Google 会話型生成AIサービスBardの活用方法トップ10を発表

Googleは12月1日に、試験運用中の会話型生成AIサービスBardの2023年の活用方法ランキングを発表しました。また、それぞれの活用方法における詳細や最新機能を使ったTipsを紹介しています。

Bardは2023年5月にGoogleが公開した会話型生成AIサービスで、OpenAIのChatGPTやMicrosoftのBingAI(Copilot)と競合するサービスです。

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参考:Google Japan Blog

日本語版と英語版の活用方法ランキング

出典:Google Japan Blog

英語版、日本語版ともに、情報収集のための質問が上位にランクインしています。また、コード作成・修正やコードの説明などプログラミングも上位にランクインしています。

英語版と日本語版の結果を比較すると、英語では情報収集のみならず、文章の要約や要点のまとめなど作業の効率化に活用されている割合が高くなっています。

情報収集への活用が上位にランクイン

ランキングでは、特に情報収集に関する活用が目立ちます。日本版では「事実に関する調べもの」が1位にランクインし、「専門的なトピックの相談」が2位を占めました。

「事実に関する調べもの」では、具体的な質問への明確な答えを求める用途が多くなっています。例えば「水の沸点は気圧によって変わるか?」や「sin 90°の値は何か?」などの質問が代表的です。また、「専門的なトピックの相談」では、セキュリティ対策や数学の勉強法など、幅広い分野での相談が見られます。

Bardを使用する際には、質問の背景や目的、状況を詳しく説明することで、より精度の高い回答を得ることが可能です。例えば、「冬休みで習得できることを教えて」という質問よりも「小学校 4 年の子供に冬休みの理科の研究で最適な 10 テーマ」という形で自分の状況や背景を伝えると、より高い精度の回答を得られます。また、Bardは前回の会話の文脈を理解するため、続けての会話でテーマを深く探求することも可能です。

出典:Google Japan Blog

プログラミングや翻訳のサポート

英語版で2位、日本語版では3位にランクインしているプログラミング分野では、Pythonコードでの音声ファイル変換やHTMLコードのバグ修正、Googleスプレッドシートでの関数作成など、Bardでコードの作成から修正に至るまで、幅広い活用方法がみられました。

Bardは翻訳の分野でも力を発揮しています。特定の単語やフレーズを日本語に翻訳するだけでなく、ビジネス英語や他の言語への翻訳にも対応できます。例えば、日本語からビジネス英語、さらには中国語や韓国語への翻訳など状況や言語に合わせて活用することができます。

出典:Google Japan Blog

ビジネスから日常生活に役立つ文章作成・要約

「文章の編集」は英語版で3位、日本語版で5位にランクインしており、文章作成においてもユーザーを支援していることがわかります。

文章の流れや構成の修正、ビジネスメールの作成、さらには多言語による文章修正など、多様な文脈での文章作成をサポートしています。これにより、文章作成の際の効率が大幅に向上しています。

Bardには、回答の長さや口調をユーザーのニーズに合わせて調整できる機能が備わっています。短い回答から長い回答、カジュアルな表現から専門的な表現まで、多様なニーズに応じたカスタマイズが可能です。

出典:Google Japan Blog

日常的な話し相手にも活用

Bardの活用は、日常会話やトピック分析、要点のまとめる作業にも活用されています。ランキングでは、6位に「雑談・おしゃべり」、7位に「新たな見解を得る」、8位に「要点をまとめる」といったカテゴリーが含まれており、Bardが日常的な会話や多角的な視点からの分析、情報の要約にも役立っていることがわかります。

BardはGoogle Lensを活用して写真による質問も可能です。これにより、旅行計画のための写真付きの提案や、気になる植物の種類の特定などを行うことができます。

出典:Google Japan Blog

Bardはどのくらい使われているの?

次の表は、OpenAIのChatGPTとGoogleのBardの月間アクセス数を比較した結果です(2023年10月)。Bardのアクセス数はChatGPTの5分の1未満となっています。

出典:SimilarWeb

ChatGPTの方が世界的に知名度が高いと思われますが、Bardを使うメリットは無料でウェブブラウジングや画像入力の機能を使えることです。

また、GmailやGoogle ドライブといったGoogleのアプリと連携できるほか、Youtubeの動画について内容の質問や要約ができるようになっています。

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まとめ

Googleは、会話型生成AIサービスBardの2023年の活用方法ランキングを発表しました。

ランキングからは、Bardが情報収集から専門的な知識の提供、日常的な会話や文章作成のアシスタントとして幅広く活用されていることが明らかになりました。これらの事例は、Bardの多様な使用法を理解し、自身のニーズに合わせて利用するための参考となるでしょう。

OpenAIのChatGPTを始めとした他の会話型生成AIサービスとの機能の違いを理解して、必要に応じて利用するサービスを切り替えることで、より効果的に生成AIを活用することができるでしょう。