

⌘+Kを使用すると、AIを活用してコードの編集や作成ができます。

コードを編集する場合、編集したいコードを選択し「Edit」をクリックして、変更内容を指示します。

新しいコードを生成したい場合は、何も選択せずに⌘+Kを入力します。

ターミナル ⌘ K

「Terminal」で⌘+Kを利用すると自然言語でコマンドを入力できます。

自然言語で実行したい内容を書くと、自動的にコマンドに変換してくれます。

クイック質問

特定のコードに関して簡単な質問がある場合、そのコードを選択し「quick question」をクリックすると、即座に回答が得られます。

Cursorのカスタム方法

Cursorは自身の利用用途に合わせてカスタムすることも可能です。

ここではいくつかのカスタム方法を紹介します。

AIのルールを設定

設定画面を開いて「Rules for AI」の下のボックスにAIが従うルールを入力することができます。

AIは作業を行うとき、入力されたルールのもと動きます。

カスタムAIモデル

設定画面を開いて「Models」をクリックすると使いたいAIモデルを選択できます。

「+ Add Model」をクリックするとカスタムAIを追加することも可能です。

CursorとVS Codeの違い

Cursor は Visual Studio Code(VS Code)をベースにした AI 搭載のコードエディター であり、VS Code の使いやすさを維持しつつ、AI 機能を追加したツールです。

以下相違点を表でまとめました。

Cursor VS Code
AI機能コード補完、修正、検索をAIがサポートGitHub Copilot (別途導入が必要)
インターフェイス(UI)AI が統合された使いやすいUIシンプルなUIで拡張性が高い
ターミナル操作AI がコマンド実行 (Yoloモード)手動でコマンド実行
拡張機能一部 VS Code の拡張機能が使用可能数千種類の拡張機能が利用可能
設定AI 機能に特化した設定が簡単詳細な設定が可能

CursorはAI委託することでコーディングの効率化に適しているのに対し、VS Codeは自分好みに詳細な部分までカスタマイズしたい方におすすめです。

CursorとGitHub Copilotの違い

CursorとGitHub CopilotはAIを活用したコーディング支援ツールですが、機能や用途にいくつかの違いがあります。

以下相違点を表でまとめました。

CursorGitHub Copilot
プラットフォームVS Codeをベースにした独自のエディタVS Codeの拡張機能として提供
主な機能コード生成、質問応答、デバッグ支援など
多機能
コード補完と生成に特化
対話機能自然言語によるコード生成指示や
チャット式の質問が可能
自然言語によるコード生成指示や
チャット式の質問が可能
価格体系無料プラン、有料プラン両方あり基本的に有料だが、学生は無料
学習データOpenAIの言語モデルChatGPTを使用GitHubのコードベースから学習した
GPT-4を使用
マルチタスクコーディング以外にも翻訳、ドキュメント
参照、画像解析などが可能
コーディングに特化した機能

CursorはDocs機能や自動デバッグ機能を活用したい開発者におすすめです。
Cursorではこれらの機能を手間なく利用できるため、効率的に作業が進められます。

対してGitHub Copilotは、コード補完やプロジェクト生成が重要な開発者向けです。
特にコードの予測やプロジェクトの初期設定を自動化したい場合に便利です。

OpenAIのAPIをCursorに登録する方法

ここではOpenAIのAPIをCursorに登録する方法を説明します。

OpenAIのAPIとは

OpenAIのAPIは、ChatGPTやDALL-EといったAIをアプリやツールに組み込めるサービスです。

いわゆる「自分のアプリでChatGPTを使えるようにするためのツール」です。

このAPIを使うことで、テキスト生成やコード補完、画像生成などのAI機能を利用できるようになります。

登録するメリット

OpenAIのAPIを登録することで以下のことができるようになります。

  • 最新のAIモデルを使える → OpenAIが提供する最新のGPTモデルを利用可能
  • 自分好みにカスタマイズ → APIを通じて設定を細かく変更できる
  • 利用制限をコントロールできる → 自分のAPIキーを使うので、制限なく使いたい分だけ活用可能

登録方法

STEP 1

Cursorを開いて画面右上の歯車ボタンをクリックしてください。

STEP 2

スクロールして「Advanced」をクリックして、OpenAIの公式サイトから取得したAPIの情報を入力してください。

Azure OpenAI ServiceのAPIをCursorに登録する方法

ここではAzure OpenAI ServiceのAPIをCursorに登録する方法を説明します。

Azure OpenAI ServiceのAPIとは

Azure OpenAI ServiceのAPIとは、Microsoftが提供するクラウドプラットフォーム「Azure」上で、OpenAIの高度なAIモデルを利用できるサービスです。

これによりユーザーはAzureのセキュリティ機能と組み合わせて、自然言語処理や画像生成などのAI機能を自社のアプリケーションに統合できます。

登録するメリット

Azure OpenAI ServiceのAPIを登録することで以下のことができるようになります。

  • 自分専用のAI環境を作れる→ Azure上のAIを使うので、独自の設定ができる
  • セキュリティが強化される→ Microsoftのクラウド環境で安全にAIを活用
  • スムーズに開発できる → Cursorの便利な機能と組み合わせて、AIの助けを受けながらコーディング

登録方法

STEP 1

Cursorを開いて画面右上の歯車ボタンをクリックしてください。

STEP 2

スクロールして「Advanced」をクリックして、Azureポータルから取得したAPIの情報を入力してください。

法人導入のメリット

CursorはDeloitte.、OpenAI、Johnson&Johnson、Samsungなど名だたる企業のエンジニアに活用されています。

Cursorを企業のソフトウェア開発チームで活用するメリットは以下のとおりです:

①開発速度の向上AIがさまざまな機能を自動的に実行
②大規模コードベースへの対応AIがコードベースをインデックス化
③セキュリティとプライバシーの確保データ保管を行わない

①開発速度の向上

CursorはAIを活用したコード生成や自動補完機能により、開発者がより迅速にコードを作成できます。これにより、プロジェクトの納期短縮や市場投入までの時間を大幅に削減できます。

②大規模コードベースへの対応

数千万行に及ぶ大規模なコードベースでもCursorは効率的にインデックス化し、開発者が必要な情報に迅速にアクセスできるようサポートします。

これにより、複雑なプロジェクトでも生産性を維持できます。

③セキュリティとプライバシーの確保

Cursorはコードのデータ保持を行いません。

これにより、企業の重要なコード資産を安全に保護できます。

まとめ

今回はCursorについて詳しく説明しましたがいかがだったでしょうか。

以下が本記事の簡単なまとめです。

  • 多機能なAIアシスタント: チャット機能やエージェントモードを活用し、リアルタイムで質問やコマンド実行が可能
  • コーディングの効率化: AIによるコード補完やエラー修正、自動デバッグ機能で作業時間を大幅に短縮できる
  • 柔軟なカスタマイズ性: AIモデルやルールの設定、OpenAIやAzureのAPI連携により、自分の開発環境に最適化できる

Cursorを活用することで独自性を担保しながらコーディングの効率化が図れます。