フォルクスワーゲン ChatGPTを搭載した音声アシスタントを発表

独フォルクスワーゲンは、1月8日(現地時間)にラスベガスで開催された世界最大級の技術見本市「CES 2024」で、ChatGPTを搭載した音声アシスタント「IDA(アイーダ)」を自社のクルマに採用することを発表しました。

ChatGPTを採用した音声アシスタント「IDA」

今回発表された技術は、フォルクスワーゲンと提携した車載アシスタントのプロバイダー米Cerenceの基盤に、OpenAIのChatGPTを統合される形で実装されています。

「Hello IDA」と話しかけるか、ステアリングホイールのボタンを押すことでChatGPTを搭載した音声アシスタントが起動します。音声入力と高精度な大規模言語モデル(LLM)の活用により、ステアリングホイールから手を放すことなく、車内の温度調節やナビゲーションを行うことができます。さらに、IDAは一般的な会話も楽しむことが可能です。

フォルクスワーゲンは、2024年の第2四半期から新型の「Golf」、電気自動車の「ID.7」「ID.4」「ID.5」「ID.3」にIDAを標準機能として搭載する計画を立てています。ただし、日本語対応については、現時点では未発表の状態です。

実際のデモ

CES 2024で発表された内容はこちらからチェックすることができます。発表の中で実際に「IDA」のアシスタントの様子が紹介されています。

実際のデモでは、運転席から「I am feeling cold 」と音声入力すると、「OK, warming the left front side now」と音声で回答し、車内を暖めています。(動画:14:15~)

ナビゲーション機能では、「I need medicine」と音声入力すると、近くの薬局のリストを提示してくれます。(動画:15:17)

自動車に生成AI搭載へ

CES 2024では、フォルクスワーゲンのほかにも、ソニー・ホンダがMicrosoftと提携して開発中の電気自動車(EV)「AFEELA(アフィ―ラ)」に生成AIを搭載することが発表されました。

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