【noteの深津さん考案】ChatGPTの「深津式プロンプト・システム」を解説!

ChatGPTに入力するプロンプトのフレームワークの一つに、noteのCXOである深津貴之さんによって考案された「深津式プロンプト・システム」があります。

今回PROMPTYでは、ChatGPTの「深津式プロンプト・システム」とは何か、「深津式プロンプト・システム」のポイント、「深津式プロンプト・システム②」とは何か、「深津式プロンプト・システム」の活用事例について解説します。

参考動画:note、「あなたの仕事が劇的に変わる!? ChatGPT使いこなし最前線」

ChatGPTの「深津式プロンプト・システム」とは

「深津式プロンプト・システム」は、noteのCXOである深津貴之さんによって考案されたフレームワークで、AI(特にChatGPT)への指示を明確にすることを目的としています。

このシステムでは、AIの役割、入力から出力への変換プロセス、出力の目標、マークアップ言語を用いた区別、明確な命令の箇条書き、そして出力をコントロールするための制約条件が明示されます。

これにより、AIは期待されるタスクをより正確に理解し、適切な出力を生成することが可能になります。

深津式プロンプト・システム

# 命令書:
あなたは{プロの編集者}です。
以下の制約条件と入力文をもとに{最高の要約}を出力してください。

# 制約条件:
•文字数は300文字程度。
•小学生にもわかりやすく。
•重要なキーワードを取り残さない。
•文章を簡潔に。

# 入力文:
{入力文章}

# 出力文:

「深津式プロンプト・システム」の6つのポイント

「深津式プロンプト・システム」のポイントとして下記の6つが挙げられます。

①ChatGPTの役割を明確にする
②入力文から出力文を作ることを明確にする
③何を出力するのか明確にする
④マークアップ言語を用いて、本文ではない箇所を明確にする
⑤命令を箇条書きで明確にする
⑥条件を追加することでChatGPTからの出力をコントロールする

これらをしっかりと理解することで、深津式プロンプト・システムを使いこなせるだけでなく、このシステムを応用して、よりよいプロンプト自分自身で考えることが出来るようになります。

①ChatGPTの役割を明確にする

深津式プロンプト・システムでは、ChatGPTの役割が「プロの編集者」であることが明示されています。

これにより、ChatGPTは専門的な編集者の視点からテキストを処理するという役割を理解し、その視点で最適な出力を生成します。

この役割指定は、ChatGPTがどのような視点やスキルを持つべきかを明確にし、その結果、より具体的で適切な応答を促します。

②入力文から出力文を作ることを明確にする

深津式プロンプト・システムは、入力文から出力文を作成するプロセスを明確にします。

これは、ChatGPTに対して、与えられた入力文をどのように処理し、それをどのように出力文に変換するかを示します。

この明確な指示は、ChatGPTが期待されるタスクを理解し、その結果を適切に生成するのに役立ちます。

③何を出力するのか明確にする

深津式プロンプト・システムでは、「最高の要約」を出力することがChatGPTに求められています。

これは、ChatGPTが生成するべき具体的な結果を示しています。

この明確な指示は、ChatGPTが目指すべき結果を理解し、その目標に向けて適切な出力を生成するのに役立ちます。

④マークアップ言語を用いて、本文ではない箇所を明確にする

深津式プロンプト・システムでは、マークアップ言語(ここでは#)を使用して、本文ではない箇所(命令書、制約条件、入力文、出力文など)を明確に区別しています。

これにより、ChatGPTはどの部分が指示や条件であり、どの部分が自身が処理すべきテキストであるかを明確に理解できます。

マークアップ言語を用いることで、プロンプトの構造が明確になり、ChatGPTが期待されるタスクをより正確に理解し、適切な出力を生成するのに役立ちます。

⑤命令を箇条書きで明確にする

深津式プロンプト・システムでは、制約条件は箇条書きで明確に示されています。

これにより、ChatGPTは各条件を個別に理解し、それぞれを満たすように出力を生成することが可能になります。

⑥条件を追加することでChatGPTからの出力をコントロールする

制約条件を追加することで、ChatGPTの出力をより具体的にコントロールします。

例えば、文字数制限や読み手の理解度など、特定の条件を満たすように出力を調整することが可能になります。

これにより、ChatGPTはより具体的な要求に対応し、適切な出力を生成することが可能になります。

深津式プロンプト・システム②とは

深津式プロンプト・システムにはもう一つのフレームワークがあり、それが「深津式プロンプト・システム②」です。

深津式プロンプトシステム②は、ChatGPTに対するプロンプトの最後に、

「このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。」

と付け加えることで、ChatGPTが最適な結果を出すために必要な追加情報を質問してくれるというフレームワークです。

ChatGPTがタスクを完遂するために必要な情報が不足している場合、自動的にその情報を要求するよう促します。

深津式プロンプトシステム②

このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。

深津式プロンプト・システムの活用事例

ここでは、深津式プロンプト・システムの活用事例として下記の6つを紹介します。

①SEO記事の作成
②キャッチコピーの作成
③小説の作成
④マーケティング戦略の立案
⑤プレゼンの構成案の作成
⑥競合調査

これから紹介していくプロンプトの中には、上記で紹介した深津式プロンプト・システムを応用した形のプロンプトがあります。

プロンプトの形式に完全な正解はないので、深津式プロンプト・システムについてしっかりと理解したうえで、自分なりにChatGPTに適切な回答を出力させるようなプロンプトを考えていくとよいでしょう。

①SEO記事の作成

まずは、「キーワードを入力すれば、SEO記事が簡単に作成できる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令文
これから以下の#キーワード についてのSEOに強い記事の執筆を行います。
記事執筆の順番は以下の#記事執筆の流れ の通りです。
必ず#制約条件 に従いながら執筆を行い、#出力形式① の通りに出力を行うようにしてください。

#キーワード
「{キーワードを埋める}」

#記事執筆の流れ
・①#キーワード に基づいた記事の大見出し(h2)の案を出す。
・②①で作成した見出しに対して中見出し(h3)、子見出し(h4)の案を出す。
・③各見出しに対してテキストの内容を作成する。

#制約条件
・必ず#出力形式①、#出力形式②、#出力形式③、の順番で段階的に出力を行う。
・必ず出力は#出力形式①、#出力形式②、#出力形式③ で指定した形式に従う。
・出力形式①では、まず#記事執筆の流れ①#キーワード に基づいた記事の大見出し(h2)の案を出す。の通り、大見出しのアイデアを出して、形式通りの出力を行う。
・出力形式②では、#記事執筆の流れ②①で作成した見出しに対して中見出し(h3)、子見出し(h4)の案を出す。の通り、中見出し、小見出しのアイデアを出して、形式通りの出力を行う。
・出力形式③では、#記事執筆の流れ③各見出しに対してテキストの内容を作成する。の通り、それぞれのテキストの内容を考え、形式通りの出力を行う。

#出力形式①
[h2はSEO対策の観点を踏まえ、KWに応じて必要な分だけ追加する]
h2 [見出し名]
h2 [見出し名]
…

#出力形式②
[h3, h4はSEO対策の観点を踏まえ、KWに応じて必要な分だけ追加する。必ずしもh4が必要であるとは限らない。]
h2 [見出し名]
 h3 [見出し名]
  h4 [見出し名]
…

#出力形式③
[各見出しの配下に書くテキストは必ず250文字以上350文字以内に納める。]
h2 [見出し名]
[テキスト]
 h3 [見出し名]
[テキスト]
  h4 [見出し名]
[テキスト]
…

例:「SEOとは」についてのSEO記事作成

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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②キャッチコピーの作成

次に、「商品名や商品の特徴を入力すれば、商品のキャッチコピーを作成してくれる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令書
あなたはプロのコピーライターになり、商品の特徴を踏まえた上で下記の制約条件に当てはまるキャッチコピーを{必要な個数}個考えてください。

#商品名
{商品名を入力}

#商品の特徴
{商品の特徴を入力}

#伝えたいこと
{伝えたいことを入力}

#ターゲット
{ターゲットを入力}

#制約条件
・15文字以内。
・必ずしも商品名をキャッチコピーに使う必要はない。
・商品の特徴からターゲットに関連性の高い要素を抽出してキャッチコピーに用いる。
・伝えたい事を効果的に表現するものになっている。
・暗喩などの文学的な表現を用いている。
・珍しい、単語の組み合わせを用いている。
・単語数や句読点の数は出力の度に変動する。

例:「疲労効果回復がコンセプトの商品」のキャッチコピー作成

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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③小説の作成

次に、「登場人物や小説のジャンル、舞台設定を入力すれば、小説を作成してくれる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令文
あなたは小説家です。以下の#入力文をもとに、小説を執筆してください。

#入力文
・登場人物①
名前:{自由記述/おまかせ}
性別:{自由記述/おまかせ}
性格:{自由記述/おまかせ}

・登場人物②
名前:{自由記述/おまかせ}
性別:{自由記述/おまかせ}
性格:{自由記述/おまかせ}

・登場人物③
名前:{自由記述/おまかせ}
性別:{自由記述/おまかせ}
性格:{自由記述/おまかせ}

・小説のジャンル:{自由記述/おまかせ}

・舞台設定:{自由記述/おまかせ}

#出力形式
【登場人物①】
[名前]:
[性別]:
[性格]:

【登場人物②】
[名前]:
[性別]:
[性格]:

【登場人物③】
[名前]:
[性別]:
[性格]:

【小説のジャンル】:

【舞台設定】:

【本文】:

例:恋愛小説の執筆

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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④マーケティング戦略の立案

次に、「ビジネスの内容を入力すれば、4P分析(戦略設計のフレームワーク)を行ってくれる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令書
あなたは戦略設計のプロフェショナルです。
以下の#制約条件と#出力形式に従って、以下の#ビジネスに関してマーケティング戦略の立案を行ってください。

#制約条件
・#ビジネス についての「4P分析」に基づいて考察を行う。
・分析は必ず客観的で分かりやすく、説明の過不足が無いようにしてください。
・分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)それぞれについて分析を行ってください。
・分析は必ず各要素の概要とその詳細な分析をセットで掲載する。
・分析結果をもとに総評を考えてください。実際に最初に行うべきは施策は何かなどできるだけ実践的な内容が好ましいです。
・出力は#出力形式に基づいて行ってください。

#ビジネス
「{埋める}」

#出力形式
【4P分析】→表形式で、以下のような構成。
1行目: 項目名→4つの要素全てを紹介
2行目: 1行目の項目の概要
3行目: 項目名に対する分析→#制約条件 に従って分析を行ってください
【総評】→上記の4P分析を踏まえて#制約条件 を忠実に守りながら総評を行う。

例:高級車の中古車専門ウェブサイト

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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⑤プレゼンの構成案の作成

次に、「プレゼンの目的やターゲットを入力すれば、プレゼンの構成案を作成してくれる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令書
あなたはプレゼン作成のプロフェッショナルです。以下の#制約条件 に従ってプレゼンテーションの構成案の作成を行い、#出力形式 に従って出力を行なって下さい。

#制約条件
・以下の#プレゼン内容 の条件に忠実に従ってプレゼンテーションの構成案の作成を行う。
・プレゼンの際には文章構成のフレームワークである#PREP法 の形式に従って考える。
・出力については必ず#出力形式 に従って行うものとする。

#PREP法
下記の内容に沿ってプレゼンテーションの構成の作成を行う。
・Point :結論(主張)
・Reason :理由(結論の理由・主張の理由)
・Example:具体例(理由に説得力を持たせるための具体的な根拠・事例)
・Point :結論(主張)

#プレゼン内容
目的:{自由記述}
ターゲット:{自由記述}
スライド枚数:{数字}枚
時間制限:{自由記述}
主要ポイント:{自由記述。箇条書きで書いても良い。}

#出力形式
【PREP法】
・Point :[#プレゼン内容 に応じて詳細に記載する]
・Reason :[#プレゼン内容 に応じて詳細に記載する]
・Example:[#プレゼン内容 に応じて詳細に記載する]
・Point :[#プレゼン内容 に応じて詳細に記載する]

【構成案】
<1枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<2枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<3枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
…
[#プレゼン内容 に応じて必要な枚数分だけ構成案を書く。]

例:自社製シャープペンシルの販売

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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⑥競合調査

最後に、「ビジネスの内容を入力すれば、3C分析(戦略設計のフレームワーク)を行ってくれる」深津式プロンプト・システムを使ったプロンプトのテンプレートをご紹介します。

プロンプト

#命令書
あなたは戦略設計のプロフェショナルです。
以下の#制約条件と#出力形式に従って、以下の#ビジネスに関する3C分析を行なってください。

#制約条件
・#ビジネス についての「3C分析」を行う
・「3C分析」とはCustomer:市場・顧客、Competitor:競合、Company:自社の3つの視点から分析することで経営戦略を立てることができるフレームワークです。
・出力の際は必ずそれぞれの「C」に対して詳細な分析を行ってください。
・分析は必ず客観的で分かりやすく、説明の過不足が無いようにしてください。
・出力は#出力形式に基づいて行ってください。

#ビジネス
「{埋める}」

#出力形式
1. 市場(Customer)
[分析を書く]
2. 競合(Competitor)
[分析を書く]
3. 自社(Company)
[分析を書く]

例:「完全オンラインマンツーマンのプログラミングスクール」の競合分析

このプロンプトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ

今回PROMPTYでは、ChatGPTの「深津式プロンプト・システム」とは何か、「深津式プロンプト・システム」のポイント、「深津式プロンプト・システム②」とは何か、「深津式プロンプト・システム」の活用事例について解説しました。

深津式プロンプト・システムをしっかりと理解したうえで、自分なりにアレンジを加えて、よりChatGPTの出力を上手にコントロールできるようになりましょう!