「ChatGPTを色々な場面で使ってみたい」「ChatGPTで「ウミガメのスープ」のようなクイズを出題してもらえるの?」 そう思う方もいるのではないでしょうか。
実は、ChatGPTを活用することで、水平思考クイズの出題してもらって遊ぶことが可能です。
今回PROMPTYでは、ChatGPTに水平思考クイズを出題してもらうプロンプトと、実際の回答をご紹介します。
ウミガメのスープとは
ウミガメのスープは、推理のゲームの一つであり、出題者が難問を出し、解答者は「はい」「いいえ」「関係なし」の三つの答えから事実を明らかにします。
ウミガメのスープでは、質問を生み出す水平思考や答えを導き出す過程は論理思考といった考える力を養う要素が含まれている為、教育や商業の領域での利用も広がっています。
「ウミガメのスープ」という名称は、次の問題が水平思考クイズの代表例として広く知られているためです。
「ある男性が、海の近くのレストランでウミガメのスープを注文しました。彼はスープを一口飲んだところで、シェフに問いかけました。 『すみません、これはウミガメのスープで合っていますか?』 シェフは『はい、お客様が召し上がったのは間違いなくウミガメのスープですよ』と答えました。 男性は会計を済ませ、家に帰ると自殺してしまいました。」
ChatGPTはウミガメのスープ(水平思考クイズ)を知っているの?
実際にChatGPTにウミガメのスープについて知っているかを質問してみました。
プロンプト:
ウミガメのスープ(水平思考クイズ)を知っていますか?
ChatGPTの回答:
「ウミガメのスープ」という水平思考クイズを知っています。これは、エドワード・デ・ボノが提唱した「水平思考」の練習としてよく使われる問題の一つです。
問題は以下のようになります:
男がレストランに入り、ウミガメのスープを注文する。一口飲んだ後、彼はレストランを出て自殺する。なぜ彼は自殺したのか?
答えは、彼と彼の妻が船の難破事故に遭遇し、彼だけが生き残った。彼は妻を救うために何か食べ物を探しに行き、ウミガメを見つけてスープにしました。しかし、彼がスープを作っている間に、妻は亡くなってしまった。レストランでウミガメのスープを飲んだとき、彼は自分が作ったスープの味とは異なることに気づき、自分が食べ物を探しに行っている間に妻が死んでしまったこと、そして彼が彼女を救うことができたかもしれないという後悔から自殺を選んだのです。
この問題は、情報が不完全であるため、答えにたどり着くためには様々な角度から考える「水平思考」が必要とされます。
良く知られているウミガメのスープとは少しストーリーがずれていますが、ChatGPTは水平思考クイズ自体は知っているようです。
ChatGPTでウミガメのスープを出題してもらう
プロンプト:
#命令文
水平思考クイズをしましょう。あなたが出題者となってください。私が回答します。
問題は次の通りです。
#問題
「ある男性が、海の近くのレストランでウミガメのスープを注文しました。彼はスープを一口飲んだところで、シェフに問いかけました。 『すみません、これはウミガメのスープで合っていますか?』 シェフは『はい、お客様が召し上がったのは間違いなくウミガメのスープですよ』と答えました。 男性は会計を済ませ、家に帰ると自殺してしまいました。」
以下の#手順で進めます。
#手順
1.あなたはこの問題の解答となる物語を考えてください。考えた問題は出力してはいけません。
2.私はこれから質問をするのでその物語に基づいて「はい」または「いいえ」のみで回答してください。
3.2.を何回か繰り返します。
4.私が「答えを教えてください」と入力したら、解答となる物語を教えてください。
GPT-3.5の回答:
了解しました。「水平思考クイズ」を行いますね。問題に対する回答は「はい」または「いいえ」のみでお願いします。それでは、質問を始めます。
男性がウミガメのスープを一口飲んでシェフに問いかける理由は、スープの味や内容に問題があったからでしょうか?
役割が理解できていない回答が返ってきました。数回やってもChatGPTからの質問から始まってしまいます。GPT-3.5ではウミガメのスープについてうまくやりとりできないようです。
GPT-4の回答:
了解しました。物語を考えます。
...
物語を考えました。質問をお待ちしています。#手順2に従い、「はい」または「いいえ」で回答します。
GPT-4では役割を理解して、手順2に進んでくれました。物語を考えたようなので、質問をしていきます。
質問①:
男性はそのレストランでウミガメのスープを注文するのは初めてですか?
回答①
はい。
質問②
男性が自殺したのは、ウミガメのスープの味が関係していますか?
回答②
はい。
質問③
男性とシェフは以前に合ったことがありますか?
回答③
いいえ。
答えを教えてもらいます。
答えを教えてください
答え
了解いたしました。以下が物語の解答です。
ある男性はかつて遭難し、長い間孤独な島で過ごしていました。彼の唯一の友人は、島に住むウミガメでした。2人(1人と1匹)は非常に仲良く、彼の孤独を癒してくれる存在でした。
ある日、彼は救助され、文明社会に戻ることができました。しかし、彼はウミガメの友を島に残してきてしまいました。
救助されてからの日々、彼はウミガメの友を思い出しながら生活していました。ある日、彼は海の近くのレストランでウミガメのスープを見つけ、その味が自分の友だったウミガメの味と似ているかどうか確かめたくなりました。
彼がスープを一口飲んだとき、その味は彼の友だったウミガメの味と同じでした。彼はショックを受け、自分の友を食べてしまったという罪悪感から、家に帰って自殺してしまいました。
この物語は、人々がどれだけ動物や自然との絆を大切に思っているか、そしてその絆がどれだけ強いかを示しています。
よく知られているウミガメのスープの答えとは大きく異なりますが、「男性がウミガメのスープを飲んだこと」と「男性が自殺したこと」をつなぐストーリーを考えてくれました。
疑問に思った点を質問してみます。
答えの文章に対して質問します。
なぜ男性は自分の友だったウミガメの味を知っているのですか?
ChatGPTの回答
申し訳ございません、その部分は物語の矛盾点となってしまいます。正確には、彼がウミガメのスープを飲んだとき、彼は自分の友だったウミガメを思い出し、そのウミガメが捕獲されてスープにされる可能性があると感じたのです。実際に彼の友だったウミガメの味を知るわけではありませんが、その罪悪感とショックから自殺してしまったというのが正しい解答です。
おっしゃる通り、私の回答は不正確でした。お気づきいただき、ありがとうございます。
物語の内容を変えてしまいました。回答の質には疑問が残りますが、GPT-4では水平思考クイズのやりとりとしてはきちんと成立しました。
ChatGPTにオリジナルの水平思考クイズを出題してもらう
次に、ChatGPTにオリジナルの水平思考クイズを出題してもらってやりとりをしてみます。ウミガメのスープの例を交えつつ、制約条件を指定して物語を作ってもらいます。
プロンプト:
#命令文
水平思考クイズをしましょう。あなたが出題者となってください。私が回答します。
以下の#手順で進めます。
#手順
1.あなたは#制約条件に従った問題と、それに対応する答えを考えてください。問題のみ出力し、解答は出力してはいけません。
2.私はこれから質問をするので、その物語に基づいて「はい」または「いいえ」のみで回答してください。
3.2.を何回か繰り返します。
4.私が「答えを教えてください」と入力したら、解答となる物語を教えてください。
#制約条件
*問題文は100字程度で作成すること
*起承転結がはっきりした物語を作成すること
*一般的な視点から見て「奇妙」と思われる物語とすること
*#例題を参考にして物語を考えること
*登場人物や情景が思い浮かぶ内容にすること
*日本語で出力すること
#例題
「ある男性が、海の近くのレストランでウミガメのスープを注文しました。彼はスープを一口飲んだところで、シェフに問いかけました。 『すみません、これはウミガメのスープで合っていますか?』 シェフは『はい、お客様が召し上がったのは間違いなくウミガメのスープですよ』と答えました。 男性は会計を済ませ、家に帰ると自殺してしまいました。」
ChatGPTの回答(GPT-4):
問題: 晴れた日、山田は町の中心にある広場でジャグリングをしていました。多くの人々が彼のパフォーマンスを楽しみに集まってきました。途中で、彼は特定のボールを手に取り、空高く投げました。しかし、その後山田は慌てて広場を後にし、以降彼を町で見かけることはなくなりました。なぜ山田は急に広場を去ったのでしょうか?
プロンプトで指示した制約条件や例題に基づいて、水平思考クイズを出力しました。内容としては、ありきたりな導入から始まり、意外な結末を持つ物語を作成するという要求に従って、適切な問題文が出題されたといえるでしょう。
ここから質問をしていきます。
質問①
空高く投げなければ、山田は去っていませんでしたか?
回答①
はい。
質問②
ボールの種類が関係していますか?
回答②
はい。
質問③
山田は今もそのボールを持っていますか?
回答③
いいえ。
答えを教えてもらいます。
答えを教えてください。
答え
解答:
実は、山田が空高く投げたそのボールは、彼が以前に盗んでしまった貴重な宝石を仕込んだ特製のボールでした。ジャグリングをしている最中に、その事を思い出し、誤って宝石が仕込まれているボールを使ってしまいました。ボールを空高く投げた瞬間、中の宝石が外に出てしまうリスクを感じ、慌てて逃げ出してしまったのです。そして、山田は町を去り、二度と姿を現さなくなりました。
解答は少し強引な展開になっている印象も受けますが、ChatGPTに制約条件をもとに問題文を作成するよう依頼し、出力された問題文に対して質問を行い、最後に正解を尋ねるという流れで水平思考クイズを行うことができました。
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まとめ
今回PROMPTYでは、ChatGPTを使った水平思考クイズの出題方法を紹介しました。
ウミガメのスープを問題文としてChatGPTとやりとりする場合や、ChatGPTにオリジナルの問題を出題してもらってやりとりすることも可能です。
今回の例を参考に、皆さんもChatGPTを活用してウミガメのスープ(水平思考クイズ)で遊んでみてはいかがでしょうか。