大分市 生成AIの業務活用手引を全職員に提供

大分市は、10月21日に生成AIを業務の中で活用するための手引を作成したと発表しました。この手引には、精度の高い回答を得るための方法や使用時の注意点がまとめられています。市は生成AIを、業務の効率化やアイデアの創出、さらには負担軽減の手段として高く評価しています。

参考:大分合同新聞

業務活用手引の内容

この手引は9月28日に全職員に配布されました。その中には、具体的な使用例として「あいさつ文の作成」や「研修会の進め方のアイデア出し」などが挙げられており、どのように生成AIに質問や指示を出せば良いのか、また、生成AIから得られる回答の例も紹介されています。

特に説明会の案内文の作成に際しては、質問の際に「立場や目的、対象」を明確に指定することで、より精度の高い結果が得られるとのアドバイスが記載されています。また、得られた回答を更に絞り込むための条件設定方法も提案されています。

引用元:大分市

大分市の検証と取り組み

大分市は7~8月の間に、関連部署32人の職員からなるチームを組成し、生成AIのサービスを検証しています。この検証では、OpenAIのChatGPTやMicroSoftのBing AIをはじめとする複数のサービスを対象とし、その操作方法の習得や、どのような質問をすれば精度の高い回答が得られるのか、そして市の業務においてどのように活用できるのかを調査しました。

情報政策課によれば、この手引の作成に際しては、ChatGPTなどの生成AIを実際に使用して文章や画像を作成しました。そして、手引はただの注意点の羅列ではなく、発展的な使い方を実践できるような内容を目指して制作されたとのことです。

生成AIの利用にはいくつかのリスクが伴います。例えば、著作権侵害の可能性や個人情報の流出、さらには不正確な情報の生成などが挙げられます。大分市の手引には、これらのリスクについての注意点も詳しく記載されています。

引用元:大分市

今後の展望

現在、この手引は大分市の公式ホームページで公開されています。そして、10月31日には職員を対象とした研修会でその活用が予定されています。

情報政策課は「生成AIを正しく活用することで、新しい観点やアイデアをもたらす技術となる。これからも有効な利用方法を模索していきたい」とコメントしています。

まとめ・自治体の業務における生成AI活用

大分市は、生成AIの効果的な業務活用のための手引を全職員に配布しました。具体的な生成AIの使用方法や注意点を詳細に記載されています。この手引は、市のホームページで公開され、業務効率化やアイデア創出の新たなツールとしての活用が期待されます。

今回は、大分市の導入事例を取り上げましたが、自治体の業務におけるChatGPTなどの生成AIの活用は多岐にわたります。

  1. 市民からの問い合わせ応対を効率化
    住民税の計算方法やゴミ収集のスケジュールなど、頻繁に寄せられる質問に対して、生成AIが即座に適切な回答を提供することで、窓口の業務負荷を軽減できます。
  2. イベント・セミナーの企画支援
    自治体が主催するイベントやセミナーの企画段階で、参加者からのフィードバックや要望をChatGPTを活用して収集・整理することも考えられます。これにより、市民の声をダイレクトに反映させた企画を実現できるでしょう。
  3. 地域の観光案内やPR
    観光案内やPRにも生成AIを活用することが考えられます。例えば、観光スポットやグルメ情報を提供するチャットボットを設置することで、訪問者や市民にとって親しみやすい情報発信が可能となります。

このように、生成AIは自治体の業務において幅広く役立てられることがわかります。適切な設定と運用で、より効率的かつ市民にとって有益なサービスを提供することが期待されます。