【プロンプト解説】ChatGPTを使ってセキュリティ対策を強化する

「システムのセキュリティ対策に不安がある…」「ChatGPTでセキュリティ対策のアイデアを得ることはできるの?」 そう思う方もいるのではないでしょうか。

実は、ChatGPTを利用すれば、セキュリティ対策に関する情報やアイデアを得ることができます。

今回PROMPTYでは、ChatGPTを用いてセキュリティ対策を強化するための情報を得る方法を例文を使ってご紹介します。

プロンプト

プロンプトテンプレ:

#命令文
あなたは企業の情報セキュリティマネージャーです。
#制約条件に従ってセキュリティ対策強化の具体案を提示してください。

#制約条件
*#出力形式に従うこと
*#現在のセキュリティ情報に基づいて案を提示すること
*#現在の問題を解決するための具体案を提示すること
*簡潔でわかりやい文章を出力すること

#現在のセキュリティ情報
*ビジネスのタイプや業界:
 {ビジネスタイプを入力}
 {業界を入力}
*現在利用している技術スタックやソフトウェア:
 {サーバーを入力}
 {データベースを入力}
 {バックエンドを入力}
 {フロントエンドを入力}
*バジェットや利用可能なリソース:
 {セキュリティバジェットを入力}
 {利用可能なリソースを入力}
 
#現在の問題
 {自由記述}

#出力形式
*現状のセキュリティ問題の評価
*対策策定のための潜在的な技術的解決策
*各解決策の長所と短所
*推奨される対策とその実装方法

実際のChatGPTへの入力例

① ChatGPTデフォルトモデルでセキュリティ対策案を考える

例として、デジタルヘルスケアプラットフォームにおける「不正ログイン試行の増加」という問題に対する対策案をChatGPTに作成してもらいます。

〇技術スタックやソフトウェア:
サーバー: Amazon Web Services (AWS)
データベース: MySQL
バックエンド: Python (Django)
フロントエンド: JavaScript (React)

〇バジェットや利用可能なリソース:
年間セキュリティバジェット: $50,000
利用可能なリソース: 内部ITチーム(5人)、外部セキュリティコンサルタント

今回は、ChatGPTのGPT-4のデフォルトモデルを使用しました。

入力文:

#命令文
あなたは企業の情報セキュリティマネージャーです。
#制約条件に従ってセキュリティ対策強化の具体案を提示してください。

#制約条件
*#出力形式に従うこと
*#現在のセキュリティ情報に基づいて案を提示すること
*#現在の問題を解決するための具体案を提示すること
*簡潔でわかりやい文章を出力すること

#現在のセキュリティ情報
*ビジネスのタイプや業界:
 ビジネスタイプ:デジタルヘルスケアプラットフォーム
 業界:ヘルスケア&テクノロジー
*現在利用している技術スタックやソフトウェア:
 サーバー: Amazon Web Services (AWS)
 データベース: MySQL
 バックエンド: Python (Django)
 フロントエンド: JavaScript (React)
*バジェットや利用可能なリソース:
 年間セキュリティバジェット: $50,000
 利用可能なリソース: 内部ITチーム(5人)、外部セキュリティコンサルタント
 
#現在の問題
不正ログイン試行が増えてきた

#出力形式
*現状のセキュリティ問題の評価
*対策策定のための潜在的な技術的解決策
*各解決策の長所と短所
*推奨される対策とその実装方法

GPT-4の出力:

#現状のセキュリティ問題の評価
ヘルスケア&テクノロジー業界では、個人情報や患者の健康情報などの重要なデータが集まります。不正ログインの試行が増えているという現状は非常に深刻で、情報漏えいにつながる可能性があります。セキュリティ対策が急務です。

#対策策定のための潜在的な技術的解決策
1.二要素認証(2FA)の導入:ユーザーのIDとパスワードだけでなく、携帯電話へのコード送信や生体認証など、第二の認証手段を導入します。
2.IPアドレスのフィルタリング:不審な地域やIPからのアクセスを制限します。
3.AIによる不正検出:機械学習を用いて不正ログインを検出し、ブロックします。

#各解決策の長所と短所
1.二要素認証(2FA)
 ・長所:セキュリティが大幅に強化され、不正ログインが大幅に減少します。
 ・短所:ユーザー体験が若干下がる可能性があります。設定や管理が手間になる場合があります。
2.IPアドレスのフィルタリング
 ・長所:特定の不正ログインを効果的に防げます。
 ・短所:VPNを使用するユーザーや正当な理由で海外からアクセスするユーザーを誤ってブロックする可能性があります。
3.AIによる不正検出
 ・長所:機械学習モデルが異常なパターンを学習すると、新たな不正ログインも検出できます。
 ・短所:高度なAIの導入と管理には技術力とコストが必要です。
#推奨される対策とその実装方法
現在のバジェットとリソースを考慮すると、二要素認証(2FA)とIPアドレスのフィルタリングの導入を推奨します。これらは相対的に低コストで、セキュリティを大幅に向上させる効果があります。
 ・2FAの導入:認証サービスのプロバイダー(例:Google Authenticator, Duo Security)と契約し、   Djangoに統合します。ITチームがユーザーに対する教育を行い、使い方を説明します。
IPアドレスフィルタリング:AWSのセキュリティグループ設定を利用して特定のIPアドレスからのアクセスを制限します。ただし、この制限は柔軟性を保ちつつ適切に管理する必要があります。

以上の措置により、不正ログインの試行を大幅に減らすことが期待できます。

出力形式に従い、「現状のセキュリティ問題の評価」、「対策策定のための潜在的な技術的解決策」、「各解決策の長所と短所」、「推奨される対策とその実装方法」の4つのセクションに分けられ、それぞれのセクションが詳細に盛り込まれています。

現状評価では、不正ログインの問題を認識し、その重大性が強調されています。解決策の提案では、「二要素認証(2FA)の導入」、「IPアドレスのフィルタリング」、「AIによる不正検出」の3つの可能性が挙げてくれました。それぞれの長所と短所が評価され、最終的に2FAとIPアドレスフィルタリングが推奨され、その実装方法についても具体的な提案がされていると思います。提案された対策は技術的に実現可能であり、また予算やリソースを考慮した内容と言えます。

このように、ChatGPTに適切なプロンプトを入力することで、現在の技術状況や問題に基づいた評価とセキュリティ対策案を得ることができます。

② Show Me Diagramsプラグインを活用してセキュリティ対策案を図示する

もう一つの例として、テレヘルス(遠隔医療)プラットフォームにおける「ランサムウェア攻撃によるシステムダウン」の問題を対策する方法をChatGPTに作成してもらいます。

〇技術スタックやソフトウェア
サーバー: Google Cloud Platform (GCP)
データベース: PostgreSQL
バックエンド: Java (Spring Boot)
フロントエンド: Angular.js

〇バジェットや利用可能なリソース
年間セキュリティバジェット:$100,000
利用可能なリソース:内部ITチーム(7人)、外部セキュリティコンサルタント、クラウドセキュリテ ィ専門家

今回は、ChatGPTのShow Me Diagramsプラグインを使用しました。

プラグインについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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入力文:

#命令文
あなたは企業の情報セキュリティマネージャーです。
#制約条件に従ってセキュリティ対策強化の具体案を提示してください。

#制約条件
*#出力形式に従うこと
*#現在のセキュリティ情報に基づいて案を提示すること
*#現在の問題を解決するための具体案を提示すること
*簡潔でわかりやい文章を出力すること
*Show Meプラグインを使ってセキュリティ対策方法を図解すること

*ビジネスのタイプや業界:
 ビジネスタイプ:テレヘルス(遠隔医療)プラットフォーム
 業界:ヘルスケア&テクノロジー

*現在利用している技術スタックやソフトウェア:
 サーバー: Google Cloud Platform (GCP)
 データベース: PostgreSQL
 バックエンド: Java (Spring Boot)
 フロントエンド: Angular.js

*バジェットや利用可能なリソース:
 年間セキュリティバジェット: $100,000
 利用可能なリソース: 内部ITチーム(7人)、外部セキュリティコンサルタント、クラウドセキュリティ専門家

#現在の問題
 ランサムウェア攻撃により一時的にシステムがダウンし、復旧作業に時間とコストがかかった

#出力形式
*現状のセキュリティ問題の評価
*対策策定のための潜在的な技術的解決策
*各解決策の長所と短所
*推奨される対策とその実装方法

GPT-4の出力:

現状のセキュリティ問題の評価
テレヘルスプラットフォームは、患者の個人情報や医療情報を扱うため、セキュリティは非常に重要です。現在、ランサムウェア攻撃によりシステムがダウンし、復旧に時間とコストがかかっています。これは、システムの脆弱性が攻撃者に利用された結果であり、セキュリティ対策の強化が必要です。

対策策定のための潜在的な技術的解決策
1.エンドポイント保護ソリューションの導入: ランサムウェア攻撃を防ぐためには、エンドポイント保護ソリューションが有効です。これにより、不正なアクセスやマルウェアの侵入を防ぐことができます。
2.定期的なセキュリティアップデートとパッチ管理: ソフトウェアの脆弱性は、攻撃者がシステムに侵入するための一般的な手段です。定期的なセキュリティアップデートとパッチの適用により、これらの脆弱性を解消できます。
3.セキュリティトレーニング: 従業員がセキュリティについての知識を持つことは、セキュリティ対策を強化するために重要です。定期的なセキュリティトレーニングを行うことで、従業員がセキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることができます。
4.バックアップとディザスタリカバリプラン: ランサムウェア攻撃から迅速に回復するためには、定期的なバックアップとディザスタリカバリプランが必要です。

各解決策の長所と短所
1.エンドポイント保護ソリューションの導入
 ・長所: マルウェアや不正なアクセスを防ぐことができます。
 ・短所: 導入と管理にコストがかかります。
2.定期的なセキュリティアップデートとパッチ管理
 ・長所: ソフトウェアの脆弱性を解消し、システムのセキュリティを強化できます。
 ・短所: 更新作業は時間とリソースを必要とします。
3.セキュリティトレーニング
 ・長所: 従業員がセキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることができます。
 ・短所: トレーニングには時間とコストがかかります。
4.バックアップとディザスタリカバリプラン
 ・長所: データの損失を防ぎ、システムのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
 ・短所: バックアップと復旧のプロセスは、リソースと時間を必要とします。

推奨される対策とその実装方法
上記の解決策を踏まえ、以下の対策を推奨します。
1.エンドポイント保護ソリューションの導入: 高品質のエンドポイント保護ソリューションを導入し、定期的に更新します。
2.定期的なセキュリティアップデートとパッチ管理: ITチームに、定期的なセキュリティアップデートとパッチの適用を行うよう指示します。
3.セキュリティトレーニング: 全従業員を対象に、セキュリティトレーニングを定期的に行います。
4.バックアップとディザスタリカバリプラン: データの定期的なバックアップを行い、ディザスタリカバリプランを策定します。

これらの対策を図解するために、Show Meプラグインを使用します。具体的なセキュリティ強化のフローチャートを作成します。

例①と同様に、現状のセキュリティ問題を評価し、推奨される対策とその実装方法を提案してくれました。さらに、これらの対策を図解するためにShow Me Diagramプラグインを使用し、具体的なセキュリティ強化のフローチャートが作成されました。

出力された図は、推奨されるセキュリティ対策のフローチャートで、指定したビジネス環境と技術スタックを考慮に入れた上で、具体的なセキュリティ対策の流れを視覚的に表現されています。

このように、Show Me Diagramを用いて情報を視覚的に表現することで、セキュリティ対策の構図を理解しやすくなります。