Stable Diffusionで画像生成を行う際に、特定のキャラクターを何度でも再現したいと考えたことはありませんか?
Stable Diffusionで思い通りの画像を生成するためには、Seed(シード)値の理解と活用が求められます。
今回PROMPTYでは、Seed値による同一キャラクターの生成方法について解説します。
Stable Diffusion WebUIの利用方法を知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
「Stable Diffusionを使用したいが、どのように始めれば良いのだろう...」「低スペックPCでもStable Diffusionを使用できるの?...」 そう思う方もいるのではないでしょうか。 実は、高性能なPCを持っ[…]
Seed値とは?
画像生成モデルでは、Seed値という制御要素が使用されます。これは乱数を生み出す生成アルゴリズムに入力されます。同じアルゴリズムでも、Seed値の違いにより生成画像は変わります。
Stable Diffusionについても、同じプロンプト(呪文)を入力してもSeed値が違えば生成されるイラストは異なります。しかし、Seed値を手動で固定すれば、同じ絵を生成することも可能です。
このSeed値を固定すると、同じプロンプトで絵の内容が一定になり、それにより調整したプロンプトの影響度を評価することが可能となります。
Stable Diffusion WebUIでは、設定画面から”Seed”の値(赤枠部分)を入力することで、Seed値を指定できます。
デフォルトではSeedは”-1″となっており、ランダムな画像が生成されます。
Seed値を固定して同じキャラクターを生成する
今回の記事では、こちらのプロンプトで作成した画像のSeed値を固定して、表情・服装・ポーズを変更してみます。
プロンプト:
masterpiece,high quality,extremely detailed face,1 girl,full body,standing,brown long hair,smile,black dress,red eyes,street,wallpaper
ネガティブプロンプト:
flat color, flat shading, nsfw,(worst quality, low quality:1.4), interlocked fingers, (zombie, sketch, comic)
Seed:653230492
Sampling method:DPM++SDE Karras
Sampling steps:20
Width:512
Height:512
Batch count:1
Batch size:1
CFG Scale:7
Script:None
生成された画像:
黒色で長い髪とまとまった前髪、赤い目が特徴的なキャラクターが生成されました。
① 表情を変える
Seed値を”653230492″に固定して表情を変更します。
先ほどのプロンプトの”Smile”の単語を”angry”, “sad”, “surprised”, “embarrassed”に変更して画像を生成します。
表情の指定方法に関して知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Stable Diffusionでは適切なプロンプトを組み込むことで思い通りの画像を生成することができます。今回は驚いた女性の画像を生成していきます。 今回は下記のプロンプトをもとに、モデルや表情を変更して驚いた表情の女性を生成して[…]
Stable Diffusionでは適切なプロンプトを組み込むことで思い通りの画像を生成することができます。今回は怒った女性の画像を生成していきます。 今回PROMPTYでは下記のプロンプトをもとに、モデル、表情を変更してさまざまな[…]
Stable Diffusionでは適切なプロンプトを組み込むことで思い通りの画像を生成することができます。今回は照れた女性の画像を生成していきます。 今回は下記のプロンプトをもとに、モデル、表情を変更してさまざまな照れ顔女性を生成[…]
生成した画像:
背景や服装に少し変化が生じましたが、Seed値を固定することで同じキャラクターで違う表情の画像を生成できました。
② 服装を変える
Seed値を”653230492″に固定してキャラクターの服装を変更します。
プロンプトの”Smile”の単語を”school uniform”, “gym uniform”, “coat”, “t-shirt”に変更して画像を生成します。
服装の指定方法に関して知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Stable Diffusionでは画像を生成する際に、適切なプロンプトを入力することで、人物が着用している服装を指定することができます。 今回は、「Counterfeit-V2.5」を使用して、様々な服装を指定するためのプロンプト[…]
生成した画像:
Seed値を固定することで同じキャラクターで違う服装の画像を生成できました。
③ ポーズを変える
Seed値を”653230492″に固定してキャラクターの服装を変更します。
プロンプトの”Smile”の単語を”sitting”, “jumping”, “saulte”, “singing”に変更して画像を生成します。
服装や背景は変わってしまいましたが、Seed値を固定することで同じキャラクターでポーズの画像を生成できました。
連続したSeed値で類似した画像を生成する
Stable Diffusionでは、特定のSeed値を設定して連続的にイラストを生成できます。その際、Seed値が1だけ変わった新しい画像が作られます。そして、Seed値が近い場合、生成されるイラストは類似する特性があります。
連続で画像を生成する際は、”Bathc count”と”Batch size”の値を決めることで枚数を指定できます。
Seed値を”653230492″から連続で6枚の画像を生成した結果:
元の画像と類似した画像を生成することができました。この特性を用いると、Seed値をほぼ固定した状態で好きなイラストを選び出すことが可能になります。
まとめ
今回PROMPTYでは、Stable DiffusionのSeed値とその活用法を詳細に解説しました。
Seed値を固定することで、同じキャラクターで表情・服装・ポーズなどを独立して変更した画像を生成することができます。また、Seed値を設定して画像を連続生成することで、類似した画像から気に入った画像を選ぶことができます。
今回の例を参考に、皆さまも自身の好みのキャラクターを再生成し、Stable Diffusionの可能性をより深く探求してみてはいかがでしょうか。
~Stable Diffusionで素早く画像生成するには~
Stable Diffusionの画像生成スピードや画像サイズは、グラフィックボード(GPU)の性能によって大きく変わります。
このため、より効率的かつ快適な画像生成を望むユーザーにとって、最適なグラフィックボードの選択が重要となります。
推論処理やLoRAなどの追加学習処理といった大量の計算を効率よく行うためには、12GB以上のVRAMを持つグラフィックボードを選ぶことを強くおすすめします。
2GBや4GBのVRAMを持つグラフィックボードでは、学習プロセスや高解像度の画像生成に支障が出る可能性が高いです。
コスパを重視する方は、RTX 3060を選ぶと良いでしょう。
このグラフィックボードを使えば、Stable Diffusionの画像生成機能を最大限に活用することが可能となります。