【プロンプト文法基礎】プロンプトの4つの要素とは

プロンプトの構成要素

プロンプトエンジニアリングの過程で、以下の4つの要素がプロンプトの構成に影響を与えることがわかります。

  1. 命令 – 実行してほしい特定のタスクに関する命令
  2. 文脈 – 生成AIの応答は文脈に応じて返答される
  3. 入力データ – 正確な応答を行うために必要なデータ
  4. 出力指示 – 出力の形式を指定します。

これらのコンポーネントは全て必須ではなく、その構成はタスクによって異なります。

1. 命令

モデルに対して達成したいことを定義して「命令」を行うことにより効果的な返答を得ることができます。

命令の例には以下のようなものがあります。

  • 書く
  • 分類する
  • 要約する
  • 翻訳する
  • 並べ替える
  • 表に表す

特定のタスクに対して最適な結果を出力するには、様々なキーワード、背景、データを活用して、適切なプロンプトを作成することが必要です。

タスクに関連する背景情報が詳細であればあるほど、より良い結果が得られることが一般的です。

指示文はプロンプトの冒頭に置くことが望ましく、「#」や「<>」、「###」などの明確な区切り記号を使って、指示と背景情報を分けることが効果的です。

入力文:

#命令書
以下の#例文 から続く文章を300文字以内で考えてください。#例文 の文章も含めて出力するようにしてください。

#例文
こんにちは。お元気ですか。

出力文:

#例文
こんにちは。お元気ですか。私は最近、新しい趣味を見つけました。それは、陶芸です。陶芸は土を使って美しい作品を作るアートです。最初は難しいと感じましたが、徐々に上達しているように思います。週末には、友達と一緒に陶芸教室に通っています。教室では、先生から丁寧に指導を受けることができ、素晴らしい仲間たちとも出会いました。陶芸を通じて、新しい友達ができたり、ストレス解消にもなっています。また、自分の作品を飾ることで、部屋のインテリアも楽しむことができます。皆さんも新しい趣味を見つけて、日常生活に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。

2. 文脈

プロンプトエンジニアリングにおいて「文脈」は重要な役割を果たしており、適切な文脈を考慮することで、より精度の高い結果を得ることができます。

ChatGPTをはじめとした言語モデルは、文章の構造や単語の意味に基づいて適切な文脈を生成します。これにより、モデルは文脈に基づいて適切な応答や情報を提供できるようになります。

文脈を正確に把握することは、高品質な結果を生み出す上で不可欠な要素と言うことができます。

以下の例は、文書作成において文脈に沿って出力を行っている例です。

入力:

#命令文
以下の#テーマ に沿って150文字程度の物語を作成してください。

#テーマ
泣き虫太郎とライオンの愉快な冒険

出力:

泣き虫太郎はいつも泣いてばかり。ある日、不思議な森でライオンと出会い、友達になる。二人は愉快な冒険を始め、ワクワクの世界を探検する。次第に太郎は勇気を持ち始め、泣かなくなる。最後の試練で、太郎はライオンを助け、立派な勇者に成長。二人は永遠の友情を誓い、冒険を続ける。

入力:

上記の内容を子どもでもわかるように「ひらがな」で書き直して下さい。

出力:

なきむし たろうは いつも ないてばかり。あるひ、ふしぎな もりで らいおんと であい、ともだちに なる。ふたりは ゆかいな ぼうけんを はじめ、わくわくの せかいを たんけんする。しだいに たろうは ゆうきを もちはじめ、なかなくなる。さいごの しれんで、たろうは らいおんを たすけ、りっぱな ゆうしゃに せいちょう。ふたりは えいえんの ゆうじょうを ちかい、ぼうけんを つづける。

上記の通り、文脈に沿って出力を行っていることが分かります。

3. 入力データ

プロンプトエンジニアリングにおいて、入力データはAIの応答品質に大きな影響を与えます。入力データとは、命令文に対して補足で必要な情報のことで、これを適切に設定することで、AIはより正確な回答を生成できます。

例えば、「箇条書きを要約してください。」というプロンプトに対して、具体的な情報が与えられることで、AIはその情報を元に適切な要約を行います。

入力文:

#命令文
以下の#箇条書き を要約して文章にしてください。

#箇条書き
・私の名前は「田中 太郎」
・私の趣味はギターとスノーボード
・出身大学は〇〇大学
・仕事はエンジニア
・出身は東京都世田谷区
・毎朝8時に起きる

出力文:

私の名前は田中太郎です。趣味はギターとスノーボードで、〇〇大学出身です。職業はエンジニアで、東京都世田谷区出身です。私は毎朝8時に起きることが習慣です。

入力データを明確に提示することで、AIは文脈を理解しやすくなり、ユーザーが求める応答に近い結果を提供できます。適切な入力データを用いることで、AIとのコミュニケーションが円滑になり、多様なシチュエーションでの利用が可能となります。

4. 出力指示

出力指示を工夫することで、応答の品質を向上させることが可能です。具体的には、質問の明確化、必要な情報を含めること、制約や文脈を設定することが重要です。

質問を明確にすることで、AIは正確な情報を提供しやすくなります。また、必要な情報を含めることで、回答が目的に沿ったものになります。制約を設定することで、出力が適切な範囲内に収まるようになり、文脈を与えることで、回答がより適切な形で得られます。

入力文:

###命令文
以下の###テーマ に沿って150文字程度の物語を作成してください。

###テーマ
泣き虫太郎とライオンの愉快な冒険を物語にしたい。
泣き虫太郎の心情の変化を詳細に表現したい。

###出力形式
【タイトル】

【本文】

出力文:

【タイトル】

泣き虫太郎とライオンの友情物語

【本文】

泣き虫太郎は、森でライオンと出会った。最初は怖くて泣いていたが、ライオンは意外と優しかった。共に冒険しながら、太郎の勇気が少しずつ芽生えた。泣かない太郎を見たライオンは、誇らしげに笑った。