Difyは商用利用できる?利用ケース別に活用可否について解説!

Difyはノーコードで生成AIツールを作成することができる便利なOSS(オープンソースソフトウェア)ですが、商用利用が可能なのか気になりますよね。

今回PROMPTYでは、Difyの商用利用可否について、ケース別に解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

Difyは原則商用利用が可能

Difyはオープンソースソフトウェアとして公開されており、基本ライセンスはApache License 2.0です。

Apache License 2.0はソフトウェアのオープンソースライセンス(利用規約)の一つで、商業利用を含む広範な使用を許可しています。そのため、Difyは原則商用利用が可能です。

原文:
Subject to the terms and conditions of this License, each Contributor hereby grants to You a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare Derivative Works of, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute the Work and such Derivative Works in Source or Object form.

日本語訳:
本ライセンスの条件に従い、各貢献者は、本作品および派生作品をソース形式またはオブジェクト形式で複製、派生作品の作成、公開表示、公開実行、サブライセンス、配布するための、永続的、全世界的、非独占的、無償、ロイヤリティフリー、取消不能の著作権ライセンスをお客様に付与します。

引用:Apache License 2.0

しかし、Dify側で商用利用できないと定めているケースが2つ存在します。

その2つのケースとは「マルチテナントSaaSを提供する場合」「ロゴ・著作権情報の削除・変更を行っている場合」であり、これらのケースに該当する場合は、商用ライセンスを取得しない限り商用利用は許可されません

日本語訳:
1.Difyは商業的に利用することができます。例えば、他のアプリケーションのバックエンドサービスとして、または企業向けのアプリケーション開発プラットフォームとして利用できます。以下の条件が満たされる場合、商業ライセンスをプロデューサーから取得する必要があります。

a. マルチテナントサービス: Difyのソースコードを使用してマルチテナント環境を運営することは、Difyの書面による明示的な許可がない限り、許可されていません。

・テナント定義: Difyの文脈において、1つのテナントは1つのワークスペースに対応します。ワークスペースは、各テナントのデータと設定を分離する領域を提供します。

b. ロゴおよび著作権情報: Difyのフロントエンドを使用する過程で、Difyコンソールやアプリケーションにあるロゴや著作権情報を削除または変更することはできません。この制限は、Difyのフロントエンドを含まない使用には適用されません。

・フロントエンド定義: このライセンスの目的で、Difyの「フロントエンド」とは、Difyを生のソースコードから実行する際のweb/ディレクトリにあるすべてのコンポーネント、またはDifyをDockerで実行する際の「web」イメージを指します。

引用:Difyライセンス

 Difyの商用利用が許可されないケース

Difyの商用利用が許可されないケースは先ほど挙げた「マルチテナントSaaSを提供する場合」「ロゴ・著作権情報の削除・変更を行っている場合」の2つです。


これらのケースに該当する場合は、Difyに直接問い合わせ、商用ライセンスを取得しなければ商用利用が許可されません。 

①マルチテナントSaaSを提供する場合

Difyを利用してマルチテナントSaaSを提供する場合、商用ライセンスが必要です。

マルチテナントSaasとは、1つのソフトウェア(SaaS)を複数の企業やユーザーが共有して利用する形態のクラウドサービスサービスであり、例として「Google Workspace」や「Microsoft 365」などが挙げられます。

マルチテナントシングルテナント
定義複数の利用者(企業や個人)が1つのシステムやアプリケーションを共有する形式1つの利用者(企業や個人)のみが専用に利用する形式
具体的なサービスSalesforce(CRM)、Google Workspace、Microsoft 365オンプレミスのERP(SAP S/4HANA on-premise)、専用サーバーのECサイト

マルチテナントSaasかどうかの判断基準としては、複数のワークスペースを使用しているかどうかです。そのため、商用利用時に複数のワークスペースを作成する場合がこのケースにあたり、商用利用には商用ライセンスが必要となります

マルチテナントという言葉は難しいので、しっくり来ていない方のために、マルチテナントをシングルテナントと比較して理解できる表を作成しました。

②ロゴ・著作権情報の削除・変更を行っている場合

Difyを使用する際に、表示されるロゴや著作権情報を削除したり、変更したりする場合も商用ライセンスが必要です。

ただし、フロントエンドに関係しないDifyの使用に関しては、このような場合でも商用利用が可能です。

Difyの商用利用が許可されるケース

先ほど挙げた2つのケース以外のDifyの利用であれば、商用利用が可能です。

商用利用が可能な具体例を4つ挙げました。参考にしてください。

①個人向けアプリをDifyで作り販売する場合

個人向けアプリをDifyで作り販売する場合、商用利用が可能です。

例えば、Difyを活用して、個人ユーザー向けのAIチャットボットや業務支援ツールを開発し、アプリストア(App Store、Google Play)や自社サイトで販売する場合が該当します。

②企業向けアプリをDifyで作り販売する場合

①と同様に、企業向けアプリをDifyで作り販売する場合も商用利用が可能です。

例えば、企業向けのAIソリューションをDifyで構築し、ライセンス販売やカスタマイズサービスとして提供する場合が該当します。

③Difyで作成したアプリのAPIキーを販売する場合

Difyで作成したアプリのAPIキーを販売する場合、商用利用が可能です。

例えば、APIベースのAIツール(文章生成、音声認識、画像分析など)をDifyを使って作成し、顧客にAPIキーを提供する形で販売する場合が該当します。

④自社内でDifyで作成したアプリを使用する場合

自社内でDifyで作成したアプリを使用する場合、商用利用が可能です。

例えば、自社の業務効率化のためにDifyを使い、AIアシスタントや自動化ツールを開発し、社内利用する場合が該当します。

 Difyの商用利用については問い合わせることも検討しよう

ここまででDifyは原則商用利用可能であり、またどういった時に商用利用が許可されないかを理解していただけたと思います。

しかし、もしDifyの利用に関して特例的であったり、複雑なケースであったりした場合は商用利用が可能かどうか分からなくなるといったこともあると思います。

こういったライセンス関係に疑問や不安がある場合には、Dify公式のメールアドレス(business@dify.ai)に問い合わせてください。また、商用ライセンスを取得したい場合も、同様にDifyへの個別での問い合わせが必要になります。

まとめ

今回PROMPTYではDifyの商用利用についてを解説しましたが、いかがだったでしょうか。
以下がDifyの商用利用に関するまとめです。

・Difyは原則商用利用が可能
・ただし、「マルチテナントSaaSを提供する場合」「ロゴ・著作権情報の削除・変更を行っている場合」の商用利用には商用ライセンスが必要
・ライセンス関係に不安や疑問がある場合、また商用ライセンスを取得したい場合はDify公式のメールアドレス(business@dify.ai)にお問い合わせください。

最後に、PROMPTYでは他の生成AI関連のサービスに関しての記事も多く取り扱っているので、ぜひご覧ください。