OpenAIがアイルランドに新オフィスを開設、ヨーロッパでの事業拡大を視野に

9月13日にOpenAIは、アイルランドのダブリンに新しいオフィスを開設し、ヨーロッパ市場での影響力や存在感をさらに高めることを明らかにしました。

参考:OpenAI

引用:OpenAI

OpenAIは、人工知能(AI)が世界中の人々に新しい機会をもたらす可能性を確信しており、このビジョンのもと、欧州におけるサービスの質向上を目指すとしています。

今後の取り組みとして、アイルランドでのチーム拡大やオペレーション、信頼と安全、市場開拓、セキュリティエンジニアリング、法務業務の推進を進める予定です。

なぜアイルランドなのか

アイルランド、特にダブリン、コーク、ゴールウェイ、リムリックといった都市は、ハイテクやスタートアップのエコシステムが盛んで、その強さと発展は際立っています。

アイルランドは、技術革新を事業成長に結びつける環境を整えており、OpenAIはこの強固なエコシステムと連携し、欧州での事業拡大を図る考えです。

OpenAIとアイルランドの連携

OpenAIはアイルランドのユース・アクセラレーター(導入支援組織)であるPatchとも連携を始めています。Patchは、16歳から21歳までの起業を志す才能ある若者を支援する非営利団体です。

また、アイルランド政府産業開発庁は、OpenAIがダブリンに欧州拠点を設立することを歓迎しています。特に、マイケル・ローハンCEOからは、アイルランドがAIエコシステムの構築に向けて取り組んでいることが強調されました。

サイモン・コヴェニー企業・貿易・雇用担当大臣は、OpenAIのような先進的な企業がアイルランドに進出することで、AIの研究とイノベーションの支援や労働力の育成が進むとの見解を示しています。

今後の展望

OpenAIは、アイルランドのAIビジョンを深く尊重し、地域の民間企業、学界、政府、新興企業との連携を強化しています。

この取り組みを通じて、ヨーロッパのパートナー、ユーザー、顧客との関係をさらに深化させ、サービスの質を向上させる方針です。

具体的な採用情報やOpenAIのアイルランド及び英国での募集情報は、同社の公式ページで確認できます。

ヨーロッパでの生成AIの動向とOpenAIの取り組み

ヨーロッパでは、生成AIに対する規制の動きが活発になっており、EUでは人工知能の規制法案に生成AIに関する内容を盛り込むべきとする修正案が可決されています。

OpenAIがアイルランドにオフィスを開設することで、ヨーロッパにおける生成AIの市場開拓や法的枠組みに関する情報発信の拠点として機能することが期待されます。

ヨーロッパ市場での影響力や存在感を強化することで、OpenAIは生成AIに対する前向きな影響を与え、新しい規制環境下での事業展開やパートナーシップの形成において重要な役割を果たすかもしれません。

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