ソフトバンクとNVIDIA、AI活用の次世代データセンターで協業

ソフトバンクとNVIDIAは協業を開始し、5Gおよび6Gを視野に入れた次世代データセンターの構築を進めています。この共同プロジェクトでは、新たに開発されたプラットフォームを中心に活動が行われます。

このプラットフォームは、NVIDIAの最新のチップセット「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」(Grace Hopper)と「BlueField-3」(DPU)を核とし、モジュール型のサーバー規格「MGX リファレンスアーキテクチャー」を活用しているとのことです。これにより、特殊なハードウェアがなくても、仮想化された5Gネットワークと生成AIのアプリケーションを使用可能にする仕組みを提供します。

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現状の通信分野の課題と、それを解決する新たなアプローチ

現在の通信分野で課題となっているのは、インフラ側がAIなどの新しいアプリケーションに最適化されていない点です。

特に、ピーク使用率を考慮した設計が必要でありながら、通常の使用はピーク使用率の25%程度となっているという状況が見受けられます。このような課題を解決するため、ソフトバンクとNVIDIAは「NVIDIA Accelerated Cloud」を導入しています。これにより、設備の効率性や性能の向上を図っています。

ビジネス展望と顧客への影響

NVIDIAの通信事業担当シニアバイスプレジデントのロニー・ヴァシシュタ氏は、「ユースケースはどんどん増えていく」と語り、ソフトバンクの内外でこの製品の能力をすぐに体感できることを期待しています。

また、ソフトバンクとの協業では、ソフトバンク内部でのAIアプリケーション利用に加えて、顧客に対してもその機能を提供できるようになるとのことです。

持続的な技術検証と今後の展開

同社は現在もx86系のアーキテクチャでAI利用の検証を進めており、Armとx86ベースの両面でサポートを続ける方針を示しています。

この取り組みは、多様なハードウェア環境でもAIを効果的に利用できるための基盤を確立しようとするものです。最終的には、この協業による次世代データセンターは2023年後半にも日本各地での展開が始まる見込みとのことです。