日本財団は9月1日、8月に行った生成AIに関する18歳意識調査(全国の17歳~19歳男女、計1,000名が対象)の結果を公開しました。
調査結果は以下の通りです。
対象1000人のうち90%近くが生成AIを「知っている」、40%近くがテキスト生成AIを中心に使用経験がある、と答えているほか、使用経験のない人の約60%も「使ってみたいと思う」としています。 使用目的は「暇つぶし」が60%を超え、「学校の宿題や職場で使う資料の文書を手伝ってもらうため」も40%近くに上っています。ただし夏休みの課題・宿題に限ると生成AIを「活用した」人は「予定」も含め、全体の10%に留まっています。 また約30%が「授業で生成AIの仕組み・特性やリスクについて学んだことがある」、約20%が高校や大学での生成AIの活動について「ルールが定められている」と答えています。このほか、生成AIを知っている人の20%弱が、「生成AIの登場で自分の将来の夢・就きたい職業や興味のある科目・学問に影響・変化があった」と答えています。
引用:日本財団法人
生成AIの仕組みやリスクについての教育する必要性
引用:日本財団
「授業で生成AIの仕組み・特性やリスクについて学んだことがある」と回答した人は全体で31.8%でした。
生成AIは学習した情報をもとに、一般的な回答を生成するため、使用が許可されていない情報を学習している場合は著作権の問題が発生します。また、学習情報の偏りによって、出力に偏りが出てしまうこともあります。
生成AIが普及していく中で、こういった生成AIの仕組みや、生成AIの使用によって発生する著作権や、情報の偏りといったリスクについて教育することが必要になります。
生成AIの活用に関するルール作りの必要性
引用:日本財団
「学校や大学での生成AIの活用ルールが定められている」と回答した人は全体で21.8%でした。
生成AIの活用に関しては、生成AIの出力をそのまま利用しないで合ったり、生成AIの情報をそのまま鵜吞みにせず、正確な情報であるか確認するなどといったルール作りが求められます。
先日は東京都が全局で文章生成AI「ChatGPT」を導入するにあたって、職員へのルールも含めたガイドラインを公開しました。
東京都は8月23日、全局の職員5万人に「ChatGPT」という文章生成AIの利用体制を確立したことを明らかにしました。この生成AIはMicrosoftの「Azure OpenAI Service」に基づいており、都が新たに導入したものです[…]
また、生成AIの使用に関して、学生に対するガイドラインを定めている大学も増えています。
生成AIが普及していくに伴って、すべての教育機関において生成AIを活用する場合のルール作りや、明確なガイドラインの作成が求められます。
生成AIの授業への活用
引用:日本財団
「生成AIを活用する授業を受けたことがある」と回答した人は全体で11.2%でした。
一般的な知識(歴史の年号や英単語の意味など)は、生成AIによって簡単に回答を出力することができるため、その知識を知っていることの価値は従来より低くなったと言えます。
「授業に生成AIをどう活用するか」という問いに正解はないですが、例えばChatGPTが出力した回答に対してそれが本当に正しいのか、教科書や資料集を使って確かめるといったような活用方法も考えられます。
まとめ
生成AIの普及するに伴って、教育の在り方も変化することが求められています。
教育機関には今後、AIにはできない「人間にしかない力」とは何かを考え、その力を伸ばすために生成AIを補助的なツールとしてうまく活用することが求められるのではないでしょうか。