不動産会社の生成AI利用状況 59%が「使いたい」と回答も実際に使っているのは12%

いえらぶグループが実施した「住まい探しにおける生成AIの利用状況に関する調査」により、不動産業界における生成AIの利用状況が明らかになりました。

この調査は、エンドユーザー1,738名、不動産会社479名を対象にインターネットで実施されました。

この調査によって、不動産業界において、生成AIの利用による業務効率化やサービス向上への期待が高まっている一方で、技術的な課題や費用の問題が導入の障壁となっていることが明らかになりました。

参考:いえらぶブログ

不動産会社の生成AI利用状況

不動産会社の約59%が生成AIを業務で使いたいと回答していますが、実際に使っている会社は「毎日使っている」が1.5%、「時々使っている」が10.2%と合計約12%にとどまっており、使いたいが使えていない不動産会社が多い結果となりました。

また、国内企業全体での生成AIの導入率は24.0%であり、不動産業界の導入率はそれよりも低い状況です。

生成AIを利用する場合に不安に感じることとして、使っていない不動産会社の回答では「使いこなす自信がない」(44.7%)、「情報の精度」(43.0%)、「お金がかかりそう」(37.1%)が上位に挙げられました。

引用:いえらぶブログ

一方、使っている不動産会社では「情報の精度」(53.6%)が最も不安に感じる要素でした。

不動産会社が生成AIに期待する機能では、「文章作成」(51.1%)が1位で、「業務量の削減」(40.5%)が2位となりました。

引用:いえらぶブログ

不動産会社の生成AI活用例:物件の紹介文作成

不動産会社が生成AIに期待する機能では、「文章作成」(51.1%)が1位という結果になっています。

そこで一例として、生成AIの一つであるChatGPTを使って、物件の紹介文の作成を行ってみます。

プロンプト

#命令書
下記の#制約条件と#物件情報をもとに、顧客が契約したくなるような、魅力的な不動産物件の紹介文を作成してください。

#制約条件
*物件の魅力となる特徴を強調する
*「ゆったり」「広々した」など形容詞・形容動詞を用いる

#物件情報
・物件名:{自由記述}
・物件タイプ:{一戸建て/マンション/アパート/タウンハウス}
・所在地:{自由記述}
・価格:{自由記述}
・間取り:{自由記述}
・築年数:{自由記述}
・物件面積:{自由記述}
・交通アクセス:{自由記述}
・特徴:{自由記述}
・周辺施設:{自由記述}
・画像URL:{自由記述}
・担当者名:{自由記述}
・連絡先:{自由記述}

上記のプロンプトの#物件情報に下記を入力します。

物件名: サンシャインヴィラ
物件タイプ: 一戸建て
所在地: 東京都渋谷区
価格: 9,800万円
間取り: 4LDK
築年数: 5年
物件面積: 120平方メートル
交通アクセス: 渋谷駅から徒歩10分
特徴: ペット可、南向き、オートロック
周辺施設: 渋谷ショッピングモール、公園、小学校
画像URL: http://example.com/property_image
担当者名: 山田太郎
連絡先: 03-1234-5678

出力結果:

このように、物件の紹介文を簡単に作成することができました。

エンドユーザーの生成AI利用状況

ここまでは不動産側の利用状況でしたが、次にエンドユーザーの利用状況です。

エンドユーザー全体では生成AIの認知度は約79%で、50代以下のすべての世代で70%を超えています。

生成AIを利用する場合、エンドユーザーが期待する機能の1位は「おすすめ物件の提案」(59.8%)、2位は「内見予約」(40.0%)で、物件探しが早く便利になることを期待しています。

引用:いえらぶブログ

生成AIを利用した自動問い合わせを使いたいか尋ねたところ、過半数が使ってみたいと回答しています。

引用:いえらぶブログ

エンドユーザーが感じる「住まい探しで生成AIを利用するときの不安」では「情報の精度」(46.3%)が1位でした。

特に、1年以内に住まい探しをしたエンドユーザーでは、「情報の精度」は62.5%と非常に高い割合になっています。

引用:いえらぶブログ

まとめ

この調査から、不動産業界における生成AIの利用に対する期待と現実のギャップが明らかになりました。

業務の効率化やサービスの向上に対する期待が高まっている一方で、技術的な課題や費用の問題が導入の障壁となっているようです。

今後の生成AIの普及に向けて、これらの課題の解決が求められるでしょう。