【プロンプト解説】ChatGPTを使って文献を基にした考察を広げる

「論文やレポートを書いているけど、一つの文献だけでは考察が足りない…」「ChatGPTで文献を基にした考察を広げられるの?…」 そう思う方もいるのではないでしょうか。

実は、ChatGPTを利用すれば、多角的な視点や新たな観点からの考察を広げることができます。

今回PROMPTYでは、ChatGPTのウェブブラウジング機能とプラグインを用いて文献を基にした考察を行う方法を例文を使ってご紹介します。

プロンプト

#命令文
次の#テーマについて文献を元を参照して考察をまとめてください。

#テーマ
{自由記述}

#考察の流れ
*#テーマに応じたキーワードを検索する
*関連度の高い文献をいくつかピックアップする
*文献の内容を基にして考察する

#出力形式
*800字程度の考察
 日本語で記述すること
 文献中の内容を引用する際は""で囲むこと
*参考にした文献
 タイトル、著者、発行年を含めること

実際のChatGPTへの入力例

① Webブラウジング機能を使って「生成AIの教育への活用」について考察する

例として、 ChatGPTのWebブラウジング機能を使って「生成AIの教育への活用」について考察してもらいます。

Webブラウジング機能について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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入力文:

#命令文
次の#テーマについて文献を元を参照して考察をまとめてください。

#テーマ
教育現場で生成AIを活用すべきか

#考察の流れ
*#テーマに応じたキーワードを検索する
*関連度の高い文献をいくつかピックアップする
*文献の内容を基にして考察する

#出力形式
*800字程度の考察
 日本語で記述すること
 文献中の内容を引用する際は""で囲むこと
*参考にした文献
 タイトル、著者、発行年を含めること

GPT-4の出力:

教育現場で生成AIを活用することは、教育のパラダイムを変える可能性を持つ一方で、新たな課題も生じると考えられます。

ハーバード大学のBerkman Klein Centerで行われたワークショップでの議論によれば、生成AIツールの教育への統合は、教育の利点を促進し、人々のAIおよびデジタルリテラシーを支援する方法を再考する機会を提供します。生成AIツールは、既存の教育方法を補完し、新しい方法を生み出すことで、教育者の補助として機能する可能性があります。例えば、ChatGPTのような大規模な言語モデルは、適切な質問を通じて学生に段階的に答えを導く「ソクラテス式チューター」として機能することが期待されています【9†source】【10†source】。

しかし、これらのツールは、既存の社会経済的パターンに従って不平等なアクセスが続くと、学業成績の格差を悪化させる可能性があります。また、学生がAI技術を使って不正行為を行ったり、システムを悪用したりする恐れもあります。地域的な教育基準や政策の違いも、学生がAIを使う経験に違いを生じさせる可能性があります【10†source】。

一方で、学生たちは、生成AIがそのライティング出力やライティングの教育目的にどのように影響を与えるかを理解し始めています。学生は通常、そのライティングを通じて評価され、'エッセイ'は学業の厳格さとパフォーマンスの主要な指標とされてきました。しかし、教室での大規模言語モデルの増加に伴い、ライティングのようなタスクの学習目的が問われています。一部の参加者は、学生がAIツールをクラッチではなく補完として使うことを奨励するメカニズムを探る必要があると指摘しています【11†source】。

生成AIツールは、オンラインコンテンツに基づく損害に関する懸念を引き立てます。偽情報の意図的な作成、保護されたカテゴリに対するアルゴリズムの偏見、個人情報やその他のプライバシー侵害の露出、評判の損害、著作権と商標のリスクなどが含まれます。議論は、テクノロジーの安全な使用を可能にし、損害を軽減するために必要なシステムとプロセス、関係者間の義務と責任の配分、クロスセクターのテクノロジーポリシー作成のメカニズムに焦点を当てて行われました【13†source】。

引用した文献

AI In The Classroom: Pros, Cons And The Role Of EdTech Companies

5 Crucial Challenges Startups Must Overcome

Using Artificial Intelligence in Education: Pros and Cons

3つのwebページの内容に基づいて、教育と生成AIの関連について考察がされています。

生成型AIが教育者と学生の役割をどのように補完または置き換える可能性があるか、AIツールのアクセス不平等が学業成績の格差にどのように影響を与えるか、そしてAIが学生のライティングやその目的にどのように影響を与えるかについて具体的に説明しています。また、生成型AIツールがオンラインコンテンツに基づく損害についての懸念を引き立てるとも指摘しています。

生成型AIの教育への影響についての議論を具体的に引用し、その潜在的な利点とリスクを説明しています。引用については、webページのリンクは示されているものの、出力画面には著者や発行年までは記載されませんでした。

② Scholar AIプラグインを使って「人間と動物の感情表現の類似性」について考察する

もう一つの例として、ChatGPTのScholar AIプラグインを使って「人間と動物の感情表現の類似性」について考察してもらいます。

ChatGPTプラグインについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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入力文:

#命令文
次の#テーマについて文献を元を参照して考察をまとめてください。

#テーマ
人間と動物の感情表現に類似性はあるか

#考察の流れ
*#テーマに応じたキーワードを検索する
*関連度の高い文献をいくつかピックアップする
*文献の内容を基にして考察する

#出力形式
*800字程度の考察
 日本語で記述すること
 文献中の内容を引用する際は""で囲むこと
*参考にした文献
 タイトル、著者、発行年を含めること

GPT-4の出力:

考察

人間と動物の感情表現には類似性が存在するという証拠がいくつかの研究から見つかりました。特に、馬は人間の感情を認識し、それに反応する能力を持つことが示されています。

Nakamuraらの研究[1]では、馬が人間の顔の表情と声の感情的な価値を結びつける「クロスモーダルな認識」を行うことが明らかにされました。具体的には、馬は視覚的な刺激(人間の顔の表情)と聴覚的な刺激(人間の声)の間で感情的な一貫性がある場合とない場合を区別することができました。感情的な一貫性がない場合(つまり、視覚的な刺激と聴覚的な刺激が異なる感情を示す場合)、馬はスピーカー(声の出る方向)をより長く見つめ、より早く反応しました。これは、馬が予想外の感情的な不一致に対して反応し、その情報を処理していることを示しています。

また、この研究では、馬が馴染みのある人間(世話をしている人)と馴染みのない人間(見知らぬ人)の両方からの感情的な情報を認識することが示されました。しかし、馴染みのある人間からの情報の方が、馬の反応により大きな影響を与えることが示唆されました。これは、馬が長い時間を共に過ごす人間との相互作用を通じて、その人間の感情的な表現を学習し、理解する能力を持つことを示しています。

これらの結果は、人間と動物の間で感情表現の類似性が存在することを示しています。特に、馬は人間の感情的な表現を理解し、それに適応する能力を持つことが示されています。これは、人間と動物が共に生活する中で、相互理解とコミュニケーションが進化してきた可能性を示唆しています。

参考文献

[1] Nakamura, K., Takimoto-Inose, A., & Hasegawa, T. (2018). Cross-modal perception of human emotion in domestic horses (Equus caballus). Scientific Reports, 8, 8660. Link

引用した文献

[1] Nakamura, K., Takimoto-Inose, A., & Hasegawa, T. (2018). Cross-modal perception of human emotion in domestic horses (Equus caballus). Scientific Reports, 8, 8660

まず関連する文献を検索し、その中から特に関連性が高い文献を選び出しました。その後、選ばれた文献の全文から考察を行いました。

文献の内容から馬が人間の感情を認識し、それに反応する能力を持つこと、馬が視覚的な刺激と聴覚的な刺激の間で感情的な一貫性を認識できること、そして馬が馴染みのある人間と馴染みのない人間の両方からの感情的な情報を認識するという考察が簡潔でわかりやい文章で記述されています。

引用文献についても、雑誌論文の中から有効なものを選び、プロンプト通りにタイトル・著者・発行年が出力されています。